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2024年9月 2日 (月)

プレイバック炎 立つ・第二部 冥き稲妻 (14)策略

【アヴァン・タイトル】

清原清衡には2人の兄弟がいた。義理の兄・真衡、そして弟・家衡である。清衡は藤原経清と安倍頼時の娘・結有との間に生まれた。しかし結有が清原武貞に嫁いだことで、父の仇、清原一族の一員となる。この時、武貞の先妻の子で嫡男として実権を握っていたのが真衡であった。そして結有と武貞の間に家衡が誕生する。

この3人の複雑な兄弟関係が、後の清原一族の内紛の火種となってゆく。その発端は、武貞の急病で浮上した後継者問題であった。子どものない真衡は、想像を絶する秘策を練っていたのである──。


永保3(1083)年、胆沢の清原館では、病床に伏してもはや死を待つのみの清原武貞の枕元に、嫡男清原真衡と側室佐登(さと)がいました。佐登が末期の水をとっていたところ、江刺から家衡と清衡、そして結有が駆けつけます。しかし意識のない武貞に結有は涙し、家衡は必死に名前を呼びかけますが、安らかに逝かせてやるようにと真衡にたしなめられます。

武貞のところから追い出された家衡は、武貞の遺言がなければ真衡の思うままだと危惧します。真衡は武貞の跡継ぎですが、ただ年長者というだけであり、棟梁としてふさわしいかどうかは別問題だと考えているのです。誰が聞いているか分からないと清衡は家衡をたしなめますが、家衡の愚痴は止まりません。「何か企んでおるぞ。あの真衡兄はきっと何か……!!」

その間、家衡と清衡と入れ替わりに到着した、武貞次弟の清原武衡と義弟吉彦秀武が加わり、話し合いがもたれます。真衡が他家から養子を迎えようとしているのを知った秀武がその真偽を確かめますが、真衡はこの場では控えるように注意します。武貞に代わって都との交渉事から軍事の采配までやってきた真衡は、他人にとやかく言われたくないわけです。

真衡が養子縁組を企んでいることは、秀武から家衡に伝えられます。“正当な”後継者として家衡や清衡がいるのに、これでは当てつけにされていると秀武や武衡は反発し、家衡も腹煮えくり返る思いです。家衡は秀武や武衡を味方につけ、いざとなれば戦にしてでも養子縁組の件は何としても阻止しなければならないと考え始めます。清衡はいきり立つ弟を見てため息をつきます。

武貞の容体悪化の知らせを受けて、4人は下屋形から駆けつけますが、その時にはすでに武貞は亡くなった後でした。末期の別れをなぜさせてくれないのかと家衡は真衡に食い下がりますが、真衡はその訴えすら適当にあしらい、弔問客の相手をせよと家衡と清衡に命じます。そこに常陸の多気致幹(たけ むねもと)が到着します。

世話役に命じられた清衡が致幹と対面します。見舞いのつもりで来たのに、臨終に立ち会うことになるとはと致幹は感慨深げですが、こんな日に夫婦養子の話がまとまったことを清衡に打ち明けます。夫婦養子となるのは磐城の平 成衡と、致幹の孫娘である岐巳(きみ)であり、致幹は源 義家にも了解をもらわなければと言いますが、清衡はなぜ義家がそこに関係しているのか理解できていません。

対面所に現れた真衡は、縁談を承諾した致幹に礼を言います。嫁となる岐巳について、改めて真衡から清衡に説明があるのですが、岐巳は源 頼義の娘、義家の妹にあたることを知らなかった清衡はとても驚きます。そしてそれは京にいる義家本人も初耳でした。頼義は8年前に亡くなり、陸奥とは縁が切れたと思っていただけに、こんな形でつながるとはと苦笑していました。

真衡は、義家が清原との縁組に乗り気ではないのだろうかと心配していましたが、実際に夫になるのは平氏であり、縁談のことは任せると言っていたそうで、真衡も安心します。対面所を後にした真衡を、清衡は気遣って休むよう勧めますが、赤の他人の清衡には似たところがなく、いろいろ相談するつもりの真衡です。家衡と真衡は似たところがあって、見ただけで虫唾が走るほどなのです。

 

清衡の元を久しぶりに乙那が訪ねてきました。陸奥が清原の世となり、乙那は奥六郡からすっかり足が遠のいているのです。平氏と源氏の直系に近い者が夫婦養子となれば、清原の者は誰も文句が言えなくなり、少なくとも真衡の時代までは清原の世で安泰となりそうだと清衡は打ち明けます。

その話を乙那から聞いた結有も「とんでもない」と複雑な表情を浮かべます。平氏と源氏の連携は誰も成し得なかったわけで、それを大胆にやってのける真衡は恐ろしい頭の持ち主です。真衡に跡継ぎがいないことを、清衡らは有利だと考えていたわけですが、そう簡単には済まなかったわけです。結有は家衡にも知らせようとしますが、清衡は結有の手をつかんで止めます。

清衡は、奥六郡を取り戻し藤原を再興するのがお前の役目だとの、結有の言葉を持ち出します。清衡はその言葉を家衡に向けているのではと疑問をぶつけます。その考えは今でも変わりませんが、結有の頭の中には兄弟仲良くというのがあるようです。家衡が覇者となっても清原が栄えるだけであり、安倍や藤原、吉次一族が願っていた楽土を陸奥に築くことはできないと、乙那はたしなめます。

このままでは清衡は真衡とも家衡とも太刀打ちできません。安倍につながる者たちも、あれから20年が経ち、自分たちに加担してくれるかは懐疑的です。まずは家衡を総大将として立てることを考えますが、乙那は義家と手を組むことを提案します。前九年の合戦での手柄を清原に奪い取られた義家にとって奥六郡は因縁の地であり、清原のことはよくは思っていないはずです。

片や別室では、家衡と秀武、武衡がひざを突き合わせていました。武貞の葬儀までの間に真衡に夫婦養子のことを問い詰め、いざとなれば清原本家に呼び掛けて、都合2万の兵を繰り出すことも考える必要があります。時期が来たのでござる、と家衡は秀武を見据えます。「いずれは真衡兄と事を決する予感はあったが……今ついに! あの傲慢面の首を、一太刀で刎ねてやるわ」

真衡の呼びかけで清衡や家衡らと弔問客たちは広間に集められます。武貞の葬儀の日取りについて、京など遠方から列席する人たちのことを考慮し、葬儀を3か月後にしたいと言い出す真衡は、「手前は夫婦養子を迎えることに決め申した」と報告します。そして葬儀の翌日にこの縁組を披露したいと考えを明らかにします。僻地に2度足を運ばせるのも忍びないわけです。

真衡の先手は見事に功を奏し、葬儀が終わらないうちは喪に服して何ごとも控えねばならず、仮に秀武や家衡が挙兵に及べば、非は挙兵した側にあり、それを事前に食い止める意味合いも含まれていたのです。ざわつく広間の中で、言葉こそ発しませんが、秀武や家衡は眉間にしわを寄せて不服そうです。

 

清衡は江刺で幼子の嫡子澪丸(みおまる)に弓を教えています。茜は毬を手に澪丸の様子を見つめています。そこに清貞の死から都へ赴いていた乙那が義家を伴って戻ってきます。義家にとっては黄海の戦いで命を助けてもらったお礼を言いに訪問して以来であり、あたりを見回して懐かしそうです。尊敬してやまない藤原経清の子どもと会えるのを楽しみにしています。

清衡は、義家に会いたくないと、対面所に向かう足が止まります。義家をすでに通しているとはいえ、清衡には心の準備ができないのです。郎党の小矢太は義家が立派な人物だと清衡を諭し、背中を押しますが、小矢太を押しのけて拒絶します。清衡は様子を見に来た乙那を睨みつけます。「よしてくだされ! 突然に親の仇に会えとは哀れでござる! 何といわれても、手前は会えませぬぞ」


原作:高橋 克彦
脚本:中島 丈博
音楽:菅野 由弘
語り:寺田 農
題字:山田 惠諦
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[出演]
村上 弘明 (清原清衡)
古手川 祐子 (結有)
萩原 流行 (清原真衡)
豊川 悦司 (清原家衡)
鈴木 京香 (菜香)
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坂本 冬美 (貴梨)
寺田 稔 (乙那)
渋谷 天外 (清原武衡)
河原崎 建三 (兵藤正経)
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名高 達郎 (清原武貞)
李 麗仙 (村雨)
蟹江 敬三 (吉彦秀武)
佐藤 浩市 (源 義家)
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制作:音成 正人
制作・著作:NHK
共同制作:NHKエンタープライズ
制作統括:村山 昭紀
制作協力:NHKアート
    :NHKテクニカルサービス
演出:門脇 正美

 

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『炎 立つ』
第15回「亀裂」

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