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2024年10月27日 (日)

大河ドラマ光る君へ・(41)揺らぎ ~まひろ驚く 歌会にききょう降臨~

寛弘8(1011)年。双寿丸が賢子と仲良くなった経緯をまひろに説明する乙丸です。イマイチ分からないながら、まひろは娘の命を助けてもらったと双寿丸に礼を言います。いとは身分の差を理由に双寿丸をとっとと追い出したいようですが、賢子はそれにもめげず、お腹がすいたらまたいらっしゃい、と帰る双寿丸を見送ります。まひろは、楽しそうな賢子を見てフッと笑顔になります。

敦成(あつひら)親王は父の死も分からず、なでしこの花を手にしています。その様子を見ていた、髪を下ろした中宮彰子は
見るままに
 露ぞこぼるる おくれにし
  心もしらぬ なでしこの花
と歌を詠みます。藤式部は彰子が歌を詠むとはと驚きますが、亡き帝と歌を交わしたかったと残念に感じているようです。

即位した三条天皇は、内裏に入る日を藤原公任に決めさせます。それは藤原実資が適任と公任は固辞しますが、それでも帝は公任にさせたいようです。公任が考えたところ、帝が自分(公任)を取り込むことで一派の結束を乱す目論見があるのではないかと藤原道長に進言しますが、道長は振り回されないようにやってくれと公任の肩をポンと叩きます。

三条天皇は、道長の兄、道長の甥、道長の息子を側近に望んだ。それぞれ藤原道綱、隆家、教通のことです。嫡男の頼通はなぜ自分ではないのかと父に訴えますが、「帝に取り込まれなかったことを、むしろ喜べ」と違った視点で諭します。頼通が先頭に立つのは、東宮が帝として即位した後……。頼通は少しショックです。

源 明子の高松殿で酒を呑んでいる道長の前に姿を現した頼宗と顕信兄弟ですが、年齢も同じぐらいの頼通が正二位なのに自分たちは未だに公卿ではなく、納得がいかない様子です。少し待てと諭す道長に「いつまで待てばよろしいのですか」と食い下がる顕信です。源 彰子は道長はちゃんと考えてくれていると兄弟をとりなします。

 

亡き一条天皇の四十九日にあたる8月11日、三条天皇は内裏に入った。帝は道長を呼び出し、指南役として関白になってもらいたいと言い出します。頂点に立つ者として昇進は控えたいと断る道長にニヤリとした帝は、願い事をひとつ聞けと命じます。「娍子(すけこ)を女御とする。妍子(きよこ)も女御とする」 難色を示す道長に、強引に命じる帝です。

暮れ、道長は藤壺の藤式部の局を訪問します。せっせせっせと書き続ける藤式部に道長は呆れますが、書けと言ったのは道長だと藤式部は口をとがらせます。道長は、光る君と紫の上の二人はどうなるのか興味がありますが、紫の上は死にましたと無情な返答です。誰でもいずれは黄泉路(よみじ)へ旅立つわけで、それはやはり一条天皇崩御が大きく関わっているのかもしれません。

式部は、道理を越えて敦成親王を東宮に据えた理由を道長に質します。より強い力を持とうとしたのは……? 黙っていた道長は「お前との約束を果たすためだ」と返答します。道長自身、やり方が強引だったことは理解していますが、藤式部との約束を胸にこれまで生きてきたわけです。それは藤式部も分かっていてくれているはずだと考える道長は、彰子を支えてやってくれと言い残して去って行きます。

和歌の会で赤染衛門と藤式部、和泉式部が歌を詠み合い、場はしっとりと盛り上がりますが、そこに清少納言が加わります。内々の会だからと断ろうとする中で、『枕草子』の書き手に会ってみたいと彰子が言うので、招き入れることにします。少納言は藤式部をチラリと見て、平伏します。

少納言は亡き帝も皇后定子も好きだった椿もちを持参しました。敦康親王に差し出したところ、中宮さまにも差し上げたいと言われ、持参したようです。敦康親王の様子を訪ねる彰子ですが、親王のことは過去のことになっていると少納言は苦言を呈します。衛門は歌をととりなしますが、それにも少納言は衛門を睨みつけます。「ここは私が歌を詠みたくなる場ではございませぬ!」

脩子内親王と自分とで親王のことは守るから、忘れてくれてけっこうだと捨て台詞を吐く少納言は、藤式部を睨みつけるとさっさと立ち去ります。藤式部は「清少納言は得意げな顔をした。ひどい方になってしまった」とつぶやき、記します。見上げていた月が雲に隠れ、藤式部の表情も曇りがちになります。同じころ月を見上げていた道長も、うつむきます。

 

彰子から文をもらって、飛んできた敦康親王ですが、いつもは間近にいたはずの彰子が今日は御簾の中にいて、顔が見えなければつまらないと、許可も得ぬまま御簾の中に勝手に足を踏み入れます。最初こそ困惑していた彰子ですが、敦康親王の顔を見てフッと笑みをこぼします。敦康親王も直接顔を見られて満足そうです。

その事態を後で聞いた道長は、彰子はいずれ国母となる方であり、何かあってからでは遅いと、敦康親王が二度と内裏に上がれないようにせよと藤原行成に命じます。行成は敦康親王から多くのことを奪いすぎだと諫言します。道長は、説教するのかと冷酷の表情になりますが、それでうろたえる行成ではありません。「左大臣さまがおかしくおわします」

往来を歩く賢子と乙丸ですが、向こうから武士の一団が近づいてくるのが見えます。その一団の最後尾には双寿丸がいました。今から盗賊を捕まえに行くそうですが、一団の行列に戻っていく双寿丸に、賢子は夕餉のお誘いをするのを忘れません。双寿丸はこぶしを天に掲げて返事の代わりとします。

さっそくに賢子の家に姿を現す双寿丸は、イヤイヤながらいとが用意した膳を大きな口でたいらげます。里下がりしていたまひろは、双寿丸が字が書けないと聞いて、足で字を書くのか? とか 実は高貴な生まれでは? と三郎(道長)のような男を想定してしまいます。双寿丸はいまの殿様のところで集団での戦い方を学び、仲間を作っていけると充実感に満ち溢れています。

藤壺に赴いた道長は、敦康親王も立派な大人だと、これまでのように会うのはいかがなものかと彰子に苦言を呈します。敦成も敦良(あつなが)も愛しむよう進言しますが、無論彰子はそうしているつもりです。道長が敦康親王を排除しようとしているのかもしれない──。藤式部は、東宮敦成親王のために敦康親王のことが気になるのかもしれないと、弟たちと仲間になって取り組むよう勧めます。

彰子はこの日、腹違いの弟たちを藤壺に呼んでいた。頼通、教通、頼宗、顕信の4人が彰子の前に居並びます。彰子は東宮のために力を貸してほしいと提案します。自分たちは道長の子ではあるが、道長を諫められるのも自分たちしかいないと考えているのです。この後、彰子は琵琶殿に移った。藤壺には三条天皇の女御となった妹・妍子が入った。

妍子は敦明親王に狩りの話をせがみます。敦明親王は夢中になって説明しますが、「す、き」と妍子は敦明親王に迫ります。そこまで! と大声を出して止めたのは娍子(すけこ)でした。明らかに迫ってきたのは妍子ですが、娍子は敦明が悪いと決めつけ、妍子に平謝りです。妍子はつまらなさそうに御簾の中に戻っていきます。

帝は道長に、娍子の弟・藤原為任(ためとう)を参議にせよと言い出します。道長によれば半年前に蔵人頭に就任したばかりで、そう出世を急ぐのはどうかと道長は難色を示します。為任を参議にし、空席となった蔵人頭には顕信にさせよと帝は命じますが、蔵人頭に顕信はまだ早すぎると道長は断りを入れます。

その話を誰かからか聞いたのか、顕信は蔵人頭になりたかったと涙ながらに訴えます。今は帝に借りを作ってはならないと諭す道長ですが、父に道を阻まれた自分はいなくてもいい息子なのだと自棄を起こし、明子もそれに加勢します。「許しませぬ。帝との力争いにこの子を巻き込んだあなたを、私は決して許しませぬ!」

そこに百舌彦が駆け寄ってきて、比叡山の僧・経妙が道長に対面を求めていることを伝えます。「藤原顕信さま、本日ご出家あそばしてございます」 あなたが顕信を殺したのよ! と明子は道長に掴みかかります。

 

作:大石 静
音楽:冬野 ユミ
語り:伊東 敏恵 アナウンサー
題字:根本 知
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[出演]
吉高 由里子 (まひろ/藤式部)
柄本 佑 (藤原道長)
町田 啓太 (藤原公任)
渡辺 大知 (藤原行成)
竜星 涼 (藤原隆家)
木村 達成 (三条天皇)
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見上 愛 (藤原彰子)
上地 雄輔 (藤原道綱)
ファーストサマーウイカ (ききょう/清少納言)
秋山 竜次 (藤原実資)
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制作統括:内田 ゆき・松園 武大
プロデューサー:川口 俊介・高橋 優香子
演出:田中 陽児

 

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『光る君へ』
第42回「川辺の誓い」

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