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2020年12月13日 (日)

大河ドラマ麒麟がくる・(36)訣別(けつべつ) ~ついに決裂、信長と義昭~

「実澄、気に入ったのであろ、明智を。折を見て連れて参るがよい」
元亀3(1572)年の冬、正親町天皇の許しを得て、光秀が
“三条西実澄のお供”として御所へ上がる日がやって来ました。
“お供”なので帝の前に出られませんが、さすがの光秀もとても緊張しています。

水を渡り 復(ま)た水を渡り
 花を看 還(ま)た花を看る
  春風 江上の路
   覚えず君が 家に到る

春風吹く中、川を渡り水を看て頭上の花を看ながら、
いつの間にか友の家に着いていた──。
人は水の流れや花を見るとき、無心に時を過ごす。

「今日は庭に、珍しき鳥が舞い降りております」と実澄が言えば
かの者が参っておるのか!? と、光秀のことは忘れもしません。
帝から珍しき鳥に宛てて文が下され、光秀の手に渡ります。
「朕惟如此詩欲令起居」(朕はこの詩の如く 日々生きたいと思う)

私もそのように生きたく存じますが、迷いながらの道でございます。
受け取った光秀は思わず立ち上がり、返答すると、帝の直の声が響いてきました。
「朕も迷う。なれど迷わずに歩もうではないか、明智十兵衛」

帝の声が脳内を繰り返し流れ、ふわふわした居心地のまま屋敷に戻ると、
木下藤吉郎、柴田勝家、佐久間信盛が光秀の帰りを待っていました。

光秀の仲介で一旦和睦した松永久秀と筒井順慶でしたが、
元亀2(1571)年から3年にかけ、久秀は近隣の幕府方と戦を始めました。
戦は次第に激化し河内国にまで飛び火し、幕府は久秀を鎮圧すべく
信長に久秀を討てと命じたのです。

藤吉郎は、久秀を討つ暇があれば朝倉浅井を片付けるべきだと主張します。
どうやら将軍足利義昭は、織田軍が大和国に割かれている時を狙って
朝倉と浅井に上洛を促して信長を叩くようだ、というのです。
「そもそも柴田様も佐久間様も、本心で松永を討つと思われますか?」

光秀は、武装化してゆく義昭を危惧していました。
将軍となる前は、古き良き都へ戻すことに心血を注ぎ、
貧しい人々を救い、助けたいと願っていたのに、
今は権力を用いて誰かを倒すことしか考えていない。

義昭の求めに応じて剣術の手合わせを請われた光秀でしたが、
純粋なころの義昭を思い返すと、義昭との手合わせにも熱が入りません。
それでも義昭はコテンパンにやられてしまうのですが、
光秀の中に一つの答えが見いだされたような気がしました。

4月、幕府と織田の連合軍が河内国へ出陣します。
久秀と、久秀に急接近してきた三好一党を討つ大掛かりな出陣でした。
しかし信長はこの戦には加わらず、河内に攻め込んだ連合軍も
久秀を取り逃がして戦を終えてしまいます。

一方で甲斐国では、甲斐守護の武田信玄が家臣たちを集めていました。
信長の動きが鈍く、将軍との足並みもそろっていない様子だと伝え、
将軍から上洛の催促を受け、上洛したいと家臣たちに諮ります。

もちろん反対の家臣は一人もおらず、それを受けて信玄は
甲斐から遠江へ出て浜松城の徳川家康攻略を宣言。
10月、信玄は京に向かって進撃を開始します。

岐阜城に入った光秀は信長に、浜松城の家康へ送った3,000の援軍の
さらなる追加をと言上しますが、信長はそのつもりはありません。
朝倉、浅井、武田らに将軍が上洛を促している今、
信長が負けてしまっては元も子もありません。

そして、三方ヶ原で家康が武田軍に大敗したとの知らせが届けられます。

「わしは信長との戦を覚悟したのじゃ。もはや我慢がならぬ」
困惑する光秀に義昭は、信長の命運は尽きたと言い放ちます。
もちろん将軍家の家臣として光秀にはその戦には参加してもらいたいわけですが
光秀は、将軍家も織田家も大切なだけに、目の前が真っ暗になります。

元亀4(1573)年3月、義昭は畿内の大名を集めて信長に対して挙兵します。


作:池端 俊策
脚本協力:岩本 真耶
音楽:ジョン・グラム
語り:市川 海老蔵
題字:中塚 翠涛
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[出演]
長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)
染谷 将太 (織田信長)
門脇 麦 (駒)
木村 文乃 (熙子)
谷原 章介 (三淵藤英)
眞島 秀和 (細川藤孝)
安藤 政信 (柴田勝家)
金子 ノブアキ (佐久間信盛)
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滝藤 賢一 (足利義昭)
石橋 蓮司 (三条西実澄)
石橋 凌 (武田信玄)
尾野 真千子 (伊呂波太夫)

坂東 玉三郎 (正親町天皇)
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佐々木 蔵之介 (木下藤吉郎)
堺 正章 (望月東庵)
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制作統括:落合 将・藤並 英樹
プロデューサー:中野 亮平
演出:一色 隆司

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