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2022年7月 1日 (金)

プレイバック北条時宗・(04)反抗

執権・北条時頼が流行病に罹ってしまいます。時頼は息も絶え絶えに正寿丸に北条得宗家を継ぐ覚悟を求めますが、6歳の正寿丸にはとても無理な話で泣きじゃくりながら首を横に振るばかり。時頼はそれにかまわず、政治に迷った時は政治の表も裏も知り尽くした北条重時(時頼の大叔父)に、一門にもめ事が起こった時は北条政村(重時の弟)に相談せよと伝えます。

さらに、戦が起こったら安達泰盛を、人の気持ちに迷ったら知恵袋の北条実時を、政治家として進むべき道に迷ったら謝 国明をそれぞれ頼れと言います。そして最後に「母上を頼む」と言うのですが、正寿丸は涼子から、得宗家を継げばいいがお前を亡きものとみなす という厳しい言葉がかけられていて、正寿丸としては、父の思いと母の思いのどちらを受ければ良いか子どもながらにおおいに迷うところであります。

一門が大広間に集められ、彼らの目はよろめきながら上座に座らされる時頼に注がれています。自分の命が短いと感じた時頼は剃髪して現れたのです。時頼は執権・武蔵国国務・侍所別当のそれぞれの職を辞し、その後継として重時の子・長時を指名します。長時は突然の指名に緊張し、身体を固まらせながら深々と頭を下げて承服します。

ただしそれは、北条得宗家の正統の跡継ぎである正寿丸が成人するまでのピンチヒッターであり、成長の暁には執権職その他をそっくりそのまま返上し、正寿丸に継がせてもらいたいという条件付きです。返事に窮している政村は、実時や泰盛らがその決定に従う意思表示をした勢いに押されて、不満顔ながら承諾します。俗人のままでは極楽に行けないといわれていた時代、時頼は翌日最明寺亭へ移って出家します。

 

時頼急病の知らせは鎌倉中を駆け巡り、執権家によって立場を危うくされてきた足利家は好機到来と沸き立ちます。執事の高 師氏を京に派遣し、時頼によって追放されていた4代将軍・九条頼経と5代将軍・九条頼嗣を取り込みます。時頼亡き後に北条一門の足並みが乱れるので、その時を見計らって時頼と側室・讃岐局の子である北条時利をダシに正寿丸を退け、得宗家を引きずり下ろそうという魂胆なのです。

この病気にかかって命が助かったものはほとんどいないという大変重い病であり、時頼の死は確実と思われていたわけですが、松下禅尼の献身的な看護が功を奏したか、回復に向かいつつあり。出家した夫を見舞いもせず、正寿丸にいつまで父を恨むのかと問い詰められる涼子ですが、回復の報告にホッとして笑顔を見せています。

泰盛の妻・梨子は長時の妹であり、執権職を継いだ兄を頼むと頭を下げます。時頼のことで頭がいっぱいになっていた讃岐局はフッと我に返り、足利の魂胆を泰盛に打ち明けます。それを知った時頼は、しばらく様子見かと言う泰盛の意見をはねつけ「狩りをせねばならぬの」と、討たれる前に討つ覚悟です。そして正寿丸と福寿丸、涼子は時頼の見舞いにやってきました。

 

康元2(1257)年2月・鎌倉御所──。正寿丸の元服式が執り行われます。烏帽子親である第6代将軍・宗尊親王の片諱を受け「太郎時宗」という名を授けられますが、兄の時利は時宗の馬引きの役目を憮然とした表情で担います。その元服の儀が行われているころ、時頼が兵を差し向け頼経・頼嗣父子が討たれます。時宗が元服したときだからこそ、不安な芽は早めに摘んでおかなければならないのです。

その日の夜、正嘉の大地震が発生します。市中では民衆たちが混乱する中、胸を痛めた日蓮が法華経を唱えています。桐子の求めに応じ、通りかかった武士とともに母のふきを助け出しますが、「鱗を食らう竜の血が流れている」と言い残して亡くなります。日蓮が見ると、手を貸した武士は正体を隠した時頼でした。この地震で数千が命を落とし、かねてから蔓延していた飢饉や流行り病と相まって強盗が横行します。

御所に戻った時頼は町の警護と、食料や衣の分配を命じます。そこへ、日蓮が桐子をつれて御所にやってきました。桐子を助けてやってほしいという日蓮の申し出を時頼は断りますが、こんなに大勢が命を落とした理由は、政が民の声を聞かず慈悲の心を持たず、御仏の道理に背いているからだと主張します。しかし時頼は、政とは日蓮と問答することではないと日蓮を御所から追い出します。

どうしてあの娘を助けてやらないのかと追いかけてきた時利に、助けた一人に選ばれなかった残りの者はどうするのかと逆に問いかけます。一人の命を救って心が救われ明日への糧にする者もいると食い下がり時利に、時頼は「父に意見する気か」と迫りますが、時宗は人の意見を聞かずひとりでことを決めていく時頼に反抗します。時頼は、二度と父に盾突くなとつぶやき、行ってしまいます。

炊き出しを行っている謝 国明の館を訪れた時頼は、蒙古ではどんな政治が行われているのか気になります。政を日蓮や時利に批判され自信をなくした時頼に、クビライが発行した紙幣を紹介し、政をする者とされる者で信頼関係がなければとアドバイスします。ともかくこの地震は北条を揺るがし時頼を揺るがし、時宗も揺さぶっています。ちなみに桐子は謝 国明に引き取られていました。

 

モンゴルでは、兄のモンケ=カアンが、弟・クビライの不在時に彼の優秀な部下たちを無断で処刑します。兄の皇帝という立場を狙っているかもしれないとモンケに恐れられていて、それがゆえにこのような仕打ちを決行しましたが、クビライにとっては濡れ衣で、兄の地位など狙ったことは一度もありません。ただ兄弟不和を解消するためにも、妻の進言でクビライはモンケに会いに行き服従を誓います。

体調もすっかり良くなった時頼は、時宗を呼び出します。「父は旅に出る。供を致せ」 突然のことで時宗は固まり、感情を表に出さない実時ですらとても驚きます。時宗に教育を施したくても時頼自身がものを知らなさすぎると、いろいろなことを吸収したいと思い立ったようです。口を開けたまま時頼の顔をじっと見つめる時宗です。


脚本:井上 由美子
高橋 克彦「時宗」より
音楽:栗山 和樹
語り(覚山尼):十朱 幸代
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[出演]
渡辺 謙 (北条時頼)
浅野 温子 (涼子)
柳葉 敏郎 (安達泰盛)
池畑 慎之介 (北条実時)
篠原 涼子 (讃岐局)
牧瀬 里穂 (梨子)
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原田 美枝子 (桔梗)
江原 真二郎 (高 師氏)
吹越 満 (宗尊親王)
木村 佳乃 (ふき)

デルゲル (モンケ・カアン)
バーサンジャブ (クビライ)
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伊東 四朗 (北条政村)
平 幹二朗 (北条重時)
奥田 瑛二 (日蓮)
富司 純子 (松下禅尼)
北大路 欣也 (謝 国明)
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制作統括:阿部 康彦
演出:吉村 芳之

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