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2020年1月21日 (火)

プレイバック信長 -KING OF ZIPANGU-・(05)まむしの道三

【アバンタイトル】

鎌倉時代、守護は幕府の役人として
国々に派遣された、知事のようなものであった。
彼らはやがてその地に根を下ろし、権限の拡大に伴って力をつけ、
ついにその地方を支配するに至った。守護大名の出現である。

だが、戦国時代になると秩序は乱れ、下克上の風潮が日本全国を覆い、
守護大名でさえ安定した存在ではなくなっていた。
斎藤道三のように油商人から美濃一国を支配する大名にのし上がったものもいる。
そういう中で、守護代は領国支配の先鋒として守護大名が勝手に作ったものである。

当時、名ばかりの尾張守護・斯波氏は、かつて越前・遠江・尾張の
三国の守護を兼ねるほどの勢力を持っていたが、
今は昔日の面影もなく、
守護代・織田信友の居城・清洲に居候する有様であった。

「権威」と名の付くものが、時代の波に現れていた──。

 

美濃国・稲葉山城。

斎藤道三から尾張の様子を調べるように命じられていた
森 可成が戻ってきて、見たまま聞いたままを報告しています。
まずは婿の信長は、家老を死なせた後もうつつを抜かし、
守護代清洲城は静かですが、両者とも膠着状態と言っていいでしょう。

今こそ、今川と手を結び尾張を攻めよう、と言い出したのは斎藤義龍。
しかし、道三の娘・帰蝶は那古野城で人質同然だし、
攻め込めば帰蝶の命はありません。
今川と手を結ぶにも、半年、一年はゆうにかかります。

「億劫じゃが、一度会うてみよう」
道三は、髪の毛のない頭をポリポリとかきます。

 

やがて、道三から信長に宛てて、書状が届けられます。
尾張と美濃の国境にある寺で対面しよう、というのです。

織田家中でも反対の声が上がる中、加納随天の進言を受け入れて
信長は4月21日に対面することにします。

 

尾張富田の正徳寺で対面という運びとなりました。
両国から独立を認められた本願寺一向宗の寺で
寺を中心に街そのものが砦になっていて、
周囲には堀がめぐらされていました。

道三は尾張から寺に至る道沿いの民家に身を潜め
信長の様子をうかがっております。
やがて通過する織田軍は、長すぎるほどの長やりに
ぼろ布を巻いただけのいで立ちの信長に「予想以上じゃ」とポツリ。

それが、予定より1時間遅れて現れた信長は、月代も反り
着物も正装のものに着替えたもので
道三は信長を見て、おかしくて咳ばらいをするのがやっとです。

ここでの会見で、今川義元が京に向かって動き出せば、
尾張はその通り道になるゆえに、美濃から援軍を送ろう、と
道三は約束してくれました。

 

人は、人生の途上で重要人物に出会うといいますが、信長にとって道三であるように、
スペイン人のフェルナンデス修道士、トルレス神父たちにとって、
ポルトガルから来て平戸に滞在していた貿易商・アルメイダという人物でした。
彼は、イエズス会に入会したくてやってきたのです。

アルメイダはのちに、日本に西洋医学を伝える役割を果たします。
歓迎のしるしとして、慈海は
アルメイダに琵琶で語る平家物語を聞かせます。

 

ある日、那古野城の城門に、着物もはだけて駆け込んでくる若者がいました。
尾張守護・斯波義統の子、斯波義銀で、狂ったように「助けてくれ」と叫んでいます。
「清洲にて守護・斯波義統どの、命奪われたようでござりまする」
つまり守護が守護代に命を狙われたということになります。


原作・脚本:田向 正健
音楽:毛利 蔵人
題字:渡辺 裕英
語り:ランシュー・クリストフ
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[出演]
緒形 直人 (織田信長)
菊池 桃子 (帰蝶)
的場 浩司 (池田恒興)
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篠田 三郎 (稲葉良通)
稲川 淳二 (慈海)
鈴木 瑞穂 (坂井大膳)
フランク・ニール (ルイス・フロイス)
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芦田 伸介 (斎藤道三)

平 幹二朗 (加納随天)
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制作:八木 雅次
制作著作:NHK
共同制作:NHKエンタープライズ
制作統括:渡辺 紘史
制作協力:NHKアート
    :NHKテクニカルサービス
演出:重光 亨彦

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