« 大河ドラマどうする家康・(22)設楽原の戦い ~武田軍と相対するも動かない不気味な信長 家康の奇襲で、事態は急転直下…~ | トップページ | vol.299・女子トークにおったんが混じったら »

2023年6月13日 (火)

プレイバックおんな太閤記・(22)長浜の別れ

天正10(1582)年6月2日早暁、突如起きた「本能寺の変」。明智光秀の謀反による信長の死はまさに青天の霹靂であり、また多くの人の運命を狂わせることになった。ねねとその一族は、近くの山中にある大吉寺へ命からがら避難していた。

真夜中ですが、警護のため進之介が門から出て来て辺りを確認します。サッと身を翻した進之介は、他の警護役に「誰か来る!」と伝え身構えますが、現れたのは忍者姿のおみつでした。ねね一行とはぐれたおみつは、秀吉に事態を報告するために姫路城に向かったわけですが、備中高松城で交戦中と聞いていたねねは、秀吉が姫路にいることがとても驚きです。

姫路で軍勢を休ませた秀吉は光秀討伐のために京に向かったわけですが、秀吉ひとりが光秀に歯向かったところでどうもならないと、ねねの心配は尽きません。秀吉からは、この大吉寺でしばらく身を隠すように伝言がありました。なかは誰が天下人でもいいから、戦だけは避けてほしいという願いでいっぱいです。浅野又右衛門は、養子於次丸は信長の子なので、何としても弔い合戦をとねねに働きかけます。

6月12日、秀吉は丹羽長秀と神戸信孝(信長三男)、池田恒興らを尼崎の陣に招き入れて軍議を開きます。頼りとしていた細川藤孝・忠興父子は髪を下ろして中立を貫き、孤立無援となった光秀軍は安土城手前の山崎で陣を構えているようです。我々も山崎に陣を! という長秀の声に大きく頷いた秀吉は、おのおのに光秀討伐戦への全力を求めます。

13日、秀吉軍と光秀軍は天下取りをかけて山崎で戦います。しかし勝竜寺城を包囲された光秀は、夜陰に乗じて城を抜け出て、わずかな友を連れて近江坂本城に向かいます。もはや明智の命運は尽きたと絶望する光秀は、せめてたまだけでも生きのびてくれたらとかすかな望みを抱きますが、直後に名もなき男が手にした竹やりを刺され落命します。山科の小栗栖の竹やぶの中で信長を討ってわずか11日目でした。

秀吉はすぐさま大吉寺へ迎えに行きます。秀吉の無事の姿を見てねねは力が抜けたように座り込みます。だれがお前さのことを案じるか! と秀吉の手を振りほどくなかですが、一行の中ではなかが最も気丈で、自分たちも励まされたとこひは弁解します。秀吉は長浜に帰ると宣言しますが、明智の者が占領した長浜城は、光秀が死んでから慌てて逃げ出したそうで、今はもぬけの殻となっているのです。

信長も光秀も因果な話とため息をつくなかは、藤吉郎! 明日は我が身ぞ! と、出世街道をひた走る秀吉に注意喚起するのですが、縁起でもないとともはたしなめます。しかし秀吉自身は、信長の仇討ちを果たしただけであって、人から恨まれるようなことはしていないと胸を張ります。「さ、みなも城に引き上げる支度じゃ」

 

長浜城に戻ったねねたちを、羽柴秀長や於次秀勝が出迎えてくれます。ねねは秀勝に、実父信長が討たれたお悔やみを何と伝えればいいのか戸惑いますが、秀吉もねねもいるからと秀勝は安心させてくれます。そしてイチ(市松=福島正則)とトラ(虎之助=加藤清正)は、どうしてもねねに顔を見せておきたいと秀吉の後をくっついて城内のねねの居室前の庭に出向きます。ねねは良き武将ぶりのふたりに目を細めます。

しかし、夜になると雷鳴とともに賊を殺したことが脳裏を駆け巡り、庭の草木も賊が睨みつけているように思えて、ねねは目を背け耳をふさいでしゃがみこみます。その出来事はねねの心に相当なストレスをかけているようです。

秀吉は久々にゆっくりした酒を楽しみます。そもそも光秀が小早川隆景に送った密書を偶然に入手したのも、柴田勝家らが上杉景勝に対峙して上洛できず、滝川一益も東国の経営で身動きが取れず、光秀討伐のお鉢が回ってきたのは運だったと秀吉は笑います。秀吉の肩をもむ手を止めたねねに、秀吉は様子がおかしいと気づきます。しかしねねは賊を倒したことには触れず、信長は優しかったと話すにとどめます。

夜、休んでいる秀吉はせき込んで目を覚まします。起き上がると暗がりにねねがじっと見つめていて、秀吉はびっくりします。「人を……殺しました」と打ち明けるねねは、秀吉の腕を掴んでガタガタ震えます。秀吉はねねをギュッと抱き留めながら難儀させたことを詫び、戦のない世にしてみせるとねねを落ち着かせます。「おかかやみなをこの城から追い出し、危ない思いをさせたやつらをワシは許さぬわ」

百姓が恩賞目当てで討ち取った光秀の首が本能寺に晒されたそうで、よくもそんなにむごいことを となかは目くじらを立てます。秀吉は清洲城にいて、信長の後継者決めの会議に参加しているそうです。信長の仇を取り、秀勝を養子に迎えた秀吉は後継者に最も近いとともはニッコリし、あさひも100万石200万石も夢ではないと受けますが、偉くなったら人間はろくなものではないとなかはたしなめます。

久しぶりに清洲城を訪れた秀吉は、まずお市に会いたかったわけです。気分がすぐれず臥せっていると侍女が伝えると、食い下がる秀吉ですが、侍女の答えは変わりません。秀吉はがっかりして、用意した金を侍女に預けていくことにします。信長の位牌に手を合わせているお市に侍女が秀吉からの献上品を持参しますが、お市は表情を一切変えず手を合わせたまま冥福を祈っています。

 

信長の死から25日目、秀吉を交えた織田家の宿老たちが清須城に会して、信長の跡継ぎ、遺領の配分についての会議を開いた。秀吉とともに光秀を討った信孝を推す勝家、三男信孝よりも次男信雄を推す長秀が意見を衝突させますが、秀吉が仲裁に入ります。信雄は北畠家に、信孝は神戸家に養子に出たわけで、秀吉に養子として入った秀勝とともに織田家を継ぐ資格はないと断言します。

立派なお世継ぎがおられる と秀吉が抱っこして連れてきたのは、信忠の子・三法師でした。秀吉は三法師を上座に座らせ、信長の嫡孫、跡継ぎだからと信忠も二条城から三法師を落ち延びさせたほどで、これに勝る後継者はいないと秀吉は自負します。お市と三人の娘たちについても、不自由をかけないように世話をすると宿老たちに協力を仰ぎます。仇討ちを果たした秀吉に何も言い返せない勝家は悔しそうです。

織田家の跡継ぎに三法師が決まり、お市はホッと一安心ですが、それを報告した信孝は「サルめの腹は読めております」と浮かない表情です。幼少である三法師を擁した秀吉は天下をほしいままにしている と信孝は暴くのですが、三法師の後見役として信孝を推薦した勝家が織田家では最も力を持つ宿老であるとお市にアピールします。

秀吉の力を抑え込むには、お市には勝家に再嫁してもらい勝家を織田家の人間にしてしまうしかないと信孝は説得します。万福丸を手にかけた秀吉の情けは受けたくないお市に、信孝は織田家のためにと食い下がります。涙を浮かべるお市は「勝家どののところへ参りましょう、それで織田の家が安泰になるのなら」と決意を固めます。

 

長浜城に戻って来た秀吉はたいそう機嫌が悪いです。ねねは気遣って、風呂を勧めたり清州の様子を聞いたり、長浜のすばらしさを再確認したと笑いますが、遺領分配の話し合いの結果、山城と丹波を得た秀吉は長浜を立ち退くことになったとねねに伝えます。京に近い山城国を得たい秀吉は、北国に所領がある勝家が京に出るために必要な長浜を欲しがるため、駆け引きで譲ったのです。

雪に閉ざされる越前北ノ庄城から長浜へ、しかも勝家はお市を娶って3人の娘たちとともにここで暮らす予定だそうで、遺領分配の話し合いの前に勝家とお市の再婚については話がついていたのだと秀吉は悔しがります。秀吉の力を抑え込むための計略であることは秀吉本人でも察しがついていて、このままでは捨て置かぬと吐き捨てます。

お市は2度も言いつけで嫁ぎ、かわいそうだと主張しますが、ねねは信長の言いつけで小谷城に嫁いでも浅井長政とは幸せに暮らしたと諭します。勝家に再嫁したら、今度こそは幸せに添い遂げてもらいたい──。お市にとっては勝家しか頼る人はいないのだから、その勝家とお市を守るのが秀吉の役目だと説得します。「なるべく早くこのお城を出て参りましょう。心残りはございません」

新天地が姫路と聞いて、あさひは長浜から出ていくのがイヤだと言い出し、聞き分けのないとあさひをたしなめるなかは中村に帰ると、秀吉一家はわがまま言いたい放題です。尾張は信雄の領地で、いつ敵に回るか分からないと心配する秀吉は、なかの手を掴んで座らせます。なかは秀吉のような子を持ったばかりに、親は好きなこともできないと愚痴を言います。

お市の居室を訪問した勝家を、お市は娘たちに紹介します。ここで暮らしたいと娘たちは訴えますが、ここには信雄が入るため世話になるわけにはいかないのです。三女の小督(おごう)は北ノ庄城に行きたくないのですが、近江長浜に迎えると勝家が安心させようとします。お市は近江にだけは生きたくないと落涙し、勝家は「拙者としたことが」と慌てて謝罪します。

お市にとって長浜は、浅井長政との辛い思い出につながる土地であった。勝家はお市の胸中を思いやり、ともに越前北ノ庄城へ帰ることになるが、それが後に勝家とお市に悲劇をもたらすことになる。「しばらくの辛抱じゃ……おかかの気に入った城じゃ。必ず帰れるようにしてやるわ」 城下を眺めながら、秀吉はつぶやきます。


天正10(1582)年6月27日、織田家の継嗣と領地再分配について清洲会議が開かれる。

慶長8(1603)年2月12日、徳川家康が後陽成天皇から征夷大将軍に任命されるまで、

あと20年7ヶ月──。

 

作:橋田 壽賀子
音楽:坂田 晃一
語り:山田 誠浩 アナウンサー
──────────
[出演]
佐久間 良子 (ねね)
中村 雅俊 (羽柴秀長)
浅芽 陽子 (やや)
長山 藍子 (とも)
せんだ みつお (嘉助)
石濱 朗 (明智光秀)
──────────
夏目 雅子 (お市)
池上 季実子 (茶々)
──────────
赤木 春恵 (なか)
泉 ピン子 (あさひ)
前田 吟 (蜂須賀小六)
西田 敏行 (羽柴秀吉)
──────────
制作:伊神 幹
演出:富沢 正幸

 

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『おんな太閤記』
第23回「女人悲願」

|

« 大河ドラマどうする家康・(22)設楽原の戦い ~武田軍と相対するも動かない不気味な信長 家康の奇襲で、事態は急転直下…~ | トップページ | vol.299・女子トークにおったんが混じったら »

NHK大河1981・おんな太閤記」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 大河ドラマどうする家康・(22)設楽原の戦い ~武田軍と相対するも動かない不気味な信長 家康の奇襲で、事態は急転直下…~ | トップページ | vol.299・女子トークにおったんが混じったら »