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2020年3月22日 (日)

大河ドラマ麒麟がくる・(10)ひとりぼっちの若君 ~信長家康光秀 一堂に~

「先生……私ダメです。ダメみたいです」
天文18(1549)年・夏、駒は望月東庵にポツリとつぶやきます。
心配する東庵をよそに、駒は放心状態のまま
町の市場へとぼとぼと歩いていきます。

その視線の先には、鮮やかに華やかに踊り舞う、
伊呂波太夫率いる芸人一座の行列に向いていました。

町人に駒の居場所を教えられて、急いで向かった東庵は、
ピンと張る綱の上に乗って曲芸を見せる駒の姿を目撃します。
そして駒は伊呂波太夫と再会を喜び合うのですが、
考えてみれば京に戻ってきたのは5年ぶりであります。

伊呂波太夫はしばらく尾張に行っていたそうですが、
実は、織田信秀とも直接会えるほどの人物なのであります。
夜盗が多いという情報もあり、美濃へはとうとう行かずじまいですが、
全国的に名前が知られている謎の女座長です。

そういわれてみれば、東庵も“貧乏医者”といいながら、
お公家様のご信頼はとても厚く、京随一の名医という名声は各国にとどろいていますので、
伊呂波太夫も東庵も似た者同士かもしれません。
伊呂波太夫曰く、東庵は多少気難しいらしいですが(笑)。

東庵は、美濃から帰って来てからというもの、
心ここにあらずなお駒をとても心配しておりまして、
妹としてかわいがってくれる伊呂波太夫にお駒のことを打ち明けます。

お団子を食べに誘い出した伊呂波太夫は、
お駒が一座にやってきた時のことを振り返っていました。
先代(母親)から、駒を妹と思え、悲しい時はともに泣いておやり、と言われたのだそうです。
我慢強い駒は泣くことはなく、お姉さんになり損ねたと伊呂波太夫は笑っていますが。

「好きなお方が…ずっと遠くへ…こういう時…どうすればよいのか分からなくて」
駒の心の叫びをすぐに感じ取った伊呂波太夫は
駒の好きなその相手が手の届かない人であったことを感じ取ります。
もしかしたら、伊呂波太夫も経験してきたことなのかもしれません。

「世の中、辛いことがあればいいこともあるものですよ」
そう諭す伊呂波太夫は、美濃ではいいことはなかったのかと優しく尋ねてみると、
駒が子どものころ、家が焼けて右往左往していたところを助けてくれた侍が
美濃の人だったということが分かった、と伝えたのです。

「母が言ってたの。そのお侍の御紋は桔梗だって」
駒が焼け出されたその日のことは、その侍が一座に駒を連れてきた時なので
伊呂波太夫もとてもよく覚えている話なのですが、
連れてきた侍の御紋が桔梗と聞いて、駒は激しく動揺し走り去ってしまいます。

明智家の御紋が入っていて、とてもきれいで。この御紋、桔梗ですね──。
美濃を去る駒に、明智光秀が渡した扇には、桔梗の御紋がしっかりと描かれていました。
駒は、その扇をじっと見つめて泣き崩れます。
「私の命の恩人は…明智家の…」

11月、三河で戦が起きました。
尾張との国境にある安城城に今川軍が攻めてきたのです。
やがて城は落ち、守っていた織田信広は捕らえられてしまいました。
信広は信秀の側室の子であり、信長の異母兄にあたる人物です。

斎藤利政は、愛娘・帰蝶を尾張へ嫁がせて以来、
尾張で何かがあるたびに明智光安や光秀を呼びつけます。
尾張と三河のことなど美濃には全く関係ない話なので、光安は正直うんざりしているのですが、
利政は今回も例のごとく、ふたりを呼び出して意見を求めます。

今川に捕らえられた信広と、織田で預かる松平竹千代を交換したいという話なのですが、
大いに関わりがございます、と舌の根も乾かぬうちに態度を翻す光安です。
竹千代を今川に渡せば、跡を継ぐ三河も今川傘下に入ったことになり、尾張には強敵となります。
今川の虎に睨まれた尾張の猫、美濃はその猫と手を結んでいるわけです。

ここは、尾張と手を結んだままでいいのか、手を切った方がいいのか
今後の参考にするためにも、光秀を尾張へ送り込みます。

尾張では、信広と竹千代の人質交換について、信秀と信長が論戦を交わしていました。
国境という前線に立ち、城を守ってきた信広をどうにかして救ってやりたい信秀と、
戦下手な信広は自害して果てるべきであったとして譲らない信長。
信長は、竹千代は誰にも渡さないと宣言して末森城を後にします。

熱田の市に立ち寄って、菊丸が売る味噌を買い取った光秀は、それを那古野城に届けさせます。
光秀としては、ご機嫌伺いに味噌を持参したという体で那古野城に入ったわけですが、
父が味噌を届けさせるはずがない、大方何かを調べてこいと言われたに決まっている、と帰蝶にはお見通しです。

そこに、信長が末森城から帰ってきました。
庭で平伏する光秀を見て、彼が熱田港で見かけた武者であることに気づきます。
一度でも話したことのある相手であれば忘れない、という信長に、
光秀は目が泳ぎ、たじたじです。

途中、前日に約束しておいたからと竹千代が将棋盤を持って信長に会いに来ます。
信長は帰蝶と光秀を外させ、対局してやることにしたのですが、
竹千代を信広と交換する話を迷っていると伝えると、竹千代は信長の目を見つめます。
「今川は敵です。見たことのない敵なら懐に入って見てみとうございます」

その屋根裏で、菊丸がその話をひっそりと聞いていました。


作:池端 俊策
脚本協力:岩本 真耶
音楽:ジョン・グラム
語り:市川 海老蔵
題字:中塚 翠涛
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[出演]
長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)
染谷 将太 (織田信長)
門脇 麦 (駒)
岡村 隆史 (菊丸)
西村 まさ彦 (明智光安)
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川口 春奈 (帰蝶)
檀 れい (土田御前)
尾野 真千子 (伊呂波太夫)
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高橋 克典 (織田信秀)
堺 正章 (望月東庵)
本木 雅弘 (斎藤利政(道三))
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制作統括:落合 将・藤並 英樹
プロデューサー:関 友太郎
演出:一色 隆司

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