大河ドラマ麒麟がくる・(08)同盟のゆくえ ~帰蝶は信長に嫁ぐのか~
尾張・熱田の港で明智光秀が待っていると、
遠く沖合から一艘の船が戻ってきました。
船に立つ若武者こそ、織田信長です。
釣った魚を沖でさばき、漁村民に売りさばくと
さっさと沖を後に帰って行ってしまいました。
一度会っただけでは、どうもつかみどころのない男です。
「織田信長…奇妙な男じゃ」
明智館で、帰蝶と光秀の昔話を駒が聞いていました。
帰蝶と光秀は幼馴染で、まるで兄妹のようにどこへ行くにも一緒。
その話を聞いていると、駒は帰蝶が羨ましくもあり、
お互いに好き者同士なんだな、と妬けてきます。
今でも十兵衛様がお好きでございましょ、と駒が尋ねれば
そなたはどうじゃ、と意地悪く返してくる帰蝶。
お互いにうなずき合って、お互いの光秀への気持ちを確かめた二人ですが、
婿取りの話が進んでいる帰蝶には、光秀と思いを遂げられそうにありません。
尾張から戻った光秀ですが、帰蝶に何と報告していいものか悩んでいます。
海辺で会ったあの男に嫁ぐことを考えれば、太鼓判は押せないし
美濃国のことを考えれば、海を得ることができる足掛かりにはなります。
ひとまず、海がきれいな所だと説明します。
「そなたの口からききたい。行って見るべし、と」
帰蝶は光秀を見据えて口を開きます。
光秀は、帰蝶の求めのまま、行かれるがよろしいかと、と答えます。
「尾張へ…お行きなされませ!」
帰蝶が明智館から稲葉山城に戻ったことで、結果的に
尾張と手を結びたくない高政一派からの裏切りとなってしまいますが、
高政は光秀を、土岐頼芸の館へ連れていきます。
頼芸は、利政の横暴を心から憎んでおりまして、
ゆえに利政にこびへつらう光安のことも嫌いなわけですが
尾張と手を組めば、織田の大敵今川義元と戦わざるを得なくなるわけで、
そんな大ごとを一人で決めた利政のことは断じて許さぬ、と光秀にくぎを刺します。
こういった形で裏切りを働いた光秀ですが、光秀を勝手に処分すれば、
利政が必ず出てくるわけで、いま、頼芸一派の中に利政と戦える男がいない以上
不問に伏すしかありません。
頼芸は頼芸で、利政の横暴を憎みつつ、何もできないわけです。
そして高政ですが、頼芸にべったりと従っていますが
父親・利政がああいう風に横暴を貫いていますので
頼芸は、高政の主張なんて一切聞き入れなくなってきました。
頼芸の中での高政のランクが徐々に徐々に下がっていきます。
駒が、京に帰ると言い出しました。
藤田伝吾や村の者たちが、駒のために宴を開いてくれます。
翌朝、峠道まで見送ると光秀は言いますが、
駒から、帰蝶の時は見送りしなかったと鋭い指摘を受けます。
本当は帰蝶のことが大好きで、手元から手放したくなかったのでは? と聞かれ
そうかもしれぬ、とだけ答えます。
「それが聞けてよかった…お別れでございます」
涙目の駒は、光秀の脇をすり抜けて京への道を歩いていきます。
ただ、見送ることしかできない光秀です。
天文18(1549)年2月、帰蝶は信長に嫁いでいきました。
駿河・今川義元の屋敷では、呼び出された岡崎城城主の松平広忠が現れます。
尾張と美濃が手を結んだため、国境に位置する三河としては
その備えを盤石なものにしなければなりませんが、
「わしが手を貸す。攻め時は今ぞ」と義元は広忠をけしかけます。
織田軍に国境を攻撃され、松平家の城もいくつか奪われ、
かつ嫡男竹千代を人質として尾張に預けられている以上
父の広忠としては何としても松平家を立て直す意味でも尾張攻撃をしなければならないのです。
帰蝶が入城した那古野城ですが、肝心かなめの信長がいなくなります。
「信長様は、今日という日をご失念あそばされたか」
帰蝶は最大の皮肉で平手政秀に尋ねますが、
いまはとりあえず信長を見つけ出すことに専念します。
作:池端 俊策
脚本協力:岩本 真耶
音楽:ジョン・グラム
語り:市川 海老蔵
題字:中塚 翠涛
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[出演]
長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)
染谷 将太 (織田信長)
門脇 麦 (駒)
岡村 隆史 (菊丸)
石川 さゆり (牧)
西村 まさ彦 (明智光安)
尾美 としのり (土岐頼芸)
伊吹 吾郎 (太原雪斎)
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川口 春奈 (帰蝶)
伊藤 英明 (斎藤高政(義龍))
南 果歩 (深芳野)
片岡 愛之助 (今川義元)
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本木 雅弘 (斎藤利政(道三))
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制作統括:落合 将・藤並 英樹
プロデューサー:中野 亮平
演出:大原 拓
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