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2020年12月27日 (日)

大河ドラマ麒麟がくる・(38)丹波攻略命令 ~光秀は新たな戦に向かう~

天正2(1574)年3月、織田信長が所望した蘭奢待(らんじゃたい)の一件は
御所を巻き込んだ、ちょっとした騒動になります。
信長がよかれと思って差し上げた蘭奢待の欠片を見て、
朕が喜ぶとでも思うたのか? と正親町天皇は快く思わなかったのです。

明智光秀も、時に信長が何を考えているのか分からなくなると吐露すると
近江坂本城に預かりの身となっている三淵藤英は、優しく諭します。
「その時にこそどう付き従うか、そこが家臣の器」

そんな藤英に下った信長の命は、光秀の予想をはるかに上回るものでした。
一両日中に、藤英は自害せよ、と──。

すっかり成長した光秀の侍女・たまに、生け花を指南するなど
藤英の人間性のすばらしさを垣間見ることができるのですが、
自分が置かれている状況の察知能力も、なかなかに高いわけです。
「信長殿は、私を斬れと仰せられたかな」

確かに藤英は、紀州由良に逃げている義昭と文のやり取りをして
信長討伐の企てを進めており、信長にその証拠が渡ってしまったための
切腹の処分というわけで、信長に対する反逆の芽を早めに摘んでおきたいのです。

光秀が義昭より信長を選んだのと同じように、
藤英も信長より義昭を選んだだけのことであり、
言い方を変えれば、主君を裏切る勇気がないだけなのですが、
ともかく藤英は一生、義昭に付き従うつもりなのです。

「切り捨てられた花にも、一度は咲いてみせたという誇りがある」
藤英は、光秀による減免の願い出を断り、自分の身は自分で処する、と答えます。
そして藤英は、立派に最期を遂げました。

秋、光秀軍は佐久間信盛、細川藤孝の軍とともに河内へ攻め込みます。
三好一党と一向一揆の連合軍を畿内から駆逐する戦だったのです。

その戦から戻った時、稲葉一鉄の家臣・斎藤利三が光秀を訪ねてきました。
一鉄から逃げてきたらしいのです。
光秀の脳裏に、一鉄の憎々しい顔と汚らしい笑い声が響き渡ります。
それを打ち消すかのように、光秀は利三と会うことにします。

ことの発端は、馬をよこせよこさぬの争いなのですが、
土岐頼芸から斎藤道三、道三から高政と龍興、そして信長と、
主君を見捨て、見限り、裏切り、乗り換えてきた一鉄に誇りを持てなくなり
馬をよこせよこさぬで草履を投げつけられたタイミングで見限ったわけです。

後日、京の妙心寺で信長の呼び出しを受けます。
「我が国の、小さな話じゃ」と笑う信長は、利三を一鉄に返せと言うのです。
しかし光秀は、利三が一鉄の元に戻れば間違いなく首を刎ねられると
信長の申し出を断ることにします。

「今度は大きな話じゃ」と信長は、地図を示しながら
光秀たちが河内から三好一党を追い払い、信長が伊勢一向一揆の息の根を止め
摂津の石山本願寺を除けば南側の敵はほぼ抑え込めました

「今度は大きな話じゃ」と信長は、摂津の石山本願寺を除けば
南側の敵はほぼ抑え込んだことを示したうえで、
残った丹波を光秀に任せることにします。
「ま、利三の件はわしから稲葉に話しておく」

若宮御殿に参内した従五位下の参議信長は、
東宮(皇太子)である誠仁親王からの信任もとても厚く
正親町天皇から誠仁親王への譲位を進めたい二条晴良にとってはいいカモなのですが
譲位反対派の三条西実澄もいて、非常に困った構図となっています。

信長としては、帝が早く譲位したいというのであれば
それに反対を唱えるものではないわけですが、
親王の天皇即位時に、新たな屋敷建立や儀式費用などでかかる1万貫を
さっさと出してくれ、という声にはお応えしかねるという主張なのです。

三条西実澄はそこを逆手にとって、信長の数多の敵を潰すには
これからも金が必要なわけで、だから慌てて譲位しなくても、という立場であれば
一番ありがたい存在なのですが、そこは信長は
帝が望むなら、との従来の主張を繰り返すわけです。

足利将軍家と懇意だった二条関白としては、幕府がなくなった今
その敵である信長を早く取り込まなければ己の居場所がないと
少々焦っているようにも見受けられます。
蘭奢待の一件以降、信長は宮中のことについては二条関白に相談していて、距離は近いようです。

正親町天皇はふと「万葉好みの珍しき鳥」を思い出します。
光秀のことです。
「実澄、かの者と話したいと思う」

光秀は近衛前久に会うべく、妹の嫁ぎ先である丹波から戻ってきていないかと
伊呂波太夫の一座の拠点に向かいますが、未だに戻ってきていません。
前久が京にいると分かれば、二条関白が放ってはおかず、たちまち捕らえられてしまいます。

太夫は、光秀が前久に会えるように仲介役を引き受けることにします。
その代わり、前久が京へ戻れるように信長に頼んでほしいと交換条件です。
光秀は、丹波までの道に詳しいものの紹介を依頼しますが
「一人いますよ。駒ちゃんのところに」

後日、光秀は望月東庵の屋敷へ向かい、菊丸と久々の再会を喜びます。
丹波園部への道案内はすでに太夫から話が通っていて承諾済みです。
そして駒とも会い、今の足利義昭の様子などを聞いていたのですが、

薬売りの手伝いをする者が、帰り道に立ち寄る寺の名前を忘れたらしく
代わりに菊丸が駒に確認しに来ました。
駒が教える寺の名前を書き留めている菊丸の筆跡をみて、
誰かが光秀に信玄が死んだと教えた、その紙切れの筆跡と同じだったのです。

丹波は反信長勢力の国衆がたくさんいて、園部はその中心でした。
丹波に詳しい菊丸の話では、船井の小畠永明であれば
光秀と話をしてくれそうだという情報で、
さすがは菊丸だな、と自分が持っていた情報に間違いはなかったと安堵する光秀です。

園部までたどり着いたので、これからは太夫の案内です。
太夫が近衛前久の住まいに案内し、こちらも久々の再会となります。
光秀は前久が信長の味方になると確認の上で、小畠永明に会わせてほしいと依頼します。

丹波の民衆が何を望んでいるのか、幕府への年貢はどう集められ
争いの元は金か領地か、川の氾濫に対する治水はどうなっているのか、
どうすれば争いが収まるかを知りたいのですが、前久の答えは冷酷です。
「一に戦、二に戦、話は戦に勝ってからじゃ、と」

しかし丹波の国衆は信長には従わず、
天正3(1575)年 夏、光秀は丹波攻略に踏み出します。
長い戦の始まりでした。


作:池端 俊策
脚本協力:岩本 真耶
音楽:ジョン・グラム
語り:市川 海老蔵
題字:中塚 翠涛
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[出演]
長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)
染谷 将太 (織田信長)
門脇 麦 (駒)
岡村 隆史 (菊丸)
木村 文乃 (熙子)
谷原 章介 (三淵藤英)
眞島 秀和 (細川藤孝)
間宮 祥太朗 (明智左馬助)
芦田 愛菜 (たま)
本郷 奏太 (近衛前久)
村田 雄浩 (稲葉一鉄)
徳重 聡 (藤田伝吾)
金子 ノブアキ (佐久間信盛)
銀粉蝶 (なか)
小藪 千豊 (二条晴良)
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石橋 蓮司 (三条西実澄)
尾野 真千子 (伊呂波太夫)

坂東 玉三郎 (正親町天皇)
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堺 正章 (望月東庵)
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制作統括:落合 将
プロデューサー:中野 亮平
演出:藤並 英樹

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