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2022年8月14日 (日)

大河ドラマ鎌倉殿の13人・(31)諦めの悪い男 ~鎌倉の頂点立つは… 比企能員の変~

源 頼家が急な病を得、伏してしまいました。診断は、北条時政も共に戦った佐々木秀義の孫が行ったのですが、頼朝の時と同じように“汗をかくのは生きようとしている吉兆”などと言って立ち去ります。縁起でもないと、比企能員が床を移すと言い出すと、北条時政も負けじと北条館に移すと主張。ふたりの対立が始まる前に「もうよろしい!」と北条義時が間に入り、大江広元の館に移すことにします。

──初代よりはるかに若くして、二代目は倒れた。御家人同士の対立も、またはるかに大きい。鎌倉に戦の匂いが、漂い始めている──

頼家の子・一幡を次の鎌倉殿にしてもらうため、能員は朝廷の許可を得るべく手配しますが、頼家は存命と義時が横やりを入れます。しかし頼家が助かる見込みはほとんどありません。しかも一幡を跡継ぎにというのは頼家自身の意思であると、能員は強く主張します。義時は、能員の思い通りにはさせないとくぎを刺しますが、頼家の回復を祈るばかりと話をはぐらかせて能員は行ってしまいます。

──この段階で、鎌倉において源氏嫡流の血を引くのは、頼朝の息子・頼家と千幡、全成の息子・頼全と時元。全成が死んだ今、次の鎌倉殿の候補は、頼家の息子・一幡と善哉、そして千幡の3人である。一幡には比企が、善哉には三浦が、千幡には北条が、それぞれ乳母父としてついている──

三浦義村は比企に主導権を渡さないために、頼朝が書き残したとする頼家の後継者についての遺言書を持ってきましたが、すぐに義時にウソだと見破られます。善哉が後継者になれば比企が納得せず、このままいけば戦に発展し鎌倉が二つに割れる危険性があります。じゃあどうすんだよぉ~、と和田義盛が騒ぐと、「それを今考えている!」と義時は立腹します。

八田知家が「死んだときの」準備として葬儀場のことで確認をしに来ました。義時が一任するとさっそく取り掛かりますが、知家が比企に近い人物だとしてどちらに味方するのか義時は気になります。しかし知家は、比企と北条が争っているのはオレでも分かるとしながらも、どちら側でもないと義時を見据えます。「オレはオレだ」

 

京で修業中であった頼全が、父・全成の謀反に加担した疑いにより、在京の御家人・源 仲章の沙汰のもと首を刎ねられたのです。「とうとう比企が我らに刃を向けてきました」と、北条時房が震えながら義時に報告します。黙って聞いていた義時は、北条の者たちを集めるように時房に命じます。

北条政子は、比企の手の届かないところへ子どもたちを避難させるように実衣に伝えますが、実衣は政子への反発心からかそれを断ります。しかし畠山重忠に説得されて子どもたちを預けてもらいます。すぐに戦を! と主張する時政らを抑えた義時は、まずは後継者として千幡を推し、それが叶わなかった時こそ挙兵すると提案します。

去り際、義時はりくに呼び止められます。もし比企を滅ぼした後、幼い千幡に政が務まるとお思いか? と言い出したりくは、北条の惣領は時政であることを忘れないようにと念押しします。義時は振り向いて疑問をぶつけます。「義母上は父上に政が務まるとお考えでしょうか」 もちろんと答えるりくは、義時を睨みつけるようにして去っていきます。

評議で義時は、鎌倉殿としての役割を千幡と一幡で分担するという方法を提案します。東国28ヶ国を一幡に、西国38ヶ国を千幡に仕えさせるわけです。ニヤリとした能員は地図を破り捨てて出て行きます。広元は能員が納得するとは思えなかったとつぶやきますが、義時にとっては想定内です。拒んだのは比企であり、これで大義名分が立ったと、義時は比企を滅ぼすことを決意します。

 

8月末、容体の戻らない頼家が床の上で臨終出家します。それも終わり、政子は比企を討ち取ることの是非を義時に問いますが、義時は「頼朝さまは正しかった」と評価します。敵を容赦せず常に先に仕掛けたやり方です。政子は、一幡の命だけは助けるように義時に懇願します。源氏の嫡流には手出しをしてはならないと主張するのです。仏門に入ってもらうつもりだと、義時は政子の前で約束をします。

しかし義時は泰時に、真っ先に一幡と母のせつを殺害するように命じます。あまりの衝撃に言葉を失う泰時を見据え、義時は「頼朝さまならそうされていた」と言い置いて去っていきます。泰時はとても大きな役目を背負わされてしまいました。

比企の動きはどんなことでも知っておきたいという義時のために、比奈は翌日比企館を訪問します。庭では一幡と善哉が仲良く遊んでいました。利発な善哉ですが、道は一幡が頼家の跡を継いだら鶴岡八幡宮で神仏にお仕えさせるつもりのようです。比企尼は善哉の顔を見て、鼻のあたりが頼朝によく似ていると笑っています。

能員は義村を呼び、北条と近い存在であることは分かったうえで、北条には先がなくこれからの鎌倉は比企が中心となって動かしていくと、義村を比企側に取り込もうとしています。千幡が跡を継いだら、義村が乳母父を務める善哉が力を持つことはないと断言するのです。「一幡さまがなれば芽がある、と?」という義村に、能員はニヤリとします。

 

比企が三浦に手を伸ばしていることは、能員と義村の話を立ち聞きしていた比奈が教えてくれました。思案していると、比奈からの文を届けてくれた泰時は、義時が比奈を利用したことに納得がいかない様子です。「そこまでして北条の世を作りたいのですか」「あたりまえだ!」 義時はつい声を荒げてしまいます。泰時は義時を一瞥して足早に立ち去ります。

夜、義時は時政に、幼い千幡の代わりに鎌倉を率いていく時政の覚悟、本心を確かめます。時政は、りく、伊豆、子どもたちを大事にするというポリシーの中、全成を死なせ実衣を悲しませたことを後悔しています。そんなことを二度としないよう鎌倉の先頭に立ち、北条を守り抜くつもりです。それを聞いた義時は、最後の機会としてもう一度能員と話し合うことにします。「お前も諦めの悪い男だなぁ」

翌朝、話し合いの役目を買って出た時政が能員の前に現れます。能員は、頼朝が挙兵した石橋山の合戦の話を持ち出し、頼朝とともに先頭に立って戦った時政に、よう踏み切ったなあと賛辞を送ります。ここらで手を打たんかと時政が提案しますが、能員は即座に断ります。そして能員が主張する、九州は千幡、それ以外は一幡という案も時政が拒否。「これ以上、話すことはなさそうだな」

 

建仁3(1203)年9月2日、時政が能員に和議を申し入れます。分割の件を言ってきたのですが、一幡が頼家の後継になればその約束も反故にできるのにと能員は笑います。ともかく丸腰で話し合いの場に向かうことにします。尼御台政子が仲立ちするし、時政も坂東武者なので丸腰の武者を斬ることはないだろうという能員の考えです。

その能員の予想を裏切って、鎧姿の時政が出迎えます。あっという間に武者たちに囲まれた能員は帰ると振り返りますが、ここまで案内してきた仁田忠常が立ちふさがります。自分を斬れば三浦が黙ってはいないと脅す能員ですが、戸を開ければ義村の姿もあります。「三浦を見くびってもらっちゃ困るな。北条とは二代にわたって刎頸(ふんけい※)の交わりよ」
※刎頸の交わり:生死を共にして、友のためなら首を刎ねられても悔いのないほどの友情

「比企能員、謀反の罪で討ち取る」 義時の言葉を合図に忠常が背中に一太刀浴びせますが、能員は無傷で床に倒れます。そのまま庭に逃亡し、兵たちに掴まれて着物をはだけさせると、鎧をしっかりつけていました。北条は挙兵に加わり比企は二の足を踏むという思い切りの悪さが、命運を分けたと時政は扇子で能員の頬を殴りつけます。そして義時が命じ、忠常が能員の首を討ち取ります。

平家の時とは違い、ともに戦ってきた仲間を討つことに義盛は躊躇します。重忠は、強いものが生き残るだけのことで、我々はそれに食らいついていくしか道がないと義盛を諭します。渋々頷く義盛を横目に重忠は号令をかけ、比企館に一気に攻め込みます。北条に謀られたと知った道は、せつと一幡を比企尼とともに裏から逃がし、自らは戻っていきます。

急ぐせつですが、裏口も泰時率いる兵に囲まれていました。せつは一幡を侍女に預け、懐から刀を取り出して応戦しますが、善児が育ててきたトウによってたちまち斬り伏せられます。その最後を見届けた泰時はそのまま奥に進みますが、奥では一幡を身体で守る侍女の姿があり、善児がじっと見つめています。

すべて終わりましたと時房が義時に報告に上がります。政子は一幡の無事を確かめますが、義時が答えるには、一幡が生存していると分かれば担ぎ上げる輩が現れないとも限らないと、行方知れずということにしています。これで良かったのかと問いかける政子に、義時は穏やかにつぶやきます。「良かったかどうかは分かりません。しかしこれしか道はありませんでした」

ふと宗時の声が聞こえてきたような気がしました。「坂東武者の世を作る、そしてそのてっぺんに北条が立つ──」

 

政子を前に、評定衆からの報告が上がります。比企の一族郎党全て討ち取り、一幡は行方知れず。新たな鎌倉殿は千幡に就いてもらい、北条は将軍の後見役になってもらう。一日も早く千幡の元服の義を執り行うことで一致し、その沙汰は広元に一任することにします。そこに足立遠元が駆け込んできます。「一大事でございます! 鎌倉殿が……!!」

昏睡状態であった頼家が、まさかの回復を遂げたのです。すぐに一幡とせつに会いたいと言う頼家に、立ち尽くす政子と義時たち。頭がぼーっとすると頭に手をやると、あるはずの髪がありません。えっ!? と顔を見上げる頼家です。


作:三谷 幸喜
音楽:エバン・コール
語り:長澤 まさみ
題字:佐藤 亜沙美
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小栗 旬 (北条義時)
小池 栄子 (政子)
坂口 健太郎 (北条泰時)
瀬戸 康史 (北条時房)
堀田 真由 (比奈)
中川 大志 (畠山重忠)
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山本 耕史 (三浦義村)
市原 隼人 (八田知家)
横田 栄司 (和田義盛)
堀内 敬子 (道)
宮澤 エマ (実衣)
小林 隆 (三善康信)

生田 斗真 (源 仲章)
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片岡 愛之助 (北条宗時(回想))
大泉 洋 (源 頼朝(回想))
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佐藤 二朗 (比企能員)
梶原 善 (善児)
草笛 光子 (比企尼)

栗原 英雄 (大江広元)
坂東 彌十郎 (北条時政)
宮沢 りえ (りく)
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制作統括:清水 拓哉・尾崎 裕和
プロデューサー:長谷 知記・橋本 万葉
演出:保坂 慶太

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