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2020年1月28日 (火)

プレイバック信長 -KING OF ZIPANGU-・(07)目には目を

【アバンタイトル】

古い地図を見ると、尾張国には無数の川が流れていたらしい。
現在の名古屋城周辺も、川に囲まれていたようだ。

水が豊かだから、米の産地であった。
その上、伊勢湾を抱えていて、海上交易も盛んだった。
信長は、その重要な港町・津島と熱田を父親から受け継いでいた。
経済的に恵まれていたのである。

その信長が、守護代を滅ぼし、清洲城に入って
尾張下4郡を掌中に収めることになったが、
それはあくまでも名目上のことで、
現実はかなり厳しいものであった。

信長が完全に掌握できていたの手は、
下4郡のうち西側の、海東郡と海西軍だけである。
三河に接する愛知郡は今川と手を結ぶ豪族がいて不安定だったし、
南の知多郡に至っては、ほとんどが今川の勢力下にあった。

尾張統一のためには、この2郡のほか、上4郡も制圧しなければならない。
信長の前途はまだまだ多難であった──。

 

清洲城を手に入れ、家臣総出で磨き上げさせる織田信長。
いつの日か必ず手に入れる、と心に決めた清洲城が
実際に自分の城になったわけです。
大手門は城主の品格を表す、と特にこだわりの入れようです。

舞『敦盛』が大のお気に入りの信長は、
戦勝祝いの宴でそれを舞わせることにします。
『敦盛』の一節を口ずさんでいるところを見ると、
相当ご機嫌であることがうかがい知ることができます。

信長は真っ先に帰蝶の居室に向かいますが、
子が産めない女は離縁を、と言い出し
先ほどまでとてもご機嫌だった信長が
たちまち不機嫌になってしまいます。

しかも、木から人が落ちてきました。
小物の藤吉郎という男だそうですが、
木から落ちる者に庭仕事をさせるな、と
信長は至極ごもっともなことを言って去っていきます。

 

宴が始まりますが、ひとり不機嫌なのは織田信光です。
坂井大膳を清洲城から追い出せたのも信光の一計があったからに相違ありません。
そう考えれば、対して力を使わずに清洲城を手に入れた信長が許せなくなってきます。
もっともっと、自分が評価されてもいいような気がするのです。

信長が清洲城に移るにあたり、
功績あった信光には那古野城を譲っていますが、
どうやら、信光が言いたいことは他にもありそうです。

 

信光が怒って宴を中座した直後、信長は前田利家と丹羽長秀を呼び、
織田信光の命を奪えと命じます。
ただし、尾張分裂の戦となれば、これを好機と今川が攻め込む危険性があるので
ひそかに、人知れずに、と命じます。

信光は信光で、弟の信次に信長殺しを示唆します。
いかにも頭領の座を欲している信行を抱き込み、
信長の命を狙うというわけです。

 

「目には目を、歯には歯を」と聖書にありますが、
そのまま読み進めると、それはいけないことだと書いてあります。
悪しき者には手向かうな。もし汝の右のほほを打たば、左をも受けよ。
しかし日本人にはこのような考え方がありませんでした。

理不尽に打たれれば、怒って打ち返すか、あきらめて泣き寝入るかで
すべてはこの世の無常という言葉で片付けられていました。
本当は、この世の中に無情などないのに。

布教活動の最中、おそらく武士の恨みを買ったのであろう
農民が切られ、フェルナンデス修道士の前に倒れこみました。
修道士は武士の前に立ちはだかり、まるでクマのように雄たけびを上げると
南蛮人か、とつぶやいた武士は、恐れおののいて逃げていってしまいます。

その後は寺に重傷の村人を運び込み、薬草で手当てをします。
その一連の救助活動を慈海は目にし、修道士たちの活動に
改めて素晴らしいと賛辞を贈りたい気持ちでいたのですが、
修道士は、夜、だれもいない竹藪の中で自らの背中に鞭を打ち続けます。

「私はデウスの教えに従わなかった。私にはその勇気がなかった」
結果的には武士を追い払い、救助活動までしましたが、
心の中では逃げていた、というのです。
ただ黙って、自らの背中に鞭を打ち続けます。

「トルレス神父どの。お願いにございます。
神のこと、この私にお教えくださりませ」
慈海は、ありったけの涙を流しています。

 

那古野城で、惨殺されている信光が発見されました。


原作・脚本:田向 正健
音楽:毛利 蔵人
題字:渡辺 裕英
語り:ランシュー・クリストフ
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[出演]
緒形 直人 (織田信長)
菊池 桃子 (帰蝶)
高橋 惠子 (るい)
的場 浩司 (池田恒興)
滝田 栄 (柴田権六)
──────────
高木 美保 (生駒の方)
橋爪 淳 (前田利家)
杉本 哲太 (丹羽長秀)
本郷 功次郎 (佐久間盛重)
田中 健 (佐久間信盛)
稲川 淳二 (慈海)
──────────
仲村 トオル (藤吉郎)
柴 俊夫 (滝川一益)
宇津井 健 (林 通勝)
平 幹二朗 (加納随天)
──────────
制作:八木 雅次
制作著作:NHK
共同制作:NHKエンタープライズ
制作統括:渡辺 紘史
制作協力:NHKアート
    :NHKテクニカルサービス
演出:小松 隆一

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