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2021年2月 7日 (日)

大河ドラマ麒麟がくる・(44)本能寺の変 [終] ~信長を討つその驚きの動機とは~

天正10(1582)年5月・安土城での徳川家康饗応──。
膳が足りぬとご立腹の織田信長は、饗応役の明智光秀を足蹴にし
もてなす家康の目の前で饗応役を解く命令を出します。

といいつつ、接待相手が饗応役を名指しするのはさすがに無礼だと
ああいう演技をすることで家康がどう出るか見ておきたかったと笑い信長は
饗応役解任は打ち消さず、光秀には一日も早く西国に向かわせます。

四国讃岐に長曾我部元親という大名がおり、おかげで
毛利と交戦中の羽柴秀吉は戦をおちおちしていられないと信長に泣きついたのです。
信長は三男織田信孝を讃岐に向かわせて抑えとし、
光秀の軍は船で備後の鞆の浦に向かわせ、足利義昭を殺せと命じたのです。

「京へは戻らぬ……そなた一人の京であれば考えもしよう」
京へ戻りながら、光秀の脳裏に義昭の言葉が繰り返し聞こえてきました。
明智屋敷に戻ると、明智左馬助に 義昭を討てとの命が下ったことを伝えますが
わしにはできぬ、と悔しそうな表情を見せます。

蹴鞠の会に姿を現した近衛前久は、参加していた細川藤孝を呼び
光秀が饗応役を下ろされたこと、信長と光秀に深い溝ができたことを伝え
松永久秀の前例もあることだし、信長と光秀の間に戦が起こることを示唆しますが
そうならぬように祈るほかなし、と藤孝は言葉を絞り出します。

現に、あれほどの仕打ちを受けても我慢している光秀が不憫だ、
明智はよく我慢しているというのがもっぱらの光秀評で、
ひょっとしたら光秀が信長を背くかもと考えているのですが、
背けばいいのですよ、などと伊呂波太夫は光秀に味方しています。

明智屋敷に赴いた藤孝と、光秀の出陣のすり合わせです。
信長は6月4日、自ら毛利攻めに赴くため本能寺で軍勢を整える予定です。
光秀の丹波軍は信長の下知次第西国に向かいますが、
藤孝は今回は丹後にとどまり、息子の細川忠興を西国に派遣する予定です。

かつて藤孝は、信長の行きすぎを止める時は声をそろえて異議を申し立てると
言っていましたが、今でも覚悟はあるかと光秀は聞きます。
藤孝は、光秀の言わんとすることを察知し、明智屋敷を出てすぐ
備中高松城の秀吉に「あるかもしれぬ」と伝令を走らせます。

藤孝が帰った後も、ひとりこもる光秀ですが、脳裏を
帝の「信長が道をたがわぬよう、しかと見届けよ」という言葉が駆け巡り
信長の家臣として、かたや帝に命じられた者として
どうすべきか、頭を抱えて思い悩んでいます。

土砂降りの中 御所に上がった前久は、信長と光秀の関係について帝に報告し
もし両者の間で戦が起き、その双方が朝廷に対して協力を仰いで来たら
帝はどちらを選ぶのかを尋ねます。

「花を見、河を渡り、己の行くべきところへ行く者を、ただただ見守るだけぞ」
帝は、光秀が初めて御所に上って控えている姿を思い出しながら
見守るだけぞ、ともう一度つぶやいて態度を決めます。

5月末、丹波に入った光秀は愛宕山にこもり、
戦神である愛宕権現を前にひたすら考え抜きます。
信長に注進したこと、帰蝶に言われたこと、信長に言われたこと、
そのそれぞれを思い返しながら、さんざんに迷います。

光秀の脳裏で、月に上る樹を伐る映像がフラッシュバックします。

29日、信長はわずかな供をつれて、安土から宿所の本能寺に入ります。

亀山城に戻った光秀は、予定されていた備中への出陣を取りやめ、
京へ向かうことを家臣たちに伝えます。
「敵は本能寺にある。その名は……織田信長と申す」

夜遅く、出陣の準備に紛れて菊丸が光秀を訪ねてきました。
菊丸は家康の堺観光に付き従っていましたが、そのお側付きを解かれ
光秀を守るように特命を受けてやってきたそうです。

光秀は、攻め込む相手を菊丸が知ったことを確認したうえで、
相手を倒せたら家康の力を借りてともに天下を治めたいとし、
戦に敗れたとしても、家康に後を頼みたいという思いを伝えて
菊丸を家康の元に帰し、堺からできるだけ離れたほうがいい、と助言します。

6月1日夜、光秀の軍勢は亀山城を出発します。

備中高松城を攻撃中の秀吉のもとに、藤孝からの急ぎの文が届きます。
しかし秀吉は、その内容には驚きもせず、冷酷な表情のままです。
「やればよいのじゃ……やれば面白い」
秀吉は黒田官兵衛に、高松城攻めをさっさと終わらせよと命じます。

天正10(1582)年6月2日 早暁──。

光秀の軍勢が本能寺を取り囲みます。
「かかれ!」という光秀の号令一下、全軍が本能寺になだれ込みます。

外から聞こえる兵士の雄叫び、馬のいななきで目を覚ました信長は
旗印から攻め手が光秀であると知るや、大笑いしています。
「で、あれば、ぜひもなし」
信長は小姓の森蘭丸らを連れて、表へ向かいます。

光秀軍は大量の弓矢を雨のように降らし、信長に向かっていきます。
信長も、その圧倒的な威圧感で攻め込む敵を退かせ、弓矢で応戦。
左肩と右腕に傷を負いながら、敵を次々と蹴散らしていきます。
しかし銃声が響き渡り……。

やがて、奥書院あたりから火の手があがります。

天をも焦がすほどの勢いで、火は奥書院から寺全体へ回ります。
光秀はそれを眺めながら、信長の笑顔を思い出していました。

伊呂波太夫が急いで東庵の診療所に急いでやって来て、
光秀が軍勢を率いて本能寺に攻め込んだことを伝えます。
「本能寺と言えば確か織田さまがおいでのはず。明智様が……ご主君を!?」
東庵はたいそう驚き、駒は目をつぶってうつむいてしまいます。

本能寺の焼け跡に立った光秀は、信長の遺体を探させますが
寺の焼け方がひどく、遺体どころか髪の毛一本見つかりそうもありません。
二条城にいた嫡男織田信忠も切腹し、今はありません。
もうよかろう、と言って、軍を撤退させます。

本能寺近くで、東庵の診療所からの帰り道の伊呂波太夫と出会います。
帝もお喜びでしょう、と笑う太夫に、光秀は
美しい都を取り戻すことを約束し、駒と語った麒麟は
自分が必ず連れてくる、麒麟がくる世にすると伝えてもらいます。

しかし、光秀の時代はそう長くは続きませんでした。
瞬く間に上ってきた秀吉の軍勢に敗れてしまったのです。

本能寺の変から3年後、天正13(1585)年──。

内裏ですごろくをしている正親町天皇と望月東庵。
秀吉が世の中を動かしている時代ですが、その秀吉が関白になることになりました。
帝は、いつになったら世は平らかになるのだとつぶやいて
東庵も静かに笑うばかりです。

備後の鞆の義昭のところには、安芸の小早川家に向かう駒が立ち寄っていました。
小早川と堺衆が茶会を催し、芳仁丸をたくさん扱ってくれるためお邪魔しますが
小早川隆景は、毛利三兄弟の中でも最も早く秀吉と手を結んだ世渡り上手です。
義昭は半ば呆れています。

世を正しく変えられるのは“志”であると説く義昭は、
自分は嫌いだが、信長にはそれがあった、と振り返ります。
明智十兵衛には、はっきりとそれがあった、と。

「ご存じでしょうか、十兵衛さまが生きておいでになるという噂」
駒が持ち込んだ突然の話題に、義昭はバカバカしさを前面に出しますが、
駒の話では、ひそかに丹波の山奥に潜んで再起の時を待っているそうです。
しかし、話が深くなる前に迎えが来てしまったため、義昭は行ってしまいます。

その帰り、駒は市場を歩きながら、干物をかっぱらう兄妹を見かけます。
咎める声も追いかける姿もなく、不思議に思った駒は、
その店主を見てみると、横顔も後姿も光秀そっくりの男でした。
かつて駒が覚慶(のちの義昭)を追いかけていった時のように
「十兵衛さま!」と懸命に追いかけますが、
活発な市場の中で人の波にもまれてしまい、見失ってしまいます。

市から外れたところまで追いかけますが、とうとう見つからず。
でも駒は、あれはきっと十兵衛さま……と微笑みます。
もしかしたら、駒以外にも
十兵衛らしき男の姿を目撃したものがいたかもしれません。

また今日も、十兵衛がどこかへ馬で駈けていきます。


作:池端 俊策

音楽:ジョン・グラム

語り:市川 海老蔵

テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
テーマ音楽指揮:広上 淳一
和太鼓演奏:林 英哲
題字:中塚 翠涛
脚本協力:岩本 真耶

時代考証:小和田 哲男
風俗考証:佐多 芳彦
建築考証:三浦 正幸
医事考証:星野 卓之
古文書考証:大石 泰史

殺陣武術指導:久世 浩
所作指導:花柳 寿楽
馬術指導:田中 光法
芸能指導:友吉 鶴心
鉄砲指導:廣瀬 一實
華道指導:井関 宗脩
書道指導:金敷 駸房

仏事指導:細川 晋輔
双六指導:伊藤 拓馬
蹴鞠指導:髙野 健次
囲碁指導:田尻 悠人
資料提供:小和田 泰経
    :松﨑 高明
    :佐藤 優祈

衣装デザイン:黒澤 和子
特殊メイク:江川 悦子
タイトルバック映像:多田 琢
         :井口 弘一
         :稲垣 護
音楽プロデューサー:備 耕庸

撮影協力:岐阜県
    :滋賀県
    :京都府
    :茨城県
    :岩手県奥州市
    :千葉県御宿町
    :茨城県常陸大宮市
    :林野庁 関東森林管理局 茨城森林管理署
    :金蔵寺
    :総本宮 京都 愛宕神社

[出演]

長谷川 博己 (明智十兵衛光秀)

染谷 将太 (織田信長)

門脇 麦 (駒)

岡村 隆史 (菊丸)

眞島 秀和 (細川藤孝)

間宮 祥太朗 (明智左馬助)

芦田 愛菜 (たま)

本郷 奏太 (近衛前久)

徳重 聡 (藤田伝吾)

駿河 太郎 (筒井順慶)

安藤 政信 (柴田勝家)

須賀 貴匡 (斎藤利三)

濱田 岳 (黒田官兵衛)

望月 歩 (細川忠興)
板垣 瑞生 (森 蘭丸)

川口 春奈 (帰蝶(回想))
木村 文乃 (熙子(回想))

花柳 寿楽 (島井宗室)
松田 賢二 (丹羽長秀)

佐々木 睦 (日海)
渡邊 りょう (松井康之)
中島 幸一 (明智家若侍)
城戸 健太 (義昭の従者)

風間 俊介 (徳川家康)

滝藤 賢一 (足利義昭)

尾野 真千子 (伊呂波太夫)

坂東 玉三郎 (正親町天皇)

久世七曜会
テアトルアカデミー
劇団東俳
劇団ひまわり
宝映テレビプロダクション
キャンパスシネマ
若駒プロ
古賀プロダクション
クロキプロ
蹴鞠保存会
奥州市のみなさん

佐々木 蔵之介 (羽柴秀吉)

堺 正章 (望月東庵)

制作統括:落合 将
    :藤並 英樹

プロデューサー:中野 亮平
美術:犬飼 伸治
技術:菱木 幸司
音響効果:畑 奈穂子

撮影:岩崎 亮
照明:中井 智行
音声:佐藤 稔
映像技術:上田 達也
VFX:西垣 友貴
CG:山本 善樹

助監督:野村 裕人
制作担当:石田 友寛
編集:佐藤 秀城
記録:加賀見 佳子
美術進行:高橋 秀樹

装置:吉原 英佑
装飾:榎本 保行
衣装:齋藤 隆
メイク:永富 美穂
かつら:関根 佑典

演出:大原 拓
  :一色 隆司

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