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2021年4月25日 (日)

大河ドラマ青天を衝け・(11)横濱焼き討ち計画

我らこそが口火となり挙国一致し、四方応じて幕府を転覆させる!
尾高惇忠の考えに従って、長七郎はしばらく上州に身を隠しますが、
老中・安藤信正を襲撃する計画に加担していた長七郎は、
諦めきれずに上州を抜け出して江戸へ向かおうとしていました。

熊谷の定宿・小松屋──。
長七郎の江戸行きの知らせを聞いた渋沢栄一が駆け込んできました。

「河野が死んだ」
思誠塾で塾頭・大橋訥庵に指名された河野顕三は、
計画通り安藤老中を襲撃して命を落としたのです。

幕府の命令で、江戸の町はいま、その計画に連座したものを捜せと
火のついたような騒ぎになっています。
いま長七郎が江戸へ足を踏み入れれば、捕縛と処刑は間違いありません。
しかし、命など惜しくはないと長七郎は涙で栄一に訴えます。

「だからそれは無駄死にだと言ってんだい!」
生き残った長七郎、いま生きている栄一たちには、
死んでいった河野の代わりにやらなければならないことがあるのです。
長七郎は、死に行けなかった無念さを栄一にぶつけます。

いったん、長七郎は京へ逃れることになりました。

 

「とっさま、早くしろい!」
畑のむこうから、栄一と市郎右衛門が全力で走ってきますが、
息を切らしながらもなぜかふたりとも満面の笑みです。
そう、千代が男の子を産んだのです。

初めて見る我が子、初めて胸に抱く我が子、栄一は感動に震えます。
渋沢家のみならず、出入り農民みんなが、赤ん坊の誕生を喜びます。
栄一の、赤ん坊のかわいがりようは異常なほどで、
栄一の仕事ぶりも、市太郎の誕生で格段に上がります。
初めての男の子には、「市太郎」と名付けられました。

翌朝、栄一の姿は惇忠の道場にありました。
惇忠が掲げる目的は「攘夷遂行」「封建打破」、封建制の弊害で
幕府が腐ったので、それを根本から正すことで初めて攘夷が成る、と
世間にカンフル剤を打つべく、大騒動を起こして世間を目覚めさせなければなりません。

大騒動──異人の商館がある横浜を焼き討ちにする。
異人居留地(外国人が居住・営業することを許した特別地域)を異人ごと焼き払う。
焼き払えば異国が幕府を責め立て、幕府は支えきれずに転覆する。
その上で自分たち忠臣が天皇を戴き、王道で天下を治める。

『神託 近日中に、高天原より神の兵が天下って、
 天子様を悩ませてきた夷狄どもを残らず踏み殺すであろう。
 この度の征伐に少しでも不満を申し立てるような者は、
 容赦なく斬り捨ててしまって構わない』

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2021年4月18日 (日)

大河ドラマ青天を衝け・(10)栄一、志士になる

武家とか百姓とか身分がある世、幕府がおかしいのかもしれないと
考え出した渋沢栄一は、いとこ渋沢喜作が江戸留学するのに触発され
父・渋沢市郎右衛門に土下座して頼み込みます。
「父っさま……俺を、江戸に行がせてほしい!」

市郎右衛門は、栄一の申し出はある程度予測していたのか、
特に驚くことなく作業の手をゆるめませんが、
百姓には何の関わりもねえことだ、と聞く気はありません。

しかし栄一は、幕府が開国に踏み切ってから物価がどんどん上がり、
蚕も外国に流れているせいで国内での流通が少なくなってしまっています。
農民といっても、この世の中の動きの一片を担っているわけで
栄一には「何の関わりもない」ことではないのです。

この国がいったいどうなっているのか、もっと知りたい!
この流れは、栄一でなくても自然なものなのかもしれません。
「いやまあ……そんなに行ぎたけりゃ行ってこい」
ただし、仕事の閑散期となる1ヶ月でという条件つきです。

 

そのころ江戸では、大老井伊直弼が攘夷派の志士たちに暗殺され
老中・安藤信正がその代わりに政務を執ることになりました。
安藤老中は、天皇の妹・和宮を将軍家へ迎え入れることで、
朝廷との結びつきを深めようとしていました。

有栖川宮という許嫁(いいなずけ)がいながらの この政略結婚では、
武士は相手の首を取り合う野蛮な族、将軍はその族のトップであり
その将軍に嫁げという話はひどい話だ、と涙に明け暮れます。

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2021年4月11日 (日)

大河ドラマ青天を衝け・(09)栄一と桜田門外の変

──こんばんは。徳川家康です。

時は安政5年、このころ、この言葉が大きく叫ばれていました。
『尊王攘夷』……栄一も言っていましたね。
王を尊び、夷人(いじん、つまり野蛮人)は追い攘(はら)え、と。

これは水戸の藤田東湖とその主・斉昭が、中国の朱子学にあった考えを
日本風に置き換えて作った、スローガンでした。
これがはやってねぇ。
このお方も、この言葉が大好きでした……時の帝・孝明天皇です。

外国嫌いだった帝が、将軍ではなく水戸を頼りにされたことで
開国を主導していた井伊直弼に対抗する存在として斉昭への期待が高まった。
このままでは逆につぶされると慌てた井伊は、
朝廷とつながる水戸藩士や攘夷派の公家を徹底的に処分しました。

そしてその手は、慶喜を将軍にしようとしていた彼らにも迫っていました──。

 

「奉行所の連中が、左内さんを捜してるって!」
平岡円四郎の家に、妻・やすが飛び込んできました。
円四郎のみならず、家にいた福井藩士・橋本左内も顔色を急変させて驚いています。
安政の大獄による井伊の手が、すぐそこまで迫っていたのです。

左内は、円四郎に迷惑をかけまいと、円四郎の家から出て
自分を捜している奉行所の者たちのところへ自ら向かいます。
公家への工作が疑われた左内は、北町奉行所に出頭させられました。
元外国奉行・岩瀬忠震(ただなり)は永蟄居、永井尚志は罷免及び謹慎。

そして登城停止という罰を受けた一橋慶喜のもとに、
より大きな禍(わざわい)がやってきました。
「お沙汰を申し伝える。一橋家当主・徳川慶喜に隠居、謹慎を命ずる」

さらに、すでに謹慎中であった徳川斉昭にも、国元水戸での永蟄居
つまり生涯、出仕や外出をせず水戸に籠ることが命じられます。
この日本を思うわが心がいつか天に届けば、必ずや再びこの江戸屋敷に戻り、
月を愛でる日が来るであろう、と唇をかんで水戸に向かいます。

仲間たちを殺され、斉昭までこのような目に遭わされては、
残された水戸藩士たちは黙って生きてはいられません。
その怒りが井伊直弼に向かうのは、至極自然な流れでした。

 

一方、祝言から一夜明けた栄一と千代は、
作業の合間にも見つめ合って微笑みあう仲睦まじさを見せ、
父・市郎右衛門や母・ゑいにも呆れられるほどです。
そこに、千代の次兄・尾高長七郎が帰ってきて栄一夫婦に姿を見せます。

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2021年4月 4日 (日)

大河ドラマ青天を衝け・(08)栄一の祝言

信州から帰って、真っ先に自分の気持ちを尾高千代に伝えた渋沢栄一。
千代はなみだぐんでいました。
「悲しいんではなくて……嫌われたかと思ってたもんだから」

それから栄一は、信州旅で登った山の頂上から見た景色の話を
身振り手振りを交えて千代に話します。
藍の青さとも谷の水の青さとも違う、すっげえ青が広がる中に
俺は己の力で立ち、青い天にこぶしを突き上げている。

そんなふたりの会話を切り裂いてきたのが、渋沢喜作でした。
喜作は、尾高長七郎からの手紙で、もし千代を嫁に欲しいのであれば
自分ではなく栄一と勝負しろ、と書かれていて
その勝負に挑んできたのでした。

ふたりの真剣勝負。

互角です。
その場のみんなが喜作を応援する中、
「栄一さん気張って!」と千代は栄一に声を掛けます。

「そこまで!」と尾高惇忠が声を上げ、喜作の勝ちと判定すると
周囲の者たちの歓声が沸き、栄一の顔がゆがみます。

喜作は、栄一が自分の弟分でまだまだの男であるくせに
この世を変えたいなどとでかいことを言い出す奴だ、と言いますが
「あいつには……おめえのようなしっかりものの嫁がいた方がよい」
あいつの面倒を見てやってくれ、と言って立ち去ります。

栄一と千代は、祝言を上げることになりました。

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