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2020年9月20日 (日)

大河ドラマ麒麟がくる・(25)羽運ぶ蟻(あり) ~光秀 美濃で信長に謁見~

永禄9(1566)年、覚慶は還俗して足利義昭を名乗り、
近江六角領の矢島御所から朝倉義景を頼って越前へ向かいます。
しかし一行は一乗谷からほど遠い敦賀に留め置かれ、
3ヶ月、半年と時間だけがむなしく過ぎていきます。

細川藤孝は、なかなか態度を明らかにしない義景に苛立ちますが、
義昭のライバル・四国の足利義栄は左馬頭(さまのかみ)に任ぜられつつも
摂津で足止めされていていまだに入京できてはいません。
三淵藤英は、まだ打つ手はあると冷静に動こうとしています。

義昭は庭に這いつくばり、死んだ蝶の羽を蟻が運んでいる姿に感動しますが、
その姿に自分自身を重ね合わせています。

義景は、上洛を迫る藤孝に会いたくないようで、仮病を使っています。
しかしその態度は、明智光秀が義景に上申した
「次の将軍職の大任、あの御方ではいかがかと存じます」という返答にあったのなら
光秀としてもなんとかせざるを得ません。

美濃・稲葉山城に、織田信長の姿がありました。
永禄10(1567)年、信長は稲葉山城から斎藤高政の子・斎藤龍興を追放し、美濃を平定。
長年の美濃と尾張との戦が終わり、織田が勝利を治めたのです。
美濃は、信長の支配下に置かれます。

牧が、美濃・明智荘に残った藤田伝吾からの手紙を光秀に見せます。
田畑も家も、光秀がいつ戻ってもいいようにしっかり管理してくれています。
そこで光秀は、牧が美濃へ帰りたがっている思いに気づき、
10月、牧を馬に乗せて美濃へ連れ帰ります。

牧が戻ったことで村衆たちが宴に興じているころ、
光秀は伝吾から、光秀が去った後の斎藤家について話を聞き出します。
龍興には当主としての器量に欠けるところがあったらしく、
人心が離れ、家臣たちにも裏切られ、むなしく追放されていったようです。

牧は、いまだに浪人暮らしが続いて自暴自棄になっている光秀に
十兵衛なら大丈夫、と優しく背中を押します。
明智家の当主、土岐源氏の血が流れている。
「誇りをもって、思うがまま生きなさい。やるべきことが見えてくるはず」

翌朝、光秀は稲葉山城の信長を訪ねます。
信長は光秀と再会するや否や、美濃に戻る気はないかと聞いてきます。
「わしに仕える気はないか? どうじゃ?」

光秀は、越前での暮らしがありますとやんわり断るのですが、
信長は光秀が何を考えているのかさっぱり分かりません。
光秀自身は、自分がこの先どう振舞えばいいのか分からないと吐露するのですが、
それは信長も同じで、美濃を平定した今、どうすべきか考えあぐねているのです。

追放した龍興は六角や三好三人衆と手を結んで美濃を取り返そうと
画策しているし、東には武田、北には朝倉と、周囲は敵だらけです。
どうすればよい? と意見を求められて、光秀は膝を進めます。
「上洛されてはいかがでしょう」

義輝亡き今、将軍の座は空位のままです。
そこで上洛し、幕府を再興して新将軍を盛り立てていけば
少なくとも畿内を押さえることはできそうです。
前々から手に入れたかった堺の町も信長のものになります。

小さな国にこだわっていても小競り合いは終わらず、キリがありません。
無駄な戦を終わらせるためには、将軍を中心とした平らかな世を
畿内から作り上げて、「大きな国」を目指していくのがよさそうです。
誰も手出しできない大きな国とは、かつて斎藤道三が言っていたものです。

京の望月東庵の屋敷では、丸薬作りが急ピッチで進められていますが、
寺からもらった薬を高値で売りつける「また売り」が横行しだして
駒はそれにカンカンに怒り、寺の住職と薬を売った少年を叱りに出かけます。

「おばさん…あんた誰?」と言われて、駒はかなりショックですがW
少年の言い分は、自分が得たものをどう使おうが勝手なことで、
高く売って銭を得て、それで妹や弟たちが飯を食えるわけです。
それのどこが悪いのかと問われて、駒は答えに窮します。

東庵に相談すると、駒も少年も間違えていないよ、と教えてくれます。
誰がまた売りしたって駒には関係ないことだし、
薬を変える者はそれだけのゆとりがあるわけです。
薬の効果は別として、駒の丸薬はそういう意味で人の役に立っているのです。

光秀が越前へ戻ると、藤孝と義昭が待っていました。
義昭は敦賀の庭で見た、蟻の話を光秀にします。

自分よりもはるかに大きな蝶の羽を一生懸命に運んでいたものの
小石や草が邪魔をして思い通りには進みません。
仲間の蟻が救援に来ても、それを払いのけて自分一人でどうにかしようとするのです。
「蟻は私だ。将軍という大きな羽は一人では運べぬが、助けがあれば…」

光秀は、義昭に対する見方をがらりと変え、
か弱き者の気持ちが分かる聡明なお方であると義景に伝えます。

永禄11(1569)年2月、摂津・富田では、朝廷からの勅使が到着し
三好一派が担ぐ義栄が14代征夷大将軍に就任します。


作:前川 洋一
音楽:ジョン・グラム
語り:市川 海老蔵
題字:中塚 翠涛
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[出演]
長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)
染谷 将太 (織田信長)
門脇 麦 (駒)
木村 文乃 (熙子)
石川 さゆり (牧)
谷原 章介 (三淵藤英)
眞島 秀和 (細川藤孝)
間宮 祥太郎 (明智左馬助)
村田 雄浩 (稲葉良通)
徳重 聡 (藤田伝吾)
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ユースケ・サンタマリア (朝倉義景)
滝藤 賢一 (足利義昭)
榎木 孝明 (山崎吉家)
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陣内 孝則 (今井宗久)
堺 正章 (望月東庵)
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制作統括:落合 将・藤並 英樹
プロデューサー:中野 亮平
演出:深川 貴志

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