プレイバック信長 -KING OF ZIPANGU-・(18)和平同盟
【アバンタイトル】
フランシスコ・ザビエルをはじめ、日本に来た
イエズス会宣教師たちは、報告書を提出する義務を負わされていた。
彼らは報告書を何通も作り、ローマのイエズス会本部や
ポルトガル、スペインの修道院へ送った。
たとえ事故があっても、どれか一通が残るよう配慮されたのである。
ルイス・フロイスの書いた『日本史』は報告書ではない。
上司の命令で、日本での布教史を書いたものである。
そのフロイスも、生まれ故郷のポルトガルでは、無名の存在である。
彼らの誕生日はもちろんのこと、その住まいも家柄もまったく不明である。
彼はなぜ16歳でイエズス会に入ったのだろう。
彼に何度も会った信長なら、そのあたりの事情を知っていたかもしれない──。
永禄4(1561)年・冬、
三河の松平元康から和睦を求める書状が届き、
翌年の正月にかけて水面下で
織田と松平の和睦同盟の話が進められてきました。
今川義元亡き今、家督を継いだのは頼りない今川氏真ですが、
家臣団がいつ義元の弔い合戦を言い出して氏真を担ぎ出すか分かりません。
そうなれば、元々の主君であった今川側と、元康が戦うことができるのか
そこが最大の悩みどころとなります。
美濃攻めをしている織田信長としては、
駿府方面の壁とすることができる元康との和睦は結びたいのですが、
元康自身の覚悟を確かめるため、しばらく様子見してみることにします。
一方、和睦の使者を送った元康ですが、
混迷を極める今川家から少しでも早く抜け出し、三河で自立して
松平家を盛り立てていきたいという気持ちが強いです。
今川に人質を取られている事実を考慮しての決断でした。
そんな時、氏真から書状が元康に届けられます。
尾張と和睦を進めている話が駿府に聞こえたらしく、
もし和睦をするようなことがあれば人質はないと脅してきますが、
信長が駿府を攻める話があり、それを食い止めるために和睦すると返答します。
ともかく今川に織田との和睦の話を知られた上は、早急に中島城の板倉重定を攻めて
織田にその決意を知らしめなければなりません。
岡崎中島城は今川方ですが、三河国内が混迷を極めていては信長に攻め込まれてしまう、と
三河国内統一を一日も早く成すために攻め込むと氏真に説明することにします。
氏真が脅したり疑ったりしている間に、こっそりと両家の重臣たちが鳴海城に集まり
水野信元を仲介人として和睦の話を進めることになりました。
信元は元康の母・於大の方の兄で、元康にとっては伯父にあたります。
しかし、問題となったのは国境線でありまして、
どの時点での国境で和睦をするかで両者平行線をたどります。
3ヶ月後・永禄4(1561)年5月。
ようやく元康との和睦が成り、信長にとっては東の憂いがなくなりました。
これから美濃だけに専念できると鼻息荒い信長ですが、
その相手・斎藤義龍が死んだとの知らせが舞い込みます。
信長は帰蝶の居室を訪れ、義龍が死んだことを伝えます。
そして、明日にも美濃攻めへ向かう、と宣言しますが
帰蝶は大粒の涙をポロポロこぼし、つぶやきます。
「今日を限りに美濃のことは忘れまする。兄あっての美濃でした」
それでも信長は美濃攻めを実行。
斎藤方は弔い合戦で全力でぶつかってきます。
そんな中、藤吉郎が斎藤方の夜盗の頭目たちを味方につけたとの報告があがります。
都合3000人が斎藤から織田に鞍替えというのは、実に大きな話です。
この手柄で、藤吉郎は足軽組頭に昇進します。
半年後、元康が清洲城に来訪します。
家臣前での和睦会見は対等の扱いを、という酒井正親の申し出もあり、
信長は先方の要望を極力かなえたうえで会見に臨みます。
対等と言っても、元康が清洲に来る時点で勝ち負けは見えているも同然なのです。
元康が幼少のころ、2年間ほどを織田家に人質として
預けられていたこともあり、信長と対面するのはその時以来です。
旧知の仲とあって、会話もずいぶんと弾みます。
この二人の関係は、信長が亡くなるまで続きますが、
その裏には、元康の血のにじむような思いがあったのです。
信長の妹・お市が登場します。
このお市も、悲劇的な一生を送った女性として有名です。
原作・脚本:田向 正健
音楽:毛利 蔵人
題字:渡辺 裕英
語り:ランシュー・クリストフ
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[出演]
緒形 直人 (織田信長)
菊池 桃子 (帰蝶)
高橋 惠子 (るい)
的場 浩司 (池田恒興)
鷲尾 いさ子 (市)
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仲村 トオル (藤吉郎)
高木 美保 (しの)
田中 健 (佐久間信盛)
大和田 伸也 (酒井正親)
フランク・ニール (ルイス・フロイス)
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郷 ひろみ (松平元康)
柴 俊夫 (滝川一益)
滝田 栄 (柴田勝家)
宇津井 健 (林 通勝)
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制作:八木 雅次
制作著作:NHK
共同制作:NHKエンタープライズ
制作統括:渡辺 紘史
制作協力:NHKアート
:NHKテクニカルサービス
演出:小松 隆
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