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2020年2月 2日 (日)

大河ドラマ麒麟がくる・(03)美濃の国 ~光秀の故郷に生きる人々~

天文16(1547)年・秋、尾張の織田信秀が2万あまりの兵を率いて
美濃に押し入り、壮絶な戦いが繰り広げられました。
世にいう「加納口の戦い」は、斎藤利政の策により美濃方が勝利します。

織田信秀を扇動し、この戦いを起こさせた首謀者は、
帰蝶の夫・土岐頼純でした。
美濃の実験を取り戻そうとした、この若い守護は、
家臣である斎藤利政によって、その命を奪われてしまいます。

 

明智光秀は、いつか命を助けた菊丸という男と再会します。
実家の三河に帰ったら、お礼をして来いと追い返され、
イワソバ草という腹痛に効く薬草を持たされて戻ってきたのです。

明智家の家臣である藤田伝吾の世話をしていた駒は、
そろそろ薬草が底をついてしまうと嘆いたところでしたが、
菊丸が大量に持っていた薬草を見て、
それが生えている場所に案内してもらうことにします。

帰蝶が、明智荘までわざわざ出向いてくれました。
なんでも先の戦でケガをした明智光安の見舞いで、
といっても帰蝶が幼いころ、1年ほど過ごした館なので、
帰蝶本人は里帰りのつもりなのです。

といいつつ、森の中でリスを見つけ、捕まえるときに
上った木の小枝で足を切ってしまい、
ついでに駒に手当てしてもらったわけですが。

帰蝶と牧、駒の3人で、光秀は双六に弱いと大笑いしながら、
美濃に伝わる、キツネが嫁に化ける昔話を駒に紹介すると、
駒は京の人間であるはずなのに、
そのストーリーを聞いたことがありました。

「そのお方は、美濃のお方やも」
牧の言葉に駒は、記憶にない自分の幼いころの、命の恩人の
事実の一端を掴んだようで、複雑な表情を浮かべます。

 

美濃国の守護・土岐氏は、源氏の流れをくむ名家として
絶大な権力を持ち続けていました。
しかし一族の内紛は絶えず、土岐頼武・頼芸(よりのり)兄弟が
守護の座を争うに至り、その権力は大きく衰えていました。

土岐頼芸は、一度は守護の座に就きつつも、
今は美濃の実権を握った斎藤利政に支えられ、隠居同然。

そんな頼芸は、鷹の絵を描きつつ、利政に疑問をぶつけます。
「そなた…頼純を殺したそうじゃな」
私が? めっそうもない! と利政はすっとぼけますが、
しかし命を奪われたのは事実なのです。

今は空席となった守護の座に、二度目の登板として頼芸を推薦する利政ですが、
まだ毒は盛られたくない、と頼芸は表情を変えずにつぶやきます。
「操り人形に毒は盛りませぬ」
利政の言葉に、ギョッとして睨みつける頼芸です。

館を後にするとき、頼芸は高政を呼び止め、
そなたの父は当てにはならぬ、とつぶやきます。
頼りとするのは高政だ、と。
しかしその会話を、利政はしっかりと聞いていました。

頼芸はさっそく、織田信秀に使いを出させ、
もう一度美濃を攻撃させて利政から美濃を取り返せと命じます。

 

土岐屋敷から戻った高政は、頼芸がよろしくと言っていたと
母親の深芳野(みよしの)に伝えます。
深芳野はもともと頼芸の側室であったのですが、
家臣の利政に下げ渡したのです。

「私の父親は、まことにあの父上でございますか」
高政は、前々からの疑問を思い切って深芳野に聞いてみますが
紛れものう殿じゃ、と
深芳野は急に真顔になり、高政を振り返って答えます。

 

駒は明智荘から望月東庵のもとに戻ることになりました。
同行者は菊丸です。
そして光秀は、高政に呼ばれて稲葉山城へ向かいます。

利政の命で、鉄砲の効力について詳細に調べよとのことですが、
高政は、こういった訳の分からないものは苦手で、すべてを光秀に一任。
はっきり言ってしまえば、利政も高政も鉄砲という道具に興味がないわけで
取るに足らないものは取るに足らない者に調べさせる主義なのです。

全国の大名たちがこぞって鉄砲を買いあさり、多く求めているほど
鉄砲という価値が認められつつあるというのに
この親子はまるで興味を持ってくれないことに、光秀は怒りが頂点に達します。

それはそれとして、高政は光秀に伝えたいことがありました。
これから10年先、利政が実権を握っているかどうかは疑問だ、というのです。
確かに利政は戦に長けていますが、内政は抜かりが多く、
頼芸もすでに利政を見限っています。

高政は、自分の出自を含め、頼芸のその話に乗っかろうと考えていました。
高政は、その時がきたら、光秀も力を貸してほしい、ということでした。
「その話、しかと承った。麒麟がくる国に」

 

尾張国・古渡城に織田信秀はいました。
前年、利政に敗北を喫したとはいえ、
美濃攻めの意欲は捨ててはいませんでした。

頼芸からの書状に目を通した信秀ですが、
駿河の今川義元が大軍を率いて三河まで攻め込んでくるという
知らせが舞い込んできました。

駿河国から出陣した今川軍は、重臣の太原雪斎を総大将として
1万を超える将兵で三河に侵攻したのです。
今川・織田の両軍は、三河小豆坂で相対し、
ひときわ激しい戦いを繰り広げます。

駿河・遠江の守護である今川義元は、
海道一の弓取りとはやされ、名実ともに戦国大名の雄でした。
その義元が、尾張を視野に入れ、
隣国の三河の覇権を巡って攻め入ったのです。


作:池端 俊策
脚本協力:岩本 真耶
音楽:ジョン・グラム
語り:市川 海老蔵
題字:中塚 翠涛
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[出演]
長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)
門脇 麦 (駒)
岡村 隆史 (菊丸)
石川 さゆり (牧)
尾美 としのり (土岐頼芸)
伊吹 吾郎 (太原雪斎)
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川口 春奈 (帰蝶)
伊藤 英明 (斎藤高政(義龍))
南 果歩 (深芳野)
片岡 愛之助 (今川義元)
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高橋 克典 (織田信秀)
本木 雅弘 (斎藤利政(道三))
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制作統括:落合 将・藤並 英樹
プロデューサー:中野 亮平
演出:大原 拓

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『麒麟がくる』
第4回「尾張潜入指令」

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