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2021年8月29日 (日)

大河ドラマ青天を衝け・(25)篤太夫、帰国する ~生きてくれ平九郎!~

──こんばんは。徳川家康です。

さて、明治になりましたよ。
ん? まだ出てくるのかって? アッハハハ…。
もしかしたら多くの方が、すっぱり徳川の世は終わり
新しい世が始まったと思っているのかもしれない。

しかし、実際はまだまだ。
各地で戦は収まらず、薩長新政府は政権を奪いはしたものの、
金もなく内政も外交も課題が山積みでグラグラだ。

民の多くもまだピンと来ず、
すぐ元の世に戻るだろうと思う者も少なくなかった。
篤太夫たちは、そんなさなかに帰ってきたのです──。

 

明治元(1868)年10月、長旅を終えて横浜港に入った徳川昭武ご一行。
そこに陸から杉浦愛蔵と加治権三郎が上がってきました。
このまま陸に上がれば薩長方に無礼な扱いをされかねないので、
小舟に乗り換えて神奈川へ移動し、品川の宿で過ごすように提案されます。

庶務の作業が残っている渋沢篤太夫はそのまま下船するので、
昭武とはここでしばらくのお別れです。
「御息災をお祈り申し上げます」と、昭武を見送ります。

「帰国したら主がおらんとは、浦島太郎ばい」と馬鹿にされつつ
ぐっとこらえて身体検査を終えた篤太夫はそのまま横浜の宿に入り、
留守中の日本の様子を聞くことになりました。

年が明けて間もなく、大坂に戦に出ていた将軍徳川慶喜が江戸に帰還し
そこで初めて江戸城内の者たちは、鳥羽・伏見の戦いで
昼夜を問わぬ戦により、幕府が薩長に負けたことを知ります。
薩長は錦の御旗を掲げていて、幕府軍は帝に逆らう賊軍になったからです。

慶喜は江戸城に戻ると、家茂未亡人の静寛院宮に拝謁を願い出ますが
顔を合わせたくないと言い出し、代わって天璋院が慶喜と面会します。
天璋院も逃げてきた慶喜を非難し、見下ろして呟きます。
「まっこてこげなチャチなお方であったとは」

静寛院は朝廷に文を送り、慶喜の処分はどうあっても構わぬと伝え
自らも徳川の人間であるゆえに、死を選ぶしかないと付け加えます。
天璋院も西郷吉之助に文を送り、このまま徳川家をなくすのは
亡き島津斉彬に顔向けできず、徳川存続のためのとりなしを依頼します。

こうして慶喜は上野寛永寺で謹慎生活に入り、
噂されていた江戸城総攻撃も中止されて薩長側に明け渡されました。
罷免された小栗忠順は群馬の水沼河原で、官軍総督府の者たちに斬首されました。
川路聖謨も江戸城明け渡しの日に鉄砲をくわえて引き金を引きます。

 

一方、成一郎は伏見の戦で肩を撃たれ、命からがら大坂に戻れば
慶喜は江戸に向かった後で、大坂城は燃えてしまい、
大坂に残った者たちの世話をしてから2月に江戸に戻ってきました。

浅草本願寺にいた成一郎のところには、幕府の旧家臣たちが集まり
慶喜を守り薩摩に立ち向かう隊の頭取に推す声が上がります。
「家臣の我らが身命を投げうって上様のご無念を晴らす!」
彰義隊の結成です。

しかし慶喜は江戸を出て水戸に移ると決めていました。
彰義隊を結成した成一郎の思いは慶喜には届かず、分裂してしまいます。

一部は振武軍と名乗って秩父に移りますが、武蔵飯能で襲撃を受け、
あっという間に負けてしまいます。

行動を共にしていた渋沢平九郎は命を落とした仲間を見捨てられず、
廃屋に運び込んで手を合わせますが、そこも新政府軍に囲まれます。
平九郎は傷を負いながらも中山道を進み、その峠道で敵に遭遇。
全身に銃弾を浴びつつ、もはやここまでと切腹して果てます。

成一郎と尾高惇忠はなんとか横手村まで逃げ延びました。
成一郎はいま、箱館で旧幕府軍として新政府軍と戦っています。
篤太夫が帰国する5日前に土方歳三隊が五稜郭を攻め落としました。

川村恵十郎とともに成一郎たちのことを教えてくれた須永虎之助は
もし篤太夫が箱館に行くなら、ともに戦うと涙を流しますが、
「俺は行かねえ!」と虎之助を見据えます。
慶喜は水戸から駿府に移され、変わらず謹慎生活を送っています。

篤太夫は箱館の成一郎に「潔く死を遂げろ」と手紙を書きます。

武蔵国の血洗島にも、篤太夫から手紙が届きました。
渋沢市郎右衛門から手紙を受け取った千代は、よかったと安堵の表情ですが、
夫を亡くしたばかりのていは、喜ぶ家族の顔を見ていられず
複雑な表情を浮かべて庭に出て行ってしまいます。

 

小石川の水戸藩邸に向かった篤太夫は、久々に昭武と会い
藩主として水戸に向かう昭武に新式スナイドル銃を渡します。
天皇は謁見に来た昭武に、箱館の榎本武揚軍に兵を出せと命じていて、
旧幕臣を将軍の弟に攻めさせるとは、と篤太夫を驚かせます。

「渋沢、この先も水戸で私を支えてほしい」
昭武はそう篤太夫に依頼し、篤太夫は受け入れますが、
篤太夫は元は慶喜の家臣であるため、民部公子昭武の帰国の報告も兼ねて
篤太夫は慶喜に会いに行くことにします。

篤太夫は数か月かけて旅の残務整理をします。
そこで三井番頭・三野村利左衛門に、太政官札という紙幣のことを教わるのですが
金がないのに倒幕させてしまったから何かとご入用で
太政官札にはイマイチ信用がない、と嘆いています。

 

篤太夫は、久々の故郷へ向かいます。


作:大森 美香
音楽:佐藤 直紀
題字:杉本 博司
語り:守本 奈実 アナウンサー
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[出演]
吉沢 亮 (渋沢篤太夫)
高良 健吾 (渋沢成一郎)
橋本 愛 (渋沢千代)
田辺 誠一 (尾高惇忠)
満島 真之介 (尾高長七郎)
岡田 健史 (渋沢平九郎)
──────────
草彅 剛 (徳川慶喜)
博多 華丸 (西郷吉之助)
上白石 萌音 (天璋院)
町田 啓太 (土方歳三)
志尊 淳 (杉浦愛蔵)
──────────
北大路 欣也 (徳川家康)
武田 真治 (小栗忠順)
山内 圭哉 (岩倉具視)
木村 佳乃 (やす)
──────────
和久井 映見 (渋沢ゑい)
平田 満 (川路聖謨)
イッセー 尾形 (三野村利左衛門)
小林 薫 (渋沢市郎右衛門)
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制作統括:菓子 浩・福岡 利武
プロデューサー:板垣 麻衣子・橋爪 國臣
演出:黒崎 博

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