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2022年6月28日 (火)

プレイバック北条時宗・(03)兄弟落差

法華経を信じよ! と辻説法を行う坊主に石を投げつけ、排除しようとする民衆。正寿丸はたまらず前に立って坊主をかばおうとし、宝寿丸は正寿丸に駆け寄りますが、民衆が投げつけた石が額に当たり出血してしまいます。慌てて傷の手当てをする坊主の姿を、正寿丸はしっかりと心に刻み込みますが、日蓮と名乗る彼が何者であるか その正体を知るのはまだまだ先の話になりそうです。

兄弟は無事に安達屋敷にたどり着きます。祝子はふたりが無事と聞いていても立ってもいられず、門まで出迎えに出ます。祝子は流行り病で父母を亡くし、今は安達泰盛と梨子が親代わりとして育てているのです。讃岐局は額に布を巻かれた宝寿丸の姿に驚きますが、母を気遣って転んだだけと答えます。それよりも母の容態が気になりますが、讃岐局は思ったよりも元気そうです。

そこに桔梗が見舞いに訪れます。桔梗は足利泰氏の元正室ですが、元は北条一族の名越家出身です。松下禅尼は北条の敵の突然の訪問に身構えますが、桔梗は時頼の姉が嫁いだせいで正室の座を追われた人物、讃岐局は長男を産みながら側室なので冷遇されている人物で、それぞれの環境が似ているせいか急接近してきたのです。桔梗は宝寿丸の利発さに周囲が気づけば盛り立てる者が現れると唆(そそのか)します。

北条屋敷を勝手に抜け出したことで、北条時頼にこっぴどく叱られた正寿丸。兄の宝寿丸は、自分が連れ出したと弟に代わって謝罪します。時頼は弟を庇うその姿を褒めますが、身も心も強くないと人の上には立てぬと母に教わったと胸を張って答えると、時頼の表情が一気に曇ります。「宝寿丸、そなたは人の上に立つことを考えずともよい」

とはいえ、時頼は宝寿丸の利発さを認めてはおりまして、なるだけ早く元服をさせることにします。その烏帽子親は、足利泰氏の嫡男・利氏に任せます。足利と聞いて讃岐局に緊張が走りますが、時頼は、北条をよく思わない桔梗と親しくする讃岐局を問いただします。利氏とは桔梗の子ではなく時頼の姉の子であり、時頼としては北条と足利の縁を深めることで、謀反を未然に防ぎたい思惑があったのです。

 

翌 康元元(1256)年8月、宝寿丸の元服の儀が執り行われ『北条三郎時利』と名乗ります。三郎──長男の宝寿丸を、正妻の子である次男の正寿丸の下に置く。その場に居並ぶ者たちは、ある種恐ろしいものを感じますが、何も分かっていない正寿丸のみが兄の元服を心から喜んでニコニコしています。

この決定は涼子と讃岐局の関係に大きくヒビを入れます。時利も正寿丸の遊び相手になるのを拒絶し、一言ぐらい相談があってもいいのにと時頼に愚痴をこぼす北条政村は、蔑(ないがし)ろにされたことで心の中に大きく遺恨を残します。時頼は、自分が得宗家を率いている以上は従ってもらうとピシャリ。上の者が強い力でまとめなければ乱れが生じる元と指摘され、政村は黙り込んでしまいます。

飲みの席を中座した時頼は時利の居室に向かいます。時頼は、これまで北条内で起こった家督争いを例に挙げ、鎌倉には「親兄弟をも争わせる魔物」が棲んでいるとつぶやきます。3代北条泰時が執権になるときの政村との家督争い、時頼の兄である4代北条経時は執権となってわずか3年で命を落とし──。時頼は、その魔物で時利と正寿丸を失いたくない思いを伝え、時利の役割を諭すのです。

北条家最長老の北条重時は、意地を張る養女の涼子に正寿丸に後を継がせるように説得をします。そして温泉に誘った弟の政村には出家することを打ち明け、時頼と正寿丸のことのすべてを託します。政村は家督争いに担がれた側の人間であり、兄の泰時の温情でお咎めはなかったものの、謀反の首謀者としてみなされる経験をしているだけに、時利が祀り上げられるような愚はしてはならないと諭します。

弓の稽古をつけるという涼子に、正寿丸は涼子が言うように得宗家を継がなければ強くなる必要がないと反抗します。なぜ母は継がせたくないのか。なぜ父は継がせたいのか。自分は誰を憎めばいいのですか! と思いを涼子にぶつけると、涼子は家督を継ぐようにニッコリほほ笑みます。「ただし、今後そなたを亡き者と思う。そのつもりで精進いたせ」

 

時頼は正寿丸の傅役(もりやく)として北条実時を選出し、北条家の家紋が入った「三ツ鱗の剣」を正寿丸に授けて、得宗家を継ぐための帝王学を施します。時頼は正寿丸を連れてお出かけしますが、門の上のやぐらではその様子を時利がじっと見つめていました。鎌倉の町では、ぼろぼろの布を身にまとう桐子が腹を空かせ、市場に並ぶだんごを盗んで逃げますが、歩いていた謝 国明にぶつかります。

時頼と正寿丸は謝 国明の館に来ていました。鎌倉の町は流行病が蔓延していて、時頼も幕府として手を打たねばとは考えているのですが、これといって策が見つからず、謝 国明に知恵を求めます。謝 国明が言うには、宋から薬草医を連れてくればいいのですが、その宋も蒙古に囲まれて風前の灯である状況です。蒙古のクビライという男が、ろくに戦をせずに周辺諸国を従えたという話です。

クビライ? と初めて聞く言葉に正寿丸は興味津々ですが、時頼は 海の向こうの計り知れないほどの広い国があることを正寿丸に教えます。正寿丸がこの国を治める頃には日本に攻め込んで来るかもしれないと謝 国明は笑いますが、時頼に授かった三ツ鱗の剣を手に取り「案ずるな! それがしが倒してみせる!」と満面の笑みを見せます。ただ、剣のみで倒せるかと返され、ムッとする正寿丸です。

 

そのモンゴルでは、一日も早く宋を滅ぼすために力で制圧したい兄 モンケ・カアンと、制圧は益なしと戦わずして国を広げたい弟 クビライが衝突します。クビライが大カアン(君主)の座を狙っているらしいと聞いたモンケ・カアンが弟を疑い、あくまでモンゴルの利益と大カアンの名誉のために働いてきたクビライは弁明しますが、これが兄弟の争いに発展してしまいそうな未来も見え隠れしています。

夜。執権殿が大変じゃ、薬師を、という声が聞こえてきて正寿丸が目を覚ますと、実時が沈痛な面持ちで近づいてきました。時頼が鎌倉中に蔓延する赤斑瘡(あかもがさ)にかかったのです。翌朝、見舞いに駆け付けた涼子に、流行り病だからと遠ざけようとする時頼ですが、涼子はかまわず時頼のそばに座ります。

時頼は吐き捨てるように、武士が流行り病で命を落とすとはと自嘲します。これは戦で多くの命を奪った罰だとつぶやく時頼に、もし時頼が死んだら両親の仇をとることができないと言う涼子。時頼は、そうであった、まだ死ぬわけにはいかぬと言ってはみたものの、うずくまってとても苦しんでいます。涼子は、夫をさすってやりたい気持ちを持ちながら、躊躇している様子です。

祈祷の最中に時頼に呼ばれた正寿丸は、もし父が死んだら正寿丸が後を継ぎ、北条を、鎌倉を率いていくことになると言葉を残します。「重き荷を背負わせるには不憫じゃが、これがそなたの運命じゃ」 覚悟を求められた正寿丸はわずか6歳、黙って時頼の顔を見つめています。


脚本:井上 由美子
高橋 克彦「時宗」より
音楽:栗山 和樹
語り(覚山尼):十朱 幸代
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[出演]
渡辺 謙 (北条時頼)
浅野 温子 (涼子)
柳葉 敏郎 (安達泰盛)
池畑 慎之介 (北条実時)
篠原 涼子 (讃岐局)
牧瀬 里穂 (梨子)
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原田 美枝子 (桔梗)
江原 真二郎 (高 師氏)
デルゲル (モンケ・カアン)
バーサンジャブ (クビライ)
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伊東 四朗 (北条政村)
平 幹二朗 (北条重時)
奥田 瑛二 (日蓮)
富司 純子 (松下禅尼)
北大路 欣也 (謝 国明)
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制作統括:阿部 康彦
演出:吉村 芳之

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