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2022年9月30日 (金)

プレイバック北条時宗・(30)長老死す

北条時輔は、自らの潔白を訴える書状を精魂込めて書き上げた翌朝、北条義宗に攻め込まれました。朝廷の使いとして蒙古の使節と会ったことが謀反の証と言う平 頼綱に、謀反を食い止めるため、北条時宗を助けるために使節に会ったと主張する服部正左衛門。冷静を保っていた時宗も、正左衛門の必死の訴えに狼狽(うろた)え真っ青になります。「せめて時輔さまのご潔白を……時輔さまのご無念いかばかりであったか」

鎌倉の海岸まで馬で駆ける時宗を走って追いかける頼綱は、謀反の首謀者に仕立て上げられた行いがあったのは本当なので、時宗の下知に誤りはなかったとかばいます。しかし兄を討てと命じた事実、討った事実は変えられません。自分の手を見つつ、時宗はあのような下知を下してしまったことを心から悔やみます。

北条実時の館で酒を呑む北条政村と安達泰盛ですが、心を乱す時宗を政村は猛然と批判します。とはいえ、ずっと思い悩むようなら執権職を考え直さなければならないと提案する政村には、時宗の代わりに誰が執権職を継ぐかまでは考えが至っていません。泰盛は、軽々しく批判するのはやめるようにたしなめ、呑みの席を立って出ていきます。酌をしていた実時の後妻(政村の娘)の享子は、政村の身を案じています。

幸寿丸がようやく立ったとほほ笑む祝子は、同じ時に生まれた明寿丸も祥子の下ですくすくと育っているのだろうとつぶやきます。今は別々になっていますが、いつか幸寿丸と明寿丸が仲良く語り合う日が来ることを祝子は望んでいるのです。時宗は盃を傾けながら、じっとその言葉をかみしめています。

下野・小山館では、祥子が明寿丸に子守唄を歌っています。そこに、鎌倉御所から正左衛門が戻って来ました。時輔の潔白を精いっぱい伝えてきたという報告をしますが、祥子はまるで聞こえないかのように歌い続けています。正左衛門は祥子の嘆きがたまらず、涙をこらえてその場を後にします。

 

政村は北条宗政と芳子(政村の娘)を館に呼び、国を率いるかもしれない立場なので男子を儲けておいたほうがいいと助言します。まるで近々時宗の身に危険が及ぶような言い方に宗政は困惑しますが、政村は時宗よりも宗政が人の上に立つのに向いているとし、その気があるなら動いてもいいと唆(そそのか)し始めます。宗政の困惑を横目に、芳子が「お願いいたします」とあっさり答えてしまいます。

泰盛は、小さな過ちも大義を果たせたなら正しいと時宗を諭します。頼綱は兄を討った時宗の心根をかばい立てしますが、「出すぎじゃ!」と泰盛は扉を閉めて頼綱を追い出してしまいます。「国を率いるなら何があっても揺れてはならぬ」と諫めた直後、宗政がムスッとした顔で現れ、時宗を裏切り兄弟が政を奪い合うことなど自分にはできないと訴えます。顔を見合わせる時宗と泰盛です。

どういうつもりかと問いただす時宗と泰盛をはぐらかし、仮病のふりして自邸に戻った政村は、駆け付けた娘たちに仮病をあっさり認め、政村流北条氏を守れと言い置きます。今回のことで連署の職を辞することになりそうですが、政の世界から引退するわけではありません。夫を亡くして出家した秀子に、足利家時との縁組を勧めます。

自在に嫁に出す父に反発する芳子ですが、政村は自分がしてきたことは間違いとは考えていません。敵対していた足利家と縁組を結ぶ。北条傍流の政村は、方々に縁組を結ばせて名を残そうと画策したのです。見舞いに訪れた家時の姿を見て、うんうんと頷く好々爺は、実はしたたかな策謀者であったわけです。

本当に執権を下りるつもりだった時宗を、頼綱は幼い時分に育った寺へ案内します。かつて孤児であったことを打ち明け、泰時の命で北条長時の命を奪ったのは自分だと告白します。時宗に顔を合わせるたびに、これまでの日日を悔やみつつ、必死の思いで仕えていることを時宗には分かってもらいたかったのです。頼綱は涙を流しながら、時輔を討ったことを乗り越えてほしいと訴えます。

 

大元・大都──。帰国した趙 良弼は、日本は「親子が憎み合い兄弟が殺し合う国」と報告します。こんな野蛮な国は攻めずともいずれ滅びると言うのですが、クビライはすべての国が大元のもとに一つになるのが夢なのです。日本のような小国に夢を破らせるわけにはいきません。「余は、大元から日が昇り大元に日が沈むのを、この目で見たいのだ」

時宗は評定の場に向かいます。開口一番、先の戦の労をねぎらいますが、蒙古との問題は何ひとつ解決していません。このままいけば蒙古と一戦を交える可能性もある中、美しい日本を守るため従うことを求めます。御家人たちが同調する中、足利と縁組みを進める政村には、北条に反旗を翻す者どもとも手を結ばなければならないとした上で、これからは裏で事を進めることは控えるようにたしなめます。

ムッとした政村は連署の職を辞すことを宣言しますが、胸を押さえて倒れ込みます。また仮病かと御家人たちは呆れて下がっていきます。時宗は政村とふたりきりとなり、逃げずに立ち向かうことを求めますが、政村の様子が変です。本当に病気だと気づいた時宗は頼綱に薬師を呼ばせます。政村は、くせ者を泳がす器量があればこそ一人前の主と諭し、この後静かに息を引き取りました。

 

いよいよ蒙古が日本に攻め込む時が近づいていました。博多・少弐館では、蒙古はいつ攻めてくるのか、警護のしようがないと竹崎季長や菊池武房ら御家人たちが集まって騒いでいました。少弐景資は御家人たちの爆発を抑えるので精一杯です。そして鎌倉では、宗政や顕時が地図を前にいろいろと策を練っています。時宗は新たな試練の時を迎えていました。

森の奥で横たわる時輔ですが、指がぴくぴくと動き、ムクッと起き上がります。

──蒙古襲来まであと511日──


脚本:井上 由美子
高橋 克彦「時宗」より
音楽:栗山 和樹
語り(覚山尼):十朱 幸代
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[出演]
和泉 元彌 (北条時宗)
渡部 篤郎 (北条時輔)
柳葉 敏郎 (安達泰盛)
西田 ひかる (祝子)
池畑 慎之介 (北条実時)
ともさか りえ (祥子)
寺島 しのぶ (禎子)
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江原 真二郎 (高 師氏)
川野 太郎 (少弐景資)
うじき つよし (竹崎季長)
小西 博之 (菊池武房)
修 宗迪 (趙 良弼)
バーサンジャブ (クビライ・カアン)
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室田 日出男 (服部正左衛門)
伊東 四朗 (北条政村)
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制作統括:阿部 康彦
演出:城谷 厚司

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