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2020年4月26日 (日)

大河ドラマ麒麟がくる・(15)道三、わが父に非(あら)ず

「母上の御魂(みたま)にお誓いなされ! 私に家督を継がせると!」
天文23(1554)年、斎藤利政の愛妾・深芳野が亡くなり、
自分の本当の父親は土岐頼芸だと信じて疑わない斎藤高政は、
美濃の実権と利政を一日も切り離すべく、家督継承、守護代継承を利政に求めます。

よかろう、と短く返事した利政の行動は、実に素早かったです。
葬儀の読経が響き渡る中、利政は剃髪し出家。
仏門に入り、斎藤道三と号します。
その上で、斎藤家の家督を高政に譲ります。

高政が家督を継いで2ヶ月後、明智光秀は
真夜中であるにもかかわらず、急ぎの用だからと明智光安の呼び出しを受けます。
何事じゃ、と光安の屋敷に向かうと、そこには道三次男の斎藤孫四郎がいました。
孫四郎は、今回の高政の家督相続に不満を抱いているわけです。

高政の家督相続には、尾張の帰蝶も不満気であったそうで、
高政が家督を継げば、必ずや織田と敵対することになるであろう、と。
ゆえに、道三と考えの最も近い明智家の者たちに、
斎藤家が誤った道に進まないように見届けてほしい、というわけです。

具体的には、反高政派を美濃国衆から集め、明智家がその中心に立って
高政に一日も早く家督を退いてもらうためにクーデターを起こしてもらいたいのです。
またしても都合のいいように使われてしまうことを危惧した光秀は、
その申し出を軽くあしらい、断ります。

都合の悪いことに、その孫四郎の行動はすべて、高政に筒抜けでありました。
高政は光秀に、孫四郎のバックについている帰蝶に、
そのクーデターの動きをやめるようにくぎを刺してこい、と命じます。

もはや八方ふさがりとなった光秀は、悠々自適な暮らしをしている
道三の元を訪れ、家督相続に当たっての道三の本音を聞き出そうとします。
道三は、美濃の道筋は高政を中心にこれから作り上げること、とし、
孫四郎には叱っておくゆえ、高政とうまくやれ、と放っておきます。

尾張・清洲城で異変が起きます。
守護代織田彦五郎の家老・坂井大膳によって
尾張守護の斯波義統が暗殺されたのです。
義統嫡男・義銀が、難を逃れて那古野城の織田信長のところへ向かいます。

織田彦五郎が憎い! 坂井大膳が憎い!
命からがら那古野城へ逃げてきた義銀は怒りに震えていますが、
「そのお心を御旗に込め、この信長が清洲攻めの先陣を切ってご覧に入れまする」
と、信長はいたって冷静です。

そして数日後、帰蝶の元には、信長の叔父・織田信光が訪れていました。
なんでも清洲城の守護代・織田彦五郎から碁の誘いを受けています。
彦五郎とは義銀の父の暗殺に関連した人物であるがゆえに、
迂闊にその話に乗っかると信長に疑われそうで、信光は迷っているのです。

帰蝶は、義銀が信長に守られている以上、彦五郎も焦るのも無理はありません。
そして信光が碁に出かけたとしても、誰も疑うことはしないでしょう。
スパイとして清洲に送り込むことが難なくできます。
こちらとしても手詰まり感があったので、碁の誘いはまさに好都合です。

果たして、味方すると見せかけて清洲城に入った信光は
彦五郎と碁を打ちますが、その不意を突いて信光は彦五郎を暗殺します。
城主を失った清洲城の崩壊はことの他早く、
信長は義銀を擁して清洲城に入城します。

この事実は周辺の国々に衝撃をもたらします。
稲葉山城では稲葉良通が、いよいよ孫四郎が代わって政をなどと高政をけしかけ
反高政派(=孫四郎派)の動きに警戒するように注意を促します。

ほどなくして高政は病気にかかり、
どの薬師の診療も受け付けない身体になっていました。
見舞いに駆けつけた孫四郎・喜平次兄弟は、不意討ちされて命を落とします。
病気にかかったというのは謀だったのです。

相変わらず藤吉郎は駒に付きまとって、文字を習おうとしています。
菊丸は藤吉郎を追い払おうとしていますが、商人の道をあきらめた藤吉郎は
武士になって大軍の将になることを夢見ています。

?

一度に二人の息子を失った道三は
稲葉山城を脱出し、北美濃の大桑城に向かいます。
国を二分する親子決戦の前触れでした。

「わしは弟を斬ったのではない、斎藤道三の息子を斬ったのだ。
道三はわが父にあらず! 土岐頼芸様である!」


作:池端 俊策
脚本協力:岩本 麻耶
音楽:ジョン・グラム
語り:市川 海老蔵
題字:中塚 翠涛
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[出演]
長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)
染谷 将太 (織田信長)
門脇 麦 (駒)
岡村 隆史 (菊丸)
木村 文乃 (熙子)
西村 まさ彦 (明智光安)
伊吹 吾郎 (太原雪斎)
間宮 祥太朗 (明智左馬助)
村田 雄浩 (稲葉良通)
徳重 聡 (藤田伝吾)
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川口 春奈 (帰蝶)
伊藤 英明 (斎藤高政(義龍))
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佐々木 蔵之介 (藤吉郎)
堺 正章 (望月東庵)
本木 雅弘 (斎藤道三)
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制作統括:落合 将・藤並 英樹
プロデューサー:中野 亮平
演出:一色 隆司

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