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2022年8月 2日 (火)

プレイバック北条時宗・(13)大いなる岐路

北条時宗は慌てて北条時輔の館に急行し、兄の無事を確認します。北条長時が亡くなったことを知って思わず目を背ける時輔は、時宗がなぜ自分の館に真っ先に駆け付けたのか? 次に狙われるのは自分か? と疑い始め、父時頼の3つめの遺言を時宗から聞き出そうとします。しかし時宗は口を割りません。時輔は命を狙われている現状に恐れおののき、時宗は父の遺言で苦しめられています。

長時は脳卒中で35歳で亡くなったと発表がありました。安達泰盛は妻の梨子に、長時の訃報を伝えます。急な病でとの説明に、兄の最期を看取ったのは誰かと泰盛に食い下がります。泰盛は目を大きく見開き、梨子の手を握ろうとしますが、梨子はサッと身をかわし、信じられないというような表情を泰盛に向けて、居室から走って出ていってしまいます。

廊下を駆け抜ける梨子とすれ違った松下禅尼は、なぜ追わないのかと泰盛に問いかけます。梨子は気丈なので、兄の死を受け止められない女性ではありません。夫婦のことじゃ! と反発する泰盛ですが、次の瞬間には手をついて松下禅尼に頭を下げます。長時の死に関わっているのかと尋ねると、泰盛はそれには答えず、梨子を生涯大切に思っていると答えるだけです。

時宗にとって偉大なる時頼の遺言はあまりに大きくむごいものでしたが、時宗だけでなく北条家を大きく揺さぶろうとしていました。祝子は、時頼、長時と時を経ずに得宗家の人間を失ったことで時宗を疑う者も現れるだろうと、心を強くと激励しますが、分かったことを言うなと耳を貸さずに出ていってしまいます。

裁縫をしている祥子に、時輔は下野のふるさとへ帰れと命じます。時頼と長時を失い、鎌倉は危ないとそこから避難させる意味合いがあったのですが、夫が命を狙われていると知らない祥子は承服できません。時輔は祥子を納得させるべく「そなたが邪魔になった」とうそをつき、さっさと下野へ帰れと声を荒げます。時輔の子をみごもって5ヶ月、祥子は途方に暮れます。

6代将軍宗尊親王は、長時を殺したのが誰かを知りたいのですが、時頼と長時が邪魔になった北条の者との桔梗の答えに、わざとらしく「ええっ」と驚いてみせます。しかしその長時に時宗の命を奪うようにそそのかしたのは宗尊親王であり、それを指摘されると新納は青ざめます。くすくす笑う桔梗と名越家北条時章たちですが、親王が命じたことがバレたら次は自分だと怒り狂います。

時宗と泰盛、北条政村、北条実時が集まり、次の執権について話し合いが行われます。実時も泰盛も、幼いころから帝王学を学んだ時宗に異論はありませんが、長時が亡くなって自分がその鞘に収まるのはできないと難色を示します。泰盛は、時頼の遺言を果たそうとどんな気持ちで泥をかぶったのかと訴え、時宗はただ黙って聞いています。

長時の位牌に手を合わせる梨子は、守り刀に手を伸ばして刃を首筋に当てます。そこに松下禅尼が現れ、梨子から刀を奪い取ります。梨子は兄が命を奪われたと涙ながらに訴え、その指揮をしたのが夫だと言いたげですが、松下禅尼は泰盛を信じるように諭します。松下禅尼は夫と嫡男、娘2人を失い、この世を恨んだこともありますが、同じことを繰り返さないためには人を信じることと悟ったのです。

吐き気を催す足利頼氏を見舞う高 師氏ですが、頼氏は天下に号令するためなら手を汚す宗尊親王に反発心が芽生え始めていました。宗尊親王の企ても時輔にしか話していません。そうと知ると師氏は、「頼氏さまは、この鎌倉で生きていくにはお優しすぎる」と白湯に薬を入れて服用を勧めます。その薬の正体を察知した頼氏でしたが、師氏に一喝されます。──足利頼氏、享年24。

思い悩む時宗に実時は、時頼と泰盛の深いつながりについて説明します。時頼も兄の死で執権を継ぐのを躊躇していたわけですが、背中を押したのが泰盛なのです。その時頼の嫡男を執権にしたい泰盛の気持ちはありがたいと感じつつ、頑なに拒絶します。実時はやはり時宗は執権に向いていると力強く頷く中、頼氏が亡くなったことが平 盛綱から知らされ、実時も時宗も絶句します。

 

文永元(1264)年、不吉のことが続いているということで鎌倉では厄払いの鬼払いが行われています。鬼払いの鬼は政村が、鬼退治は宗尊親王が担います。時宗も時輔も、足利泰氏や師氏も参加していますが、不吉なことが“起きた”というより“起こした”という方が正しいかもしれません。その鬼払いの寂しげな音を聞きながら、鎌倉にいた桐子は、もし自分が鎌倉に残っていたらどうなっていたかと考えていました。

桐子は博多への船出をほんの少しだけでも遅らせられないかと謝 国明に相談してみますが、無理な話のようです。博多に戻ったらすぐに佐志 房とともに大陸に渡る予定なのです。感づいた美岬は「どなたかにお別れを言いたいのでしょう」と代弁します。謝 国明はその相手が時宗と気が付いて大きく頷くのですが、心を読まれたようで桐子は恥ずかしがります。

祥子は祝子と会い、時輔から里へ帰るように言われたと伝えます。どうしてこんな急に!? と祝子は驚きますが、「逃れられぬなら受けて立つしかない」と時輔が言っていたと聞き、祝子は時頼亡き後の時宗との争いのことと思い至ります。祥子は時宗と時輔が争わないように導いてほしいと頭を下げますが、そこまでの力を持っていない祥子は戸惑います。

鬼払いを終えてみんなで手を合わせる中、時輔は、形ばかりの鬼退治でなくなぜ下手人探しをしないのかと訴えます。時輔の言葉はみんなを混乱させると時宗は止めさせますが、鎌倉はすでに混乱している! と時輔はやめません。時頼、長時、頼氏の3人がみんな病死だと信じる者の挙手を迫る時輔に、誰ひとりとして答えません。時宗はそれでも信じると主張して、時輔を失望させます。

 

鎌倉の海岸で傷心に浸っていると、桐子が馬でやってきました。意気投合して浜辺を遠掛けする2人は、砂浜にどっかと腰かけます。蒙古やクビライにあこがれを抱き、桐子の話に夢中になりますが、こんな時には時宗は海外へ行けません。誰かと諍いをして負けたのか、と桐子は時宗の顔を見てつぶやきます。うるさい! と海に向かって駆けだす時宗ですが、桐子の予想は当たっているようです。

祥子が下野の実家に無事に戻ったと知らせを受け、時輔はホッと安堵の表情を浮かべますが、次の瞬間には険しい顔に戻っていました。

夜遅くに政村ら長老を呼び出した時宗は、自ら得宗家の家督を継いで鎌倉を引っ張っていく覚悟を決めたと表明します。その上で、鎌倉を幻の都だと考える者が身内にいては政はできないと、時輔を鎌倉から追放すると宣言します。あまりの時宗の変貌ぶりに言葉を失う政村、実時、そして泰盛です。時輔と時宗、兄と弟の絆は、断ち切られようとしていました。

──蒙古襲来まであと3844日──


脚本:井上 由美子
高橋 克彦「時宗」より
音楽:栗山 和樹
語り(覚山尼):十朱 幸代
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[出演]
和泉 元彌 (北条時宗)
渡部 篤郎 (北条時輔)
渡辺 謙 (北条時頼(回想))
浅野 温子 (涼子)
柳葉 敏郎 (安達泰盛)
木村 佳乃 (桐子)
西田 ひかる (祝子)
池畑 慎之介 (北条実時)
ともさか りえ (祥子)
牧瀬 里穂 (梨子)
西岡 徳馬 (足利泰氏)
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原田 美枝子 (桔梗)
江原 真二郎 (高 師氏)
吹越 満 (宗尊親王)
藤 あや子 (美岬)
白 竜 (北条時章)
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伊東 四朗 (北条政村)
富司 純子 (松下禅尼)
北大路 欣也 (謝 国明)
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制作統括:阿部 康彦
演出:吉村 芳之

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