« 2022年4月 | トップページ | 2022年6月 »

2022年5月31日 (火)

プレイバック草 燃える・(11)兄の涙 弟の涙

治承4(1180)年10月20日、源 頼朝は30万の軍勢を率いて富士川に到着しました。その時すでに対岸には、平 維盛を総大将とする平家の大軍が布陣していました。見張りの兵とともに無数の赤い幟旗(のぼりばた)がひらめき、頼朝はじっと見つめています。頼朝が初めて目の当たりにする平家の正規軍です。いよいよ平家源氏激突の本格的戦いが始まろうとしていました。

その夜、先駆けを狙った甲斐源氏の一団が密かに川を渡り始めます。その音に気付いた水鳥が一斉に飛び立ち、その羽音を敵の夜襲と勘違いした平家の兵士たちは大騒ぎしだします。酒を飲んでいた者、女を抱き眠っていた者、皆が大混乱に陥り、かがり火や幟旗、武具を倒し踏みつけながら逃亡していきます。維盛もガクガク震えるありさまです。平家軍は夜のうちに京へ引き上げ、頼朝は一戦も交えずして戦いに勝利します。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(11)兄の涙 弟の涙"

| | コメント (0)

2022年5月29日 (日)

大河ドラマ鎌倉殿の13人・(21)仏の眼差(まなざ)し ~八重が守るものとは 運慶の仏の顔~

丘の上の石に腰かけて、亡き源 義経を偲ぶ北条義時と土肥実平。鎌倉市中の道を普請しているのを見て、実平は「バチが当たらなければよいが」とつぶやきますが、その工事を担っている八田知家が加わります。知家はひとりの男の子を義時の前に連れて行き、長く続く飢饉で両親を失った天涯孤独な男の子を預かってほしいと言ってきたのです。名前は「鶴丸」というそうです。

──藤原泰衡は義経の首を差し出した。しかし、それは頼朝の罠。義経という武器を失った平泉は、もはや鎌倉の敵ではなかった──

続きを読む "大河ドラマ鎌倉殿の13人・(21)仏の眼差(まなざ)し ~八重が守るものとは 運慶の仏の顔~"

| | コメント (0)

2022年5月27日 (金)

プレイバック草 燃える・(10)鎌倉へ

治承4(1180)年10月、京。静まった夜に公家の屋敷に松明が投げ込まれ、たちまち燃え広がります。公家や侍女たちが慌てて外に飛び出して人がいなくなった屋敷に苔丸の一団が駆け込み、手分けして財宝を奪っていきます。平 清盛が福原で都づくりに勤しむ中、警護の薄くなった京は盗賊たちの巣窟となっていたわけです。

乞食たちは1個のもちを取り合いもみくちゃになっています。その人の波をかき分け、苔丸たちは蔵の中に奪ってきた財宝を入れていきます。奥州の金売り吉次がいれば叩き売って換金できるのですが、坂東で戦があっているからか、入京したという知らせは聞きません。小観音は、いっそ奥州に運んで売りに行こうと言い出します。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(10)鎌倉へ"

| | コメント (0)

2022年5月24日 (火)

プレイバック草 燃える・(09)頼朝再起

治承4(1180)年8月、伊豆山へ避難した政子ら北条の女たちですが、須弥王はじめ寺の者たちの政子たちを見る目が日に日に同情に変わりつつあり、保子は憤慨します。戦況を聞いて駆けつけた茜も、さぞ反感を買っているだろうとうつむきますが、政子はまったく気にしていません。ただ、茜に宛てた恋文をこっそり読んでしまったことを打ち明け、義時が家を飛び出して茜と京へ行こうと考えていることは知っています。

政子は、家族と郎党数人を養えるほどでなければと言いますが、やはり弟がそこまで思いつめて茜を思う気持ちには理解を示し、北条時政や大庭景親らが反対しても何とか一緒にさせてやりたいと考えています。「小四郎に勧めなさい、頭を剃ってお坊さんになるように」と言う政子に茜は戸惑いますが、そうすれば父親たちは諦めるでしょうし、これは一時の方便であり源平の戦いが終わるまでの様子見なのです。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(09)頼朝再起"

| | コメント (0)

2022年5月22日 (日)

大河ドラマ鎌倉殿の13人・(20)帰ってきた義経 ~ついに義経vs義時 鎌倉で舞う静~

文治3(1187)年・平泉──。奥州を治める藤原秀衡の館に戻った源 義経。かつて過ごしていたように、秀衡は温かく迎え入れてくれます。惜しむらくは、平泉を出発する義経に合わせて挙兵していればもっと変わったかもしれませんが、義経が伝説を作るほどの武将として活躍してくれればそれでも満足なのです。秀衡は義経をねぎらい、義経は感情が高ぶって泣きじゃくっています。

京を落ち延びた義経が平泉に姿を現したことは、すぐに鎌倉の知るところとなります。もし義経が秀衡と手を組めば、頼朝にとって強大な敵となる。頼朝としても何とかしなければなりませんが、秀衡がバックについている以上、容易く手出しをすることはできません。北条義時は義経に対して怒りを露わにします。「九郎どの……あれほど申したのに!!」

──義経を迎え入れ、鎌倉の最大の脅威となった奥州平泉。藤原秀衡によって保たれていた均衡が、崩れようとしている──

続きを読む "大河ドラマ鎌倉殿の13人・(20)帰ってきた義経 ~ついに義経vs義時 鎌倉で舞う静~"

| | コメント (0)

2022年5月20日 (金)

プレイバック草 燃える・(08)石橋山の合戦

治承4(1180)年8月19日、源 頼朝と大庭景親の決戦の日。出陣前に北条義時は 伊豆山へ避難する北条政子を倉庫へ連れて行き、茜へ宛てた文を渡して伊豆山で誰かに届けさせてほしいと託します。茜にもう一度会いたいという義時の気持ちは姉にはよく分かります。しかし、自分は戦向きの人間ではないだの、家を継ぐ宗時もいるだの、自分のことだけ考えるようにするだのとつぶやく義時に、政子はその真意が分からず尋ねますが、義時はそれには答えず出陣してしまいます。

戦準備の指揮に忙しい宗時は、通りかかった政子に「佐どのとたっぷり別れを惜しんだ方がいいぞ」などと冗談を言って笑っていますが、政子は少し胸騒ぎがして顔が引きつっています。本当のところこの戦は大丈夫なのか、不安が募っていると言うべきでしょうか。宗時は何も言わず、心配を払拭させるようにニッコリほほ笑んで頷きます。

頼朝は初陣ではないものの、総大将としては初めての戦なので少し緊張しています。頼みとしていた三浦は波が荒れて来られず、陸路を進んで大庭を挟み撃ちにする手はずですが、北条館に人手を割くわけにはいかなくなり、伊豆山への避難となったのです。何かと安心するだろうと、頼朝はこの20年来、朝な夕な手を合わせてきた観世音菩薩を持っていけと政子に預けます。宗時からは亡き母の形見の数珠を渡されます。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(08)石橋山の合戦"

| | コメント (0)

2022年5月17日 (火)

プレイバック草 燃える・(07)頼朝起(た)つ

治承4(1180)年8月14日。義時が馬場で、北条宗時と三浦義村から大庭の娘の茜についてからかわれているのを聞いて、北条政子はピーンときました。かつて義時が伊豆山で落ち合う人がいると言っていたのは大庭の姫のことで、その姫から大庭の“19日に出陣”という内部情報を得たのだと。義時は、自分にも北条の血が流れていたのだと、昨夜の暴露について本当に後悔しているようです。

一方の茜も、とても浮かない表情です。父の大庭景親は、義時のことはよく聞き分けてくれたと、その償いに平家の公達から非の打ちどころのない毛並みのいい婿を選んでくると言っていますが、茜の気持ちのモヤモヤはもちろんそういったことではなく、一時の感情に流されて内部情報を言ってしまったことにあるのです。しかしそんなことを父に言えるはずもなく……。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(07)頼朝起(た)つ"

| | コメント (0)

2022年5月15日 (日)

大河ドラマ鎌倉殿の13人・(19)果たせぬ凱旋 ~すれ違う頼朝と義経 後白河の暗躍~

源 頼朝から鎌倉入りを拒否された源 義経が京に戻ってきていました。義経の宿所では妻の里が義経に離縁を迫ります。頼朝に拒否された状態では鎌倉に帰れないし、そもそも静という女と一緒になればいいと言うわけですが、義経は黙ってしまいます。続けて愚痴を言う里ですが、そんな時に新宮十郎行家が山伏姿で宿所にやってきました。

頼朝の好きにさせてはならないと、行家は義経に頼朝討伐をけしかけますが、義経は頼朝と戦はしたくありません。行家はなお膝を進め、頼朝は自分たちを身内だと考えていないからいずれ必ず攻めてくるだろうと予測し、先手を打っておく必要があると説得を続けます。義経の背中を、何か冷たいものが駆け抜けていきます。

──互いを認めつつ、信じられない兄弟がいる。政治の頼朝、戦の義経。二人の天才が手を取り合うことを、後白河法皇は許さない。──

続きを読む "大河ドラマ鎌倉殿の13人・(19)果たせぬ凱旋 ~すれ違う頼朝と義経 後白河の暗躍~"

| | コメント (0)

2022年5月13日 (金)

プレイバック草 燃える・(06)密使は走る

治承4(1180)年4月、頼朝の叔父・新宮十郎行家が、京から「以仁王の令旨」をもたらします。「以仁王の令旨」は平家を追討するべしという簡単な文面でしたが、取り次ぎ者として記されているのは伊豆守・源 仲綱です。仲綱は源三位頼政の嫡子で、この親子を中心に今回の謀反の計画は起こされたのです。頼政は76歳の高齢ながら後白河法皇の第二皇子・以仁王を奉じて平家を滅ぼさんと、全国の源氏に呼び掛けたのでした。

お受けなさるか と行家が促すと、文面を見て顔色を変えていた頼朝はチラリと北条時政を見ますが、時政は天井を見つめたまま微動だにしません。頼朝は行家の方を向き直し、改めて姿勢を正し手をつきます。「かしこみて……受け申す」 しかし頼政の謀反の計画は事を成す前に平家方に発覚します。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(06)密使は走る"

| | コメント (0)

2022年5月10日 (火)

プレイバック草 燃える・(05)婿殿(むこどの)・舅殿(しゅうとどの)

治承3(1179)年11月7日、京を中心に地震が発生します。しばらくはおさまらず。この地震の被害も相当なものでしたが、うち続く天変地異はさまざまな憶測を呼びます。陰陽師によれば、一時も早く天道地上の怒りを鎮めるように後白河法皇に祈祷を進言します。側近の一部は楽観的ですが、占ったのが安倍晴明の五代孫の指神御子(さすのみこ)なので外れるわけもなく、よくよく気をつける必要がありそうです。

11月20日、法皇の御所・法住寺は平 宗盛の軍勢に包囲されてしまいます。押し入った宗盛は法皇を拉致、平 清盛の命により鳥羽へ連行します。鹿ヶ谷事件の時のように、関白元房ら側近たちが解任、逮捕されました。後白河法皇による院政は、清盛によって中止させられたわけです。7月に小松殿 平 重盛が亡くなった後の法皇の行動が清盛の癇に障ったということらしいです。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(05)婿殿(むこどの)・舅殿(しゅうとどの)"

| | コメント (0)

2022年5月 8日 (日)

大河ドラマ鎌倉殿の13人・(18)壇ノ浦で舞った男 ~義経、壇の浦で舞う 源平合戦決着~

源 義高を討ち取られ、完全にふさぎこんでしまった大姫。義高の首を見たわけではありませんが、大姫なりに察したのでしょう。子どもたちと庭で遊んでいる八重に大姫の世話を託し、八重がふざけて鼻の下に筆でひげを書いて大姫を笑わせようとしても、大姫は全く心を開きません。無理やり戸を開こうとすると逆効果になると考えているちょびひげ姿の八重は、とにかく気長にと政子に報告します。

──都に足掛かりを築いた源氏に対して、平家は瀬戸内海を押さえ、最後の抵抗を繰り広げる。最終決戦が目の前に迫っていた──

続きを読む "大河ドラマ鎌倉殿の13人・(18)壇ノ浦で舞った男 ~義経、壇の浦で舞う 源平合戦決着~"

| | コメント (0)

2022年5月 6日 (金)

プレイバック草 燃える・(04)政子略奪

治承2(1178)年3月、北条政子と伊豆目代・山木兼隆の婚儀まで約10日、京の都から届いた家財道具は家人たちが運び入れ、政子の妹たちは調度品の確認作業に追われています。政子の衣装は牧の方が見繕い、紅梅・柳・すみれ・青山吹・萌黄(もえぎ)・臙脂(えんじ)と多数揃えました。北条保子は、牧の方が北条館に来た時はこんなに揃えなかったとチクリ。気の進まない結婚と言われて牧の方も「流人風情よりマシ」と言い返します。

時政は、政子の嫁入りにここまで用意した満足からか「見栄えがするだろうなぁ」と自画自賛します。ただそれに反比例して政子のテンションはだだ下がりで、笑顔一つも出せません。そこに政子には内緒で兼隆が来ました。政子は道で兼隆に会ってもそっぽを向くとかで、時政はそういうことがないように念押ししますが、政子の表情はさらに固くなります。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(04)政子略奪"

| | コメント (0)

2022年5月 3日 (火)

プレイバック草 燃える・(03)二人義経

治承元(1177)年10月、京都警護の大番役を済ませた北条時政は、3年ぶりに故郷伊豆への道を急いでいました。行列の中ほどには娶ったばかりの牧の方が馬に揺られて付いてきています。あともう少し進めば時政の所領にたどり着くのですが、牧の方の疲れを気遣う時政は富士山がよく見える丘の途中で小休止を取ります。そこに北条宗時と義時が迎えにやってきます。

初めて見る牧の方に宗時も義時もニコニコ顔で、時政は「まぁ……なんじゃよ」と年甲斐もなく照れていますが、京で求めた大量の絹とともに、政子には縁談話を土産に持って帰ってきたと言っています。とんでもない良縁と言って時政と牧の方が笑うのですが、えっ……ととまどっている宗時です。

続きを読む "プレイバック草 燃える・(03)二人義経"

| | コメント (0)

2022年5月 1日 (日)

大河ドラマ鎌倉殿の13人・(17)助命と宿命 ~幼い大姫 命がけの恋 義高を救え!~

京に戻ってきた源 義経は、後白河法皇から一の谷の合戦の活躍を褒められます。ただ“鵯越(ひよどりごえ)“を“馬で駆け下りた”という点で間違って伝わっていると、同席した梶原景時は指摘しますが、義経には気にする様子はありません。「鵯越の方が響きがいい。馬に乗って駆け下りたほうが絵になる。歴史はそうやって作られていくんだ」

──義経の連勝に鎌倉は沸いた。しかし、頼朝とその家族には、義仲討伐の代償が待っていた。鎌倉に再び、暗雲が立ちこめる──

続きを読む "大河ドラマ鎌倉殿の13人・(17)助命と宿命 ~幼い大姫 命がけの恋 義高を救え!~"

| | コメント (0)

« 2022年4月 | トップページ | 2022年6月 »