« 大河ドラマ鎌倉殿の13人・(18)壇ノ浦で舞った男 ~義経、壇の浦で舞う 源平合戦決着~ | トップページ | プレイバック草 燃える・(06)密使は走る »

2022年5月10日 (火)

プレイバック草 燃える・(05)婿殿(むこどの)・舅殿(しゅうとどの)

治承3(1179)年11月7日、京を中心に地震が発生します。しばらくはおさまらず。この地震の被害も相当なものでしたが、うち続く天変地異はさまざまな憶測を呼びます。陰陽師によれば、一時も早く天道地上の怒りを鎮めるように後白河法皇に祈祷を進言します。側近の一部は楽観的ですが、占ったのが安倍晴明の五代孫の指神御子(さすのみこ)なので外れるわけもなく、よくよく気をつける必要がありそうです。

11月20日、法皇の御所・法住寺は平 宗盛の軍勢に包囲されてしまいます。押し入った宗盛は法皇を拉致、平 清盛の命により鳥羽へ連行します。鹿ヶ谷事件の時のように、関白元房ら側近たちが解任、逮捕されました。後白河法皇による院政は、清盛によって中止させられたわけです。7月に小松殿 平 重盛が亡くなった後の法皇の行動が清盛の癇に障ったということらしいです。


そういった情報を三善康信が源 頼朝に宛てて文にしたためて送ってくれました。院の平家一門を疎んじる思いが最近目立つようになり、清盛も思い切った処置を下したのではないかと推測する康信は、清盛について「入日も招き返す御威勢の権化」と表現し、頼朝は思わず鼻で笑います。中宮徳子に子が産まれて強気なのでしょうが、しこりはちょっとやそっとでは拭えそうもありません。

 

土肥実平の館には北条政子が預けられていました。頼朝との間にすでに子を成し、生まれた大姫を北条保子が様子を見に来ています。頑固な北条時政は、心の中では駆け落ちして頼朝の子どもを産んだ政子を許していても、孫の顔を見に来ないところを見ると雪解けまではしばらくかかりそうです。ちなみに山木兼隆の方はうやむやにできたらしいのですが、伊東祐之の方は尾を引いているらしいです。

大姫が生まれて、初めて頼朝が訪ねてきました。頼朝が子煩悩であることに政子は驚きますが、年を取ってから生まれた子だからと頼朝は笑います。頼朝は本音を言えば蛭が小島に帰りたくないのですが、目代の監視の目もあるし、しばらく滞在するということはできません。しかし政子は、頼朝を待つ一日一日、娘の成長を感じる一日一日に幸せをかみしめています。

 

大庭景親の館には北条義時の姿があり、北条と伊東祐親の間を取り持ってほしいと頭を下げます。景親は、伊東祐之が弱みに付け込まれた祐親の怒りは解けまいと厳しい表情です。祐親は兼隆に追い詰められて腹を切る手前まで発展しかかったわけで、景親はむしろ伊東側に味方しているのです。さらに景親は、頼朝を婿に迎えた以上、六波羅に参勤する大庭館には足を踏み入れないほうがいいとくぎを刺します。

 

「元気そうじゃな」と時政が土肥館へ突然の来訪です。駆け落ち以来 久しぶりの対面で、お互い会話がぎこちないのですが、寝かされている大姫を見て、亡くなった政子の母に生き写しだと時政はつぶやきます。時政は大姫を抱き上げ、北条館に帰ると政子を促します。頼朝と一緒に暮らすのは無理としても、暮らせないのは土肥館にいても一緒だからと、ついにお許しをもらえて政子は歓喜します。

 

大庭館に立ち入るなどころか、茜との仲を心配しているとまで景親に言われた義時はしょんぼりして帰ろうとしますが、茜の侍女が茜から預かっていると言って文を差し出してきました。景親に言われた手前、受け取るのを一瞬だけ躊躇しますが、次の瞬間には侍女から文を奪い取り、富士山が見渡せる丘の上で馬を止め、文に目を通す義時です。

京に戻った茜は、笛を見て義時のことを思い出していました。康信が中宮徳子に「豊明節会(とよのあかりのせちえ)」の宴があると伝えに来たのですが、康信の顔を見ると茜は、また里下がりをしたいと言い出します。しかし3歳の東宮(皇太子)の天皇即位の儀式があって多忙になるため里下がりはしばらくは無理だろうと言われ、茜は伏し目がちになります。

治承4(1180)年2月22日、東宮の安徳天皇即位の儀が行われます。本来は大極殿で行われるのですが前年に焼失したため、紫宸殿(ししんでん)に変えて挙げられます。安徳天皇……清盛の孫で3歳の幼帝の誕生です。

 

小観音は物売りに化け、苔丸と猿太が屋敷を品定めしながら歩いています。そのうちある屋敷に目星をつけ小観音が入っていくのですが、「平家の屋敷を案内するから」と騙されてついてきた源 義経が止めます。小観音が屋敷の下女に情報を聞き出して出てきてみたら、なぜか沈んでいる義経です。ここは義経の母御前の屋敷だそうで、小観音は常盤御前らしい女性を見かけたと言って義経を安心させます。そこに牛車が止まり、一条能成が下りてきました。その姿を見るや、義経は「行こう」と走って行ってしまいます。

常盤御前について猿太はあれこれ言って「言葉を慎め」と義経に怒られますが、小観音には義経の悔しい気持ちも分かります。子どもたちの命を守るために清盛に身を任せた──。それだけに平家憎しの気持ちは強くなるのですが、いつかきっと、伊豆の配所にいる兄の頼朝と力を合わせて清盛の首を取ってやると決意します。苔丸は思い詰める義経をえらく気に入ります。

苔丸は、仇の顔を拝ませてやると清盛屋敷に乗り込みます。苔丸と猿太は従者に化け、小観音はめかしこんで義経とともに牛車に乗り、舞を献上するためと言って検問を潜り抜けたのです。潜入した義経は上座に座る坊主頭の男を清盛だと見定め、懐刀に手をかける義経に気づいた小観音はサッと止めに入りますが、義経の清盛を討つと言う気持ちがさらに強くなった瞬間でした。

 

いつものように安達盛長の先導で馬に乗って出かける頼朝ですが、祐之ら伊東の家人たちが監視を口実に包囲します。伊東は頼朝を監視する役目ながら、これまではちょっと甘く見ていたと、厳しく監視するようになったわけです。頼朝は馬に鞭当て、早駆けで北条館に飛び込むのですが、その入り口まで追跡した祐之は、それでも源氏の嫡流か! 腰抜け! と後ろ姿に罵声を浴びせます。

館の中では酒宴が開かれているのですが、北条宗時は頼朝が祐之らから追われていたとは知らず、いずれは伊東と一戦あるやと考えていますが、ともかく三浦義村たちとともに頼朝を守り、支えていくことは一致しています。そんな会話を廊下で聞いていた義時は、そういうことがあったのかと理解して、酒宴のために時政を連れてきます。

ああいう酒宴の席に担ぎ出されるのを快く思わない牧の方ですが、主が顔を出さないと言うのも都合が悪い時政です。時政と頼朝が「婿殿」「舅殿」と酒を注ぎ合い、今ではすっかり雪解けです。その様子を見ている政子と保子ですが、時政の頼朝への頑固さもなくなり、娘としてはいつまでも見ていたい父と婿の姿です。

 

5月、頼朝の叔父にあたる新宮十郎行家が、京から重大な使命を帯びて蛭が小島の配所へやってきますが、配所には頼朝は不在でした。一刻を争うと急いている行家を盛長の案内で頼朝のところへ連れていきます。
行家によってもたらされたのは、全国の源氏に向かって発せられた「以仁王の令旨」だったのです。


原作:永井 路子
脚本:中島 丈博
音楽:湯浅 譲二
語り:森本 毅郎
──────────
[出演]
石坂 浩二 (源 頼朝)
松平 健 (北条義時)
中山 仁 (北条宗時)
滝田 栄 (伊東祐之)
──────────
大谷 直子 (牧の方)
武田 鉄矢 (安達盛長)
藤岡 弘 (三浦義村)
佐藤 友美 (常盤)
金子 信雄 (平 清盛)
──────────
松坂 慶子 (茜)
真野 響子 (北条保子)
金田 龍之介 (北条時政)
尾上 松緑 (後白河法皇)

岩下 志麻 (北条政子)
──────────
制作:斎藤 暁
演出:江口 浩之

|

« 大河ドラマ鎌倉殿の13人・(18)壇ノ浦で舞った男 ~義経、壇の浦で舞う 源平合戦決着~ | トップページ | プレイバック草 燃える・(06)密使は走る »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 大河ドラマ鎌倉殿の13人・(18)壇ノ浦で舞った男 ~義経、壇の浦で舞う 源平合戦決着~ | トップページ | プレイバック草 燃える・(06)密使は走る »