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2024年5月14日 (火)

プレイバック風と雲と虹と・(39)富士噴火

捕らわれの身であった良子たちは、玄明・玄道らの助けで上総を脱出した。しかし途中で源 扶(たすく)らと遭遇してしまいます。大笑いの扶ですが、西から大軍が押し寄せてくると報告を受けます。見れば大勢の民人たちです。一思いに蹴散らすか、と立ち上がると、従っていた兵たちがみな殺されて、扶は孤立無援に陥っていました。扶は仕方なくその場を後にします。

やがて玄明・玄道に守られた良子たちと、民人たちに崇(あが)められた将門はばったり遭遇します。そして合流し、将門は豊太丸を抱きながら豊田へ進んでいきます。民人たちも大喜びで、その行列はずっと続いていました。単騎馬を進める玄道は、道の真ん中に馬が放置されているのに気づきます。見上げると、将門たちの様子を眺めていた武蔵でした。

季重は探していた頭の武蔵と再会できて大泣きです。肉を食らいながら季重を見る玄道は、都の盗賊は湿っぽくていかんと、半ば呆れています。武蔵は坂東の様子を知らせるため、伊予の藤原純友のところに向かうようです。「季重、ついてきてくれるね?」と言われ、泣いていた季重はパッと明るい表情になります。

民人たちが酒盛りをしている間、将門と良子は二人きりになります。お詫びをしなければならないのです、と口を開いた良子は、広河の江で捕らえられて水守(みもり)へ連れていかれる間に貴子を見失ったと将門に詫びます。将門は、貴子は他愛もなく殺されるような弱い女ではないと良子を励ましますが、それは自分自身に対しての励ましでもありそうです。

そこに伊和員経が入ってきて、貴子のことで子春丸が来ているそうです。以前から小次郎の元に仕えていた下人の一人・子春丸。エヘヘと照れ笑いをする子春丸は、「姫御前は兵たちに殺されたンで」とあっけらかんと報告します。大事なことを伝えたのならと褒美を要求する子春丸を、員経は苛立ちながら連れていきます。あまりの衝撃に将門はその場に立ち尽くします。

将門は員経とともに、子春丸が言っていた貴子の墓に向かうことにします。水守へ向かう途中の大きな林の中──。こんもりと土を盛られ、花が供えてありました。手を合わせ、涙を流す将門は、自分が貴子を坂東へ連れて来なければ、自分に会っていなければと後悔しきりです。将門を励ます員経も、悲しみで身体を震わせます。

玄明と螻蛄婆(けらばあ)は、その後方から静かに将門の様子を見つめています。いまの将門には、婆も玄明も将門を慰める言葉すら見つかりません。あんなにも美しい人の、これほどに儚(はかな)い一生……。それにしてもこれはあまりにも酷(むご)く、あまりにも貴子が哀れであった。

 

良子が小次郎の元へ帰った数日後の源家の館。行方不明だった将門が民人たちに守られて出てきたと、平 良兼が源 護(まもる)に報告します。“民人に守られる”など、大掾(だいじょう)の役目を務めた護には意味がよく分かりませんが、国府に訴え出て法の名の下に砦を取り払わせることを提案します。

詮子は国府の役人にはできないと一蹴し、広場に将門を呼び出して合戦を挑むよう進言します。平 貞盛は護の意見に同意しますが、国府にではなく都の藤原忠平にかけあうことを提案します。詮子は、前の戦で将門が負けたのは父祖の妙罰が下ったことにあり、民人たちにその恐怖が記憶として刻まれている早い段階でことを進める必要があると、護を説得します。

小次郎将門は、新しい根城を石井(いわい)に選んだ。今日の茨城県岩井市島広山あたりである。屋敷づくりに勤しむ将門は、上総から兵が出陣したとの情報を受けます。民人たちは「やりましょう!」と立ち上がり、将門も正々堂々と戦うことを宣言します。「よし、やろう。不意打ちなど卑怯な真似はされんぞ!」

 

良兼は軍勢を上総からまず常陸の府中へ。そして源 扶(たくす)、また繁盛・真樹らの手勢を合わせて、その軍勢を水守に進めた。平 将平は戦が嫌いだと沈んだ表情ですが、菅原景行は将平の発言は彼だけの者ではなく、民人はみな戦が嫌いなのだとつぶやきます。「やはり、心の底ではみな、戦を憎んでいるのだ」

その話を聞いていた三宅清忠は、そのまま将門に伝えます。また将平は、父祖の妙罰が下ったことが民人たちに暗い影を落としていると冷静な分析です。将門は笑って一蹴しますが、清忠も員経もその影響がないとは言い切れないと心配します。うーんと考え抜いた将門は、広河の江の火雷(からい)天神に戦勝祈願してくることにします。

出陣を明日に控えた小次郎将門は、広河の江のほとりにある火雷天神へと向かった。火雷天神は京の右近の馬場にある本宮から、小次郎が分霊を受け、菅原景行が建てたものである。言うまでもなく神霊は菅原道真である。多くの民人たちが見守る中、将門と員経は御堂に手を合わせます。

お参りを済ませると帰っていこうとする2人ですが、老婆が突然わめき出します。どうやら天神が乗り移ったようです。土下座する民人たちに合わせ、将門たちも頭を下げると、老婆は「恩に報いてやるべしよ、野ッ原に風が吹く、わしが旗立てて戦にゆけ!」と将門に告げます。山が火を噴く……世の中がでんぐり返る……そう言うと、老婆はフッと意識を失って倒れます。

その話を婆と玄明が話しています。父祖の妙罰を恐れる民人たちは囁(ささや)き合い、兵たちは勇気百倍です。火の雨や山が火を噴くとは何かが起こる予言、世の中がでんぐり返るとは世の中が変わることを民人が望んでいる──。清忠は景行に、火雷天神の旗を書いてほしいと依頼します。景行は喜んで引き受け、「神兵降臨 火雷天神」と旗に記します。

承平7(937)年9月19日、小次郎将門の率いる兵 実に2,000余に、良兼良正連合勢と申し合わせた決戦場「中部野の広野」に進めた。将門軍の兵の多さに筑波山に後退した良兼軍は一旦館に戻り、民人たちをかき集めて再び出直すことを考えます。しかし、羽鳥で兵を集めるという良兼の戦略は、功を奏さなかった。民人は良兼への加勢を嫌い、蜘蛛の子を散らすように山へ逃げ隠れたのである。

山々に籠った敵兵は引きずり出すまでと、将門と清忠は攻めかかります。小次郎勢が羽鳥へ向かえば、すでに羽鳥は一兵も残さず逃げ去った後であり、また水守へ向かえば良正の本拠であるここももぬけの殻であった。小次郎の行くところ、文字通り敵影がなかった。良兼良正連合軍はついに一戦も交えることなく、逃げ去ったのである。

哀れだとつぶやく将門は、これからどうするか清忠に問われ「働くさ、留守にした大地が待ってる」と希望に燃えています。そして11月。将門は民人たちと協力して大きな岩を動かします。民人が指さす方向を見ると、遠くに見える富士山から煙が上がっています。すると突然噴煙を上げはじめ、マグマが流れ出ていきます。承平7年、937年11月11日、富士山の大噴火であった。


原作:海音寺 潮五郎「平 将門」「海と風と虹と」より
脚本:福田 善之
音楽:山本 直純
語り:加瀬 次男 アナウンサー
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[出演]
加藤 剛 (平 小次郎将門)
吉永 小百合 (貴子)
山口 崇 (平 太郎貞盛)
真野 響子 (良子)
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草刈 正雄 (鹿島玄明)
宍戸 錠 (鹿島玄道)
太地 喜和子 (武蔵)
高橋 昌也 (菅原景行)
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長門 勇 (平 良兼)
星 由里子 (詮子)
西村 晃 (源 護)
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制作:小川 淳一
演出:松尾 武

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『風と雲と虹と』
第40回「夜襲」

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