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2021年3月 7日 (日)

大河ドラマ青天を衝け・(04)栄一、怒る

のちに「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一、
藍葉の不作という危機から血洗島を救った栄一は
父・市郎右衛門から「よくやった」と評価され、
今日もよく、働いております。

読書をして勉強させてもらっている尾高惇忠と偶然にすれ違い、
栄一は、多忙でなかなか読書に行けないことを詫びますが、
ようやく大人の仲間入りを果たした年ごろだというのに
もう藍の買い付けができるほど成長したことを喜んでいます。

惇忠に紹介してもらった、台湾で商う浜田弥兵衛の本を読みながら、
かつて多くの者が海外で商いをしていたというのに
どうして今の日本は国を閉ざしているのか? という疑問が浮かびますが、
それに対して惇忠は丁寧に説明して栄一に教え込みます。

この惇忠の影響で栄一の好奇心はどこまでも広がり、
時を忘れて夜通し語り合うこともしばしばでした。

さてさて藍の出来ですが、不作からスタートしたものの、
何とかその後の頑張りでいい色が出せ、高値で取引できるものに育ちました。
市郎右衛門と伯父の宗助は、農民を集めて宴会を考えていますが
栄一は、その宴会の席を仕切らせてほしいなどと言い出します。

──こんばんは。徳川家康です。

少々おさらいしてみましょうか……
先週の放送ではこんなことがありました。

老中の阿部正弘は、ペリーが戻ってきたときにどう対処するべきかを
悩みに悩んだ末、幕府の中だけでなく広く意見を聞いてみることにしました。
集まった意見書は実に700以上。
外様が意見するなど、私のころには考えられん話だ!

まあ、時代というものですな。

水戸の斉昭など、大かたは「通商反対」、
もしくは「一度開国し、力を付けたら鎖国に戻す」というものでした。
そんな中、福岡の黒田長溥(ながひろ)と、先週の放送で釈放された高島秋帆だけが
「異国と交易すれば日本にも利益がある」
「寛大な心で異国を受け入れてはどうか」と意見した。

さて、これらを受け取った徳川がどうするか──?

 

江戸城では、すでに亡くなった前将軍徳川家慶の息子・徳川家定が
第十三代将軍に就任していましたが……。
実務を仕切っていたのは、老中首座の阿部正弘と
新しく海防参与となった徳川斉昭でした。

その斉昭が、息子一橋慶喜のために専任の小姓を探していて
白羽の矢が立ったのが、平岡円四郎でした。
一回りも年下の男の小姓に、とは円四郎もなかなか乗り気ではありませんが、
そんな円四郎の性格を熟知している妻のやすは、働いてこいと尻を叩きます。

江戸城一橋家に上がった円四郎は、さっそく慶喜と対面します。
慶喜は、自分に少しでもおごりや過ちがあれば必ず諫めてほしい、と
円四郎に「諍臣(そうしん)」の役目を与えます。

食事時、さっそく円四郎が給仕をしますが、
なんかガチャガチャやっていて、飯も蓋ができないほど大盛りに盛っています。

さすがの慶喜もこれには呆れますが、円四郎が育った環境において
そこまで給仕を気にせずに暮らせていた事情をくみ取ると
円四郎に手取り足取りで給仕の仕方を教えます。
教えた時の慶喜の笑顔に、円四郎は雷に打たれたような新鮮な何かを感じ取ります。

 

血洗島では、藍農家をねぎらう宴会の日がやってきました。
長年藍づくりに携わる角兵衛は、通常ですと上座なのですが、
栄一の言われるがままに末席に座らされます。
一方で、若手の権兵衛の座る位置を、栄一は上座に指定したのです。

今回の藍の出来は、市郎右衛門の目利きがあればこそですが、
それよりも権兵衛が丁寧に作ったので、仕上がりが良かったこともあります。
栄一は、権兵衛を称えたくて宴会の仕切りを志願したのでした。

藍農家みんなに、相撲のような番付表が配られ、
権兵衛は「大関」、角兵衛は「前頭」と番付されていました。
権兵衛が怒り狂ってしまう! とみな固唾をのみますが、
来年はオレが大関になるんだに! と、権兵衛のやる気に火をつけたようです。

 

嘉永7(1854)年、冬の荒れた海をペリーが再びやってきました。

幕府要職にある者たちが大広間に集められますが、
開国を主張する佐倉藩主堀田正睦や彦根藩主井伊直弼に
前例ないことを1年で返答するのはもっての外だと主張する水戸斉昭。
その間に立って、阿部老中は大いに迷っていました。

迷った末、ついに日米和親条約を締結してしまいます。

 

渋沢家へ岡部藩の陣屋から出頭命令が届きます。
多忙を極める市郎右衛門の名代として
栄一が陣屋へ向かうことになりましたが、商売の営業活動とは全く異なります。
へいへいと話を聞き、へいへいと頭を下げるだけなのです。

岡部藩の利根義春は、案の定御用金を出せと言い出しました。
宗助は1,000両、市郎右衛門は500両です。
栄一は、名代ごときが安請け合いするような金額ではない、と
帰宅して父に諮ったのちに返答をすると伝えますが、
利根は、そんなことを許してくれるはずもありません。

栄一は、藍農家から得たわずかな金を集めて農夫を雇い、
藍玉を作って市場に売りにいって金を稼いでいるのです。
こうして得たわずかな儲けを、偉そうな態度をした役人にどんと持っていかれるのは
商人としては悔しい以外の何物でもありません。

帰宅後、父には「お上への文句はもうやめろ」と言われてしまいますが
言葉には出さずとも、父もきっと同じ気持ちはあるはずです。
栄一は500両分を数えて、土砂降りの中 陣屋に持っていきます。


作:大森 美香
音楽:佐藤 直紀
題字:杉本 博司
語り:守本 奈実 アナウンサー
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[出演]
吉沢 亮 (渋沢栄一)
高良 健吾 (渋沢喜作)
橋本 愛 (尾高千代)
田辺 誠一 (尾高惇忠)
満島 真之介 (尾高長七郎)
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草彅 剛 (徳川慶喜)
大谷 亮平 (阿部正弘)
要 潤 (松平慶永)
小池 徹平 (橋本左内)
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北大路 欣也 (徳川家康)
竹中 直人 (徳川斉昭)
岸谷 五朗 (井伊直弼)
渡辺 いっけい (藤田東湖)
平泉 成 (渋沢宗助)
渡辺 哲 (角兵衛)
和久井 映見 (渋沢ゑい)
木村 佳乃 (やす)
平田 満 (川路聖謨)
玉木 宏 (高島秋帆(回想))
堤 真一 (平岡円四郎)
小林 薫 (渋沢市郎右衛門)
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制作統括:菓子 浩・福岡 利武
プロデューサー:板垣 麻衣子・藤原 敬久
演出:村橋 直樹

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