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2019年12月 8日 (日)

大河ドラマいだてん 東京オリムピック噺・(46)炎のランナー ~聖火最終ランナーは誰? 平和への祈り~

1964・オリンピックイヤーです。
東京は、上を下への大騒ぎ。
新幹線も首都高速も完成していないのです。
果たして間に合うのか? どうなる東京オリンピック?

開会式まで9ヶ月・1月20日。
拍手と歓声に迎えられて出てきたのは、
記録映画監督を降板した黒澤 明の代わりとして担当することになった
市川 崑 監督です。

3月20日には、円谷幸吉選手が2時間23分31秒の好記録をマーク。

4月10日、オリンピックポスター第4弾が完成。
まーちゃんこと田畑政治が組織委員会を去って1年半のころです。

岩田幸彰は、そんなまーちゃんに
聖火リレーの最終ランナー候補者を紹介します。
坂井義則、19歳。早稲田大学。1945年8月6日生まれ。
平和の祭典として、原爆投下の日に生まれた彼は適任だとまーちゃんは頷きます。

東京オリンピックの現況ですが、
聖火は9月6日に沖縄へ渡ることは決定しているのですが、
まだアメリカの占領下にあった沖縄での、
国旗掲揚許可が下りていないわけです。

開会式まで84日・7月18日。
これまで川島正次郎が務めていた
オリンピック担当大臣に河野一郎が就任します。

 

岩田は、聖火リレーの最終ランナーとして坂井義則を推薦しますが、
8月6日生まれということから反戦をアピールして
アメリカの心証を損ねかねないと
組織委員会としては政府への働きかけを躊躇しています。

もう我慢ならん! とまーちゃんは組織委員会へ怒鳴り込み。
「やい! 組織委員会! 日章旗を今すぐ用意しろ!
沖縄で日の丸を振って聖火を迎えるのが島民の願い! 最重要事項!
聖火リレーの最終ランナーは坂井義則君を走らせるべきだ!」

アメリカにおもねって原爆への憎しみを口にしえないものは
世界平和に背を向ける卑怯者だ! と大声を出します。
言いたいことを言って去ってゆく田畑に、東 龍太郎都知事は頭を下げます。
「またいつでもいらしてください。席はご用意します」

 

開会式まで61日・8月10日。
報道陣は、広島に帰省中の坂井義則を有無を言わさず東京に連れ戻し
記事に仕立て上げますが、

「原爆の子」「広島の子」「アトミックボーイ」など
坂井の心情からすれば、皮肉な呼ばれ方のオンパレードです。

 

開会式まで50日・8月21日。
ついに聖火リレーが始まります。
採火式が行われたアテネを出発し、
アジア11都市を経由して東京を目指します。

焦ったまーちゃんは、最後の頼みの綱・平沢和重に頭を下げ
アメリカとの交渉を頼みますが、断られます。
「こういうのは、しれーっとやっちゃうんです」
つまり、事後承諾の形をとれ、と。

9月1日から沖縄にもマイクロ回線がつながって中継が可能になりますが、
それを利用して、聖火リレーの様子を特別番組として放送するのです。
沖縄と平和にやっているというのをアピールしたいアメリカは、
放送途中で日の丸を下ろさせたりリレーを中断させたりはできないわけです。

 

開会式まで33日・9月7日正午。
アテネからアジア11都市を経由した聖火が
ついに沖縄に上陸します。
まーちゃんは、600枚の旗を集め、聖火の到着を出迎えます。

平沢の考えが当たり、アメリカは何も言えません。
無事、聖火は沖縄をスタートすることができました。
テレビの解説委員でもある平沢は、アメリカへのフォローも忘れません。
「日の丸掲揚を容認したアメリカの寛大さ、称賛に値しますね」

 

開会式まで30日・9月10日。
まーちゃん悲願の選手村が開村します。
米軍から買い受けた代々木ワシントンハイツ66万平米の敷地内で
およそ6,000人の選手が寝食を共にするのです。

締め切り後にエントリーしてきたコンゴ共和国が
一番に選手村に到着しました。
選手は二人で、陸上種目だそうで、
初めてオリンピックに参加した時の金栗・三島を彷彿とさせます。

9月26日、コンゴ・ルーマニア・韓国・オーストラリアの選手による
入村式が行われます。
9月27日には羽田から浜松町へモノレールが開通。
10月1日、東海道新幹線開通、首都高速の一部が開通。

 

10月9日、4つのルートに分かれて日本中を走ってきた聖火は
皇居の前で再びひとつになります。
この平和の日は、翌日の開会式で最終ランナーの手によって
国立競技場に高らかに灯されることになります。

ところが…。

最終ランナーに決定した坂井の様子がおかしいのです。
おい! どうした8月6日! と田畑は声を掛けますが、
坂井はすすり泣きをしています。
「8月6日じゃありません! 僕は坂井です!」

東京を雨雲が覆いつくし、雨が降り出してきました。

 

※このドラマは、史実を基にしたフィクションです。


作:宮藤 官九郎
音楽:大友 良英
題字:横尾 忠則
噺(古今亭志ん生):ビート たけし
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[出演]
阿部 サダヲ (田畑政治)
中村 勘九郎 (金栗四三)
星野 源 (平沢和重)
松坂 桃李 (岩田幸彰)
麻生 久美子 (田畑菊枝)
安藤 サクラ (河西昌枝)
徳井 義実 (大松博文)
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森山 未来 (語り・美濃部孝蔵)
神木 隆之介 (五りん)
荒川 良々 (今松)
川栄 李奈 (知恵)
小泉 今日子 (美津子)
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生田 斗真 (三島弥彦(回想))
桐谷 健太 (河野一郎)
井之脇 海 (坂井義則)
三谷 幸喜 (市川 崑)
──────────
松重 豊 (東 龍太郎)
皆川 猿時 (松沢一鶴)
古館 寛治 (可児 徳)
薬師丸 ひろ子 (マリー)
役所 広司 (嘉納治五郎(回想))
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制作統括:訓覇 圭・清水 拓哉
プロデューサー:家富 未央・大越 大士
演出:西村 武五郎

 

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『いだてん』
第47回「時間よ止まれ」(最終回)

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