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2020年2月21日 (金)

プレイバック信長 -KING OF ZIPANGU-・(14)桶狭間の戦い(後)

【アバンタイトル】

当時、軍勢の移動速度は想像以上に早かった。
5,000人規模の軍団でも1日30km以上移動できた。
例えば、今川義元の本体5,000は、一日で浜松から豊橋まで、
翌日は豊橋から岡崎までという速さで歩いた。

5,000という軍勢は、全員が馬に乗っているわけではない。
馬上の武士は500人程度、あとは徒歩の下級武士、
槍組、弓組、鉄砲組の足軽たち、
予備の武器から食料まで積んだ多くの荷駄隊、それを押し続ける者たち、

その他、刀、槍、馬具、鉄砲、荷車などを修理する職人たち、
そして使者を葬るための僧侶まで同行していた。
そういった軍団が1日30kmを移動するのである。
まさに、戦争のプロたちであった。

 

織田信長は、戦い前に熱田神宮に立ち寄り、戦勝を祈願します。
後に合流した林 通勝隊、柴田勝家隊、織田信次隊とともに
佐久間信盛守る善照寺砦へと向かいます。

出発前の早朝の戦いで、すでに丸根砦と鷲津砦は陥落、
敵方に奪われて、佐久間盛重はじめ多くのものが討ち死にしました。
10倍の相手ならまだ戦える、と構えていた家臣たちは、
現実に立ちはだかる大きな壁に、言葉を失います。

今川の本体は沓掛城にあり、松平元康隊は大高城に入ります。
しばらくすると、本体が沓掛城から大高城に向かう動きを見せます。
先鋒は桶狭間あたりで休息中とのことです。

信長は、中島砦方向に向かって今川軍をたたくことにします。
昨日は食料を運び込むのに駆り出され、夜は丸根砦と鷲津砦の攻撃で休む暇なく、
兵士たちもくたくたに疲れ切っているはずなのです。
ここで待って本体が到着してしまっては、手遅れになります。

桶狭間上空に、雨雲がかかり始めました。

信長軍は、砦近くの道を一列になって移動します。
先頭まではだいぶ近づけましたが、義元本体にはまだまだ距離があります。
こちらから近づくのをやめ、小競り合いで誘い出し、距離を縮める方針に切り替えます。

小道を警護する兵士たちも、雨を避けて木陰で休ませます。
そこをいきなり森 可成隊が通過していくのだから
敵は驚いて手も足も出せません。

本体近くで小競り合いをした後、号令でいったん撤退します。
先ほど通り抜けた小道では、弓隊が構えていますが、
さらに外側から織田の弓隊が攻撃を仕掛け、避けたところを騎馬隊が通過します。

そんな具合で、先陣森 可成隊、第二陣川尻秀隆隊、
第三陣林 通勝隊、第四陣柴田勝家隊、
そして第五陣に本体の織田信長・内藤勝介隊と出発していきます。

 

今川義元は、織田の本体2,000が
今川の「先鋒」と戦っている知らせは受けていましたが、
その先鋒が惨敗したことにとても驚きます。
「何のために15,000の兵がおるのじゃ! 信長の首を持ってまいれ!」

 

戦っている最中、内藤は
慌てて輿に乗り込む姿を遠くから目撃し
単騎、義元目掛けて駆け出します。
「今川義元に一番槍! やーっ!!」

内藤、早まるな、と信長は叫びますが、
もはや内藤の耳には届きません。
義元の輿近くにまで迫りますが、本体警護の兵に斬られて倒れます。

しかし気づけば、織田隊は本陣近くにまで迫っていました。
義元の輿の包囲網を少しずつ縮ませ、
輿から逃げ出した義元を討ち取ります。
「今川義元、討ち取ったぞーっ!」

内藤は、討ち取った義元のすぐ近くに横たわっていました。
意識もうろうとする中、信長はゆっくりと語りかけます。
「内藤…内藤…もう終わった…勝ったのじゃ! 勝ったのじゃ!!」
それを聞いた内藤は、少し微笑んで息を引き取ります。

 

信長勝利の知らせは、すぐに清洲城にもたらされます。
帰蝶、しの、加納随天、るいは一様に
安堵の表情を見せます。


原作・脚本:田向 正健
音楽:毛利 蔵人
題字:渡辺 裕英
語り:ランシュー・クリストフ
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[出演]
緒形 直人 (織田信長)
菊池 桃子 (帰蝶)
高橋 惠子 (るい)
的場 浩司 (池田恒興)
塚本 信夫 (内藤勝介)
滝田 栄 (柴田勝家)
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高木 美保 (しの)
橋爪 淳 (前田利家)
杉本 哲太 (丹羽長秀)
田中 健 (佐久間信盛)
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仲村 トオル (藤吉郎)
柴 俊夫 (滝川一益)
宇津井 健 (林 通勝)
平 幹二朗 (加納随天)
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制作:八木 雅次
制作著作:NHK
共同制作:NHKエンタープライズ
制作統括:渡辺 紘史
制作協力:NHKアート
    :NHKテクニカルサービス
演出:重光 亨彦

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