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2020年1月10日 (金)

プレイバック信長 -KING OF ZIPANGU-・(02)親父の死

【アバンタイトル】

尾張国は当時、上・下8郡に分かれていて、上4郡は守護代の織田信安が、
下4郡は尾張守護・斯波義統を擁した守護代の織田信友が治めていた。
織田信長の家は、その守護代家の分家で、3奉行のひとりに過ぎなかった。

だが、信長の父・織田信秀は、
木曽川沿いの港町・津島を拠点に富を蓄積し勢力を伸ばしていた。
信秀は、勝幡城を居城に那古野城を奪い、古渡城・末森城を築き、
他国にも攻め入って、三河の安祥城、美濃の大垣城などを手に入れていた。

すでに足利幕府は力を失い、京都は戦乱で荒れ果て、
日本国中、新旧交代の戦いで満ち溢れていた。

同じころ、ヨーロッパでも、カトリックの総本山・ローマ教皇庁の
古い権威主義と腐敗に対抗して、激烈な宗教改革運動が起こっていた。
来日した宣教師たちも、またその渦中の人たちであったが、
彼らはカトリック再建のため、命を捨てる覚悟で日本の地を踏んでいた──。

 

昼間から酒をあおり、踊りに興じている織田信長が何者かによって襲撃を受けます。
突然のことで、やっとの思いで追い払うことができたのですが、
敵は殺してしまったか逃げられたかで、何物の襲撃かは不明のままです。
信長はこの襲撃で額に刀傷を受けます。

そこに、信秀倒れる、の報が飛び込んできます。
病で倒れたのか、毒を盛られたのか?
信長はともかく、信秀のいる末森城に直接向かうことにし
近習たちには、那古野城の家臣たちにそれを伝えさせます。

信長は加納随天を呼び出し、信秀の寿命が見えるか尋ねます。
随天は、生きる方策を探る卦では人の死は見えない、と明らかにしませんが、
信長から見て、信秀の顔には死相が見えます。
「父上は間もなく死ぬぞ」

「死相見えるそうじゃな。わが命、まもなく尽きるやもしれぬ」
信秀のところに戻ると、信秀は笑っていました。
父が寝かせられている広間とは遠く離れた部屋で話していたはずなのに
なぜか聞こえていたのです。

信秀は、自分が死んだら尾張を取り巻く敵が一気に攻め寄せてくるゆえ
その時は随天の意見に耳を傾け、織田家の進路を探るように、と遺言します。

 

信秀はしばらく眠った後、ふと目を覚まします。
気分はだいぶ良くなっていて、厠へ一人で行けるほどです。
「付き添われて厠へ行くなら死んだほうがましじゃ。来るでない」

信秀の厳命に、じっと待つ信長、信行、るい、随天ですが、
突然雷鳴がとどろき始め、信秀が血相を変えて戻ってきました。
「太刀を! 安祥長家、生きておったか!」

信秀は、安祥城陥落の際にもらい受けた側室・安の前に立ちはだかり
長家を手引きしたな、と安を惨殺します。
信長と随天が安のところにたどり着いたときには、すでにこと切れており
何よりもまず信秀を見つけ出すことが先決、と慌てて捜索します。

信秀は大広間で、長家の亡霊たちと対峙していました。
信長にも信行にも何も見えないのですが、随天だけはわかるようです。
信秀は随天とむちゃくちゃに刀を振り回して退治するのですが、
信秀の視線が信長にまっすぐに向きます。

「正面に立ってはなりませぬ。逃げられよ」
随天の叫びもむなしく、信秀は信長に切りかかります。
病人とはいえ、父の力は非常に強く、
父上! 信長にござりまするッ! と言うのがやっとです。

信秀に向かって信長が太刀を向けている姿に
信秀は我に返るのですが、力を使い果たしたのか
がたっと崩れ落ちます。

 

信秀は信長に、随天を重用するように言い、
他のものは誰一人として信じるな、と遺言します。
そして、信秀絶命。
戦国大名としてはあっけない死でした。

信秀の死はその日のうちに方々に知らされます。
死におって、親不孝者めが! と駆けつけた織田信定は怒り
嫡男として枕元にいない信長に怒り心頭です。

信長はそのころ、入ってきたばかりの火縄銃の威力を試しています。
どこにでもついてきたがるのう、と帰蝶を見て笑いますが、
帰蝶は信長が末森城にいなくてもいいのか心配しています。

親父は死んだ。死ねば人は土に還る。
あとはつまらぬ弔い客の挨拶と、下心があるだけじゃ──。

 

信秀の葬儀が万松寺で行われます。
喪主席には誰も座っていません。
そこに現れたのは、傾奇者でひょうたんをぶらさげた信長でした。

ご焼香を、と促された信長は、
位牌に向けて抹香を投げつけて参列者をアッと言わせます。
「思い残されるな。尾張は……このわが手で!」

 

信秀の葬儀を終えて半月も経たないうちに、裏切りの戦が始まりました。
鳴海城城主の山口教継が今川義元に通じ、信長領内に攻め入ったのです。
信長が織田家の先頭では持たない、と踏んだのでしょう。

「裏切者は皆殺しじゃ! いくぞ」
信長は先頭に立って敵に攻め込んでいきます。


原作・脚本:田向 正健
音楽:毛利 蔵人
題字:渡辺 裕英
語り:ランシュー・クリストフ
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[出演]
緒形 直人 (織田信長)
菊池 桃子 (帰蝶)
高橋 惠子 (るい)
的場 浩司 (池田恒興)
二谷 英明 (平手政秀)
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宇津井 健 (林 通勝)
田中 健 (佐久間信盛)
本郷 功次郎 (佐久間盛重)
フランク・ニール (ルイス・フロイス)
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林 隆三 (織田信秀)
船越 英二 (織田信定)
平 幹二朗 (加納随天)
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制作:八木 雅次
制作著作:NHK
共同制作:NHKエンタープライズ
制作統括:渡辺 紘史
制作協力:NHKアート
    :NHKテクニカルサービス
演出:重光 亨彦

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