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2020年6月12日 (金)

プレイバック信長 -KING OF ZIPANGU-・(46)安土山 神学校(セミナリオ)

【アバンタイトル】

一向宗を滅ぼした織田信長は、天正9(1581)年、
御所の東側で天皇を招き、織田の騎馬軍団の大行進を行います。
その後安土城に戻った信長は、本能寺の変で命を落とすまで
上洛はしませんでした。

安土には、信長の力添えもあって、立派な神学校(セミナリオ)ができていました。
オルガンティーノ神父が、その長に就任します。
布教会議では、安土をモデルとしながらも、相手が日本人であることを改めて念押しし
布教も日本人に合わせることを重要課題としています。

信長は朝廷から左大臣任官の話を受けますが、
次期天皇の誠仁(さねひと)親王が天皇の座についたときにとやんわりと断ります。
るいは左大臣任官を断ったことをとても残念がりますが、
そのうちいただきましょう、と信長は微笑みます。

しかしるいの話がやや遠慮がちに林 通勝と佐久間信盛の追放に及ぶと、
信長は途端に烈火のごとく怒りだし、るいは慌ててなだめにかかります。
そこに入ってきた市はそんな信長を傲慢だと批判し、信長に歯向かいます。
「長政の恨みを本気で晴らしたいなら、余を殺すしかあるまい」

市は短刀で信長を一突きしようとしますが、信長に簡単に弾き飛ばされます。
幼いころから多くの敵に囲まれ、数多くの裏切り者に遭遇し、
戦火をかいくぐってきて今ここにいる信長が簡単に殺せるとなぜ信じたか?
言葉など信じてはならぬ、と言い置くと、信長は短刀をもって去っていきます。

信長が神学校に入り、キリシタンの子どもたちが楽器で綺麗に奏でてもてなします。
そしてルイス・フロイスは、神学校の中にある茶室で信長に茶を点てます。
茶室があることに驚く信長ですが、日本人に合わせた宗教活動を
目指していることを伝えると、信長は納得します。

一方で、フロイスが信長の仲介を受けて天皇に挨拶をしたいと言うと
信長の笑顔は一変し、その必要はない、と感情をあらわにします。
現在日本を治めているのはこの信長であるから、何か願い事があれば
それはすべて信長に言うように、とくぎを刺したのです。

フロイスは、信長は日本全国を平定し、その頂点に立ちたいと願っていて
それゆえに自ら神になろうとしているのではないか、と考えます。
それはいわば悪魔のなせる所業であり、
フロイスはそんな信長を救ってやりたいと思い始めます。

信長が日本地図の平定した国に斜線を入れていると、
遠くからコツンコツンと音がしてきました。
その音は次第に大きくなってきて、信長のいる大広間の前で止まります。
音の主は加納随天でした。

目が見えなくなっていた随天は、かつてるいに部屋に戻れと言われたとき
るいが差し向けた侍女たちの助けを断って自ら部屋に戻ろうとして
廊下から庭に落ちて足を負傷していたのですが、
よく見ると、足が壊死、腐り始めていたのです。

信長の命もあって、随天の右足は切り落とされることになり
今、両脇に松葉づえをつきながら戻ってきたのです。
足を失ったことで悲しむ随天ですが、
不吉だと、信長は随天を追い出してしまいます。

越前北ノ庄城では、柴田勝家が前田利家と信長について話しています。
林・佐久間の追放に始まり、最近では持ち場にいなかった侍女たちを
多数斬ったとのうわさにまで至ります。
最近信長の周囲によき相談相手がいなくなった、と利家は信長を心配しています。

勝家は、自分たち織田家古参のものを遠くに配置し
子飼いの羽柴秀吉や明智光秀を近くに置いていることを挙げ、
秀吉や光秀のような出世に目がくらんでいる者たちに、
信長の相手ができるはずがないと嘆きます。

直接諫言したなら、秀吉や光秀を妬んでいると思われて
追放の憂き目にあうかもしれないし、それを防ぐとすれば
ここ越前から手をこまねいてみていることしかできません。

フロイスを安土城に招いた信長は、珍しく杯を交わします。
ポルトガルを15歳で出港したフロイスは、この年50歳になります。
人間五十年、と言うフロイスに、信長はいたく感心し
信長が思い描く今後のビジョンを語ります。

まずは日本全国を平定し、一つの国にしたうえで、
新しい国づくり──例えば、誰もが迷わずに商い出来るようにします。
城は国に一つだけ残し、それぞれに信長の配下の者を派遣して
安土城から全国を見渡せるようにするわけです。

フロイスは摠見寺のことを尋ねますが、自ら神になることで
人々に目に見えるものを信じてもらいたいという思惑があります。
天罰を受ける、とフロイスは困った表情を浮かべますが、信長は笑っています。
フロイスは、信長がキリシタンではなく異教徒であることを思い出すのでした。


原作・脚本:田向 正健
音楽:毛利 蔵人
題字:渡辺 裕英
語り:ランシュー・クリストフ
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[出演]
緒形 直人 (織田信長)
高橋 惠子 (るい)
鷲尾 いさ子 (市)
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稲川 淳二 (ロレンソ)
橋爪 淳 (前田利家)
フランク・ニール (ルイス・フロイス)
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滝田 栄 (柴田勝家)

平 幹二朗 (加納随天)
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制作:八木 雅次
制作著作:NHK
共同制作:NHKエンタープライズ
制作統括:渡辺 紘史
制作協力:NHKアート
NHKテクニカルサービス
演出:重光 亨彦

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