大河ドラマ麒麟がくる・(09)信長の失敗 ~いよいよ信長 本格登場!~
美濃と尾張の同盟の証として、斎藤利政の娘・帰蝶は
織田信秀の嫡男・信長のもとに嫁ぎます。
人質同然の身となったわけです。
尾張と美濃の同盟は、大国駿河の今川義元を刺激します。
三河の松平家を巻き込み、嵐の予感です。
「松平家の汚辱を晴らすのは今ぞ。織田と戦じゃ!」
駿河の今川屋敷を辞した広忠は、わずかな供周りで三河を目指します。
もうすぐ日暮れで、麓で宿をとった方がいいにもかかわらず、
明日の日暮れには駿河を出たいからと先を急ぎます。
その時、逃げも隠れもできない峠道で、広忠一行は急襲を受けます。
なすすべもなく全員が殺害され、静けさが戻った時、
菊丸が現れて、その凄惨さに言葉を失いますが、悲しんでいる暇はありません。
菊丸は広忠の腰刀を預かり、三河刈谷城にいる於大の方
(広忠の妻・竹千代の母)に腰刀を持っていきます。
織田の手のものが広忠のおそば近くに入り込んでいることを菊丸は突き止めており、
於大の兄・水野信元は、義元が黙ってはおるまいと唸りますが、
広忠の跡を継ぐべき嫡男竹千代は、いまだ織田の人質として預けられているため、
表立って戦を始めれば、竹千代の命すら危険にさらされてしまいます。
「竹千代様の影となり、命に代えてもお守りいたします」
織田の意図を計りかねている信元ですが、今は菊丸の言葉にうなずくしかありません。
尾張那古野城では、帰蝶が寝ずに信長の戻りを待ち続けています。
そこにひょっこりと姿を現した信長は、大して悪びれた様子もなく
「嫁いでくるのは蝮の娘と聞いていたが…いらぬ心配だったようじゃ」と笑い
さすがの帰蝶も怒りを抑えつつ、昨晩あった話を信長から聞いています。
村の池に潜んでいる化け物の話は、ともすれば鼻から信じがたいものではありますが、
帰蝶は話を聞き続けているうち、信長の人間性を気に入るようになっていました。
尾張末森城にそろってあいさつに出向いた信長と帰蝶は、
織田信秀と土田御前の出迎えを受けます。
そこで信長は、引き出物と称して広忠の首を持参するわけですが、
それを一目見て、笑顔が般若に豹変した信秀は、信長を扇でたたきのめします。
そのことを知ったら必ず義元が弔いとして竹千代を奪い返しに来るはずです。
今の織田家には今川と戦うだけの力を持っておらず、勝てません。
いくら帰蝶を娶って斎藤と手を組んだとしても、まだまだ日が浅く
蝮の利政がどう出てくるかは運任せのところがあるのです。
「この箱…持っていけ! 愚か者」
信秀に喜んでもらえる、ほめてもらえると思ってしたことですが、
真逆の結果になり、信長はすごすごと引き下がるしかありませんでした。
土田御前に案内された帰蝶は、次男の信勝と対面します。
信勝は竹千代と将棋を打っていました。
竹千代と互角の将棋をしている信勝に、土田御前は
「駒を落として差し上げなされ、フフフフ」と愛情たっぷりに接します。
土田御前や信勝の前では愛想なくふるまっている竹千代ですが、
実は信勝は将棋が弱く、竹千代はわざと負けてやっているのです。
その分、信長との将棋は面白く、挑みがいがあります。
信長のことになると、竹千代も饒舌に語りだします。
「帰蝶! 帰るぞ」
先ほどまでの優しい信長はどこへやら、
とても荒々しく帰蝶を呼んだかと思うと、怒り肩で末森城を後にします。
那古野城に戻った信長は、気晴らしに鉄砲を撃ちまくっていますが、
やってみるか? と帰蝶に尋ねると、目をらんらんと輝かせて頷きます。
信長は、帰蝶に手取り足取り教えます。
光秀は、光安から妻木の城に米俵を運ぶように命じられます。
妻木の城は、光秀が幼いころに何度も出入りしていますので、
城の勝手も分かっているのですが、
ある小屋に入ると、奥から女の声がします。
「幼い鬼が三匹、私を探しているのです。戸を閉めて下さりませぬか」
かくれんぼです! と言われて、ようやく我に返った光秀です。
幼いころを思い出してみると、光秀も子供のころにこの館で鬼となり、
そのうち女子を見つけて、花吹雪の歓待を受けたことがあります。
「そうか…あれはそなた…熙子殿じゃ!」
幼馴染の、光秀と熙子の再会です。
あれは幼いころの夏祭りの日、村の祭りの笛の音が屋敷まで届いていたとき
光秀は熙子に言ったそうです。
「大きくなったら、十兵衛のお嫁におなり」と。
光秀は、幼い鬼に見つかった熙子が花吹雪を散らしながら
かわいらしく逃げていく様に、懐かしい思いをかみしめています。
これは、光安の計らいでした。
光秀を妻木の城に向かわせて、年頃の熙子と娶わせる。
光秀が身を固めてくれれば、光安は兄の遺言通りこの明智城を光秀に譲る、と。
京では、駒が針治療を担当しておりますが、光秀のことを考えるとついつい放心状態で、
患者は痛がるし、駒から針治療受けるのも嫌がるし、東庵先生と交代してくれと言われてしまうし、
私もうだめみたいです、と東庵に告げて庵を出ていきます。
ただ無心に歩いていると、「伊呂波太夫がひと踊り! 参られよ参られよ」と
呼び込みの声が聞こえてきます。
駒はその声に吸い寄せられるかのように、近づいていきます。
作:岩本 真耶
音楽:ジョン・グラム
語り:市川 海老蔵
題字:中塚 翠涛
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[出演]
長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)
染谷 将太 (織田信長)
門脇 麦 (駒)
岡村 隆史 (菊丸)
木村 文乃 (熙子)
石川 さゆり (牧)
西村 まさ彦 (明智光安)
伊吹 吾郎 (太原雪斎)
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川口 春奈 (帰蝶)
片岡 愛之助 (今川義元)
檀 れい (土田御前)
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高橋 克典 (織田信秀)
堺 正章 (望月東庵)
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制作統括:落合 将・藤並 英樹
プロデューサー:中野 亮平
演出:佐々木 義春
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