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2026年5月31日 (日)

大河ドラマ豊臣兄弟!・(21)風雲! 竹田城

【アヴァン・タイトル】

信長は秀吉に、毛利攻めの足掛かりとして播磨への出兵を命じた。しかしすでに播磨は2年前から荒木村重が調略を行い、地元の国衆を味方につけ毛利攻めの足場を固めていた。兄弟に立ちはだかる新たな敵とは──。


播磨と聞いて、穏やかな海と豊かな野山、うまいものがいくらでもあると福島正則がつぶやけば、行きたい! と加藤清正は物見遊山の気分ですが、羽柴秀吉は“私が髪を整える”と侍女2人にひっぱられる石田三成を「あれが今の播磨じゃ」と表現します。織田と毛利に挟まれてどちらに味方するかで引っ張り合いが続いている状態です。

そのころの播磨は、赤松・別所ら大小さまざまな国衆が存在し、織田派と毛利派に分かれて対立していました。ゆえに播磨に手を出すということは、その先にいる毛利ともに睨み合わねばならないということです。しかし清正も正則は、秀吉の話には全く耳を貸さず、三成が女子たちにチヤホヤされるのがとてもムカつきます。気が利く三成に対して、気が利かない2人が持てないのももっともだと秀吉は笑います。

秀吉は酒を飲みたいと寧々を呼びますが、寧々は明日の出陣の支度で忙しく、手が離せないので小一郎(羽柴長秀)と飲んでろと露骨に嫌な顔を見せます。秀吉は寧々に甘えたかったのか、寧々と飲みたいと駄々をこねますが、ご自分の支度はご自分でと言われて立ち去ってしまいます。「まったく、気が利かないお人じゃね!」

その長秀は慶(ちか)としっとりと酒を飲んでいます。新しく迎えた慶と前夫との子・与一郎は野山を駆け回って心身の鍛錬です。反抗的だった慶もすっかり幸せそうです。「あなた様をばばになるまでお支え致しまする」と慶はおいしそうに杯を傾けます。杯を傾けるのは嫁いできた日以来のことで、ふたりはとてもいい雰囲気になりますが、そこに行き場のない秀吉が乱入してきました。

摂津有岡城では、高山右近と中山清秀が荒木村重に異を唱えます。これまで播磨攻略を進めてきたのは村重であって、秀吉という成り上がり者に横取りされねばならないのか納得できないわけです。もちろん村重もそれでいいとは思っていませんが、下手に逆らっても松永久秀の二の舞です。ここはグッと堪えて、秀吉のお手並み拝見といくしかなさそうです。

 

天正5(1577)年10月、秀吉たちは播磨姫路城に入ります。出迎えたのは城代の小寺(黒田)官兵衛尉孝高です。官兵衛は、秀吉は織田信長が最も信を寄せる家老の筆頭だと思っています。ただ官兵衛が思っていただけではどうにもならず、そういう噂を官兵衛自ら流したわけですが、その噂を国衆に信じこませ、秀吉に従うことを決めさせたのです。噂で人を動かす力となればいいという官兵衛の策です。

「今よりこの城は、羽柴さまに差し上げまする」と言って秀吉を仰天させます。長秀は、城代である官兵衛の一存で決めてもいいのかと無礼を承知で尋ねますが、城主小寺政職(まさもと)は織田方として働くと、官兵衛の説得によって城の件はすでに承諾を得ていて、秀吉も長秀も言葉を失います。じっと官兵衛の話に耳を傾けていた半兵衛は、おもしろくなさそうに天を仰いでいます。

さらに小寺だけではなく赤松も別所も取り計らっています。赤松には別所が密かに毛利と通じて播磨を手に入れようとしていると噂を流し、別所には逆の噂を流し、焦った両氏はおのずと“織田さまにお守りいただくしかない”との結論に達したそうです。赤松と別所が織田につくとなれば、あとの国衆たちは黙っていても織田になびくと、官兵衛は涼しい顔です。

長秀は半兵衛に意見を求めますが、下を向いて居眠りしています。秀吉に起こされた半兵衛は、実に良い策とつぶやきます。官兵衛はそれを、知略の士として名高い半兵衛にかかればこれぐらいは当たり前で退屈だったと受け取ります。半兵衛はすべての国衆に人質を出させるよう要求し、官兵衛は“たやすいこと”と、手始めに自分の嫡男松寿丸を人質に出すと宣言します。半兵衛はすごい顔で官兵衛を睨みます。

数日後、織田への臣従を誓うため、秀吉のもとに播磨の国衆たちが出仕します。別所家からは当主長治の代理として叔父の賀相(よしちか)が来ていました。体調不良との話でしたが、長治は東播磨の三木城で家臣と手合わせするほど元気でした。叔父の重棟はやはり秀吉に挨拶をと勧めますが、織田の家臣ごときに来いと言われて当主がのこのこ行ったのでは、別所の名折れだと出仕を止められたわけです。

ただ、賀相は毛利につく考えをくすぶらせており、そのことが秀吉の機嫌を損ねねばよいが、と重棟は心配なのです。長治は重棟の意見を聞いて織田につくことに決めたわけで、賀相の顔も立ててやりたいという気持ちだったのです。長治はまだ若く、賀相と重棟という2人の叔父が後見人となっていて、その両者の意見が対立していたようです。

宿原城・衣笠城・毘沙門城……と、別所家にとって守りの要である12の城を壊せと秀吉に求められ、反発する賀相ですが、播磨が一つとなれれば無用になると秀吉は笑顔です。長治と重棟によくお話をと官兵衛に言われ、賀相は不満そうで黙り込みます。その表情に一抹の不安を感じた長秀は、賀相の帰りしなに「何か申されたきことがあれば、遠慮のう申してくだされ」と声をかけておきます。

 

秀吉の印象は、誰が攻略にかかっても難しいと言われていた播磨が、こうもたやすく播磨を治められていささか拍子抜けです。早く戻ってお褒めの言葉をもらうかのう、と秀吉はつぶやきますが、それは早計と半兵衛に止められます。このまま毛利が黙っているはずがなく、自分たちが背中を見せた途端に播磨に手を伸ばしてくるというのです。しばらく播磨に留まって様子を見るべきと主張する官兵衛ですが、いや、と半兵衛は立ち上がります。「進むのです。このまま西へ」

まずは上月城を手に入れるべき、と半兵衛は進言します。上月城は播磨・備前・美作の国境にあり、城主は毛利・宇喜多方の赤松政範、毛利方の最前線にある城でした。11月、秀吉たちは上月城を目指して西播磨へ進軍、その途中にある福原城に攻めかかっていました。

官兵衛は、半兵衛が主張した“鼠一匹はい出る隙もな”く取り囲むより、わざと隙を作って敵を逃がさせ、それを待ち伏せて討つなり捕らえるなりすれば、上月城攻めの前に味方を無駄死にさせずに済むというのです。「穴がないことが、この策の穴でござる」秀吉は官兵衛の策を採り、官兵衛はドヤ顔で半兵衛を見つめますが、半兵衛は官兵衛の力量を試すために知った上でやったことです。ただああも得意げになられると、さすがの半兵衛もいささか腹が立つようで、官兵衛と張り合う半兵衛を笑いつつ、何か急いているのか? と秀吉は心配します。

 

半兵衛が“あと一つ手に入れたいもの”としたのが銀でした。播磨をまとめて西の強国と渡り合うためには、莫大な銭が必要です。生野銀山は山名家家臣・太田垣輝延が治めていて、長秀は秀吉に命じられ、総大将として蜂須賀正勝らと竹田城攻めに取り掛かります。兵の数も多くはなさそうで、短期間で決したいところですが、長秀は血を一滴も流さずに終わらせたいと、話し合いで進めるつもりです。

見た感じ、いくつか井戸のようなものが見えますが、蓋に落ち葉が積もり、しばらく使っていないようです。井戸が枯れ、他から運び込んでいるとなると、出入りできないようにしてしまえば水はすぐに底を尽き、それを見計らって降伏を勧めればうまくいくかもしれない。長秀はかがり火を絶やさぬよう命じ、蟻一匹もはい出させない構えで進めます。

輝延は織田方に近づかれるまでなぜ気づかなかったのだと家来たちを責め立てます。水は3日分しかなく、全て飲み干して7日持ちこたえられるかどうかの量です。輝延は半分はわしによこせと言って家来たちを唖然とさせます。かがり火のおかげで寒暖差ができず、次の日もその次の日も雲海が竹田城を覆い隠すことはありません。竹田城側もこっそり水を汲みに行くこともできません。

数日が過ぎ、いよいよ城内の水がなくなってしまった時を見計らい、長秀は前野長康に降伏を勧める書状を届けさせます。誰が降伏なんかするものかと輝延は言い放ちますが、家来たちはため息をつきます。説得が上手くいかず、長秀も頭を悩ませますが、竹田城内で餓死者が出れば戦って死ぬのと同じと宮部継潤に指摘されます。そこに、密命を与えていた藤堂高虎が戻り、長秀はかがり火を一斉に消させます。

かがり火が消え、敵が引いたかもしれないと考えた竹田城の家来たちは、朝もやが立ったすきに城を出て水を汲みに行きます。のどがからからだった家来たちは歓喜してのどを潤し、たっぷり水を汲んで城に戻って来ました。俺の水だ! と家来を突き飛ばして水を飲もうとする輝延に、刀を突きつけたのは……長秀でした。

長秀が高虎に探せと密命を与えていたのは、城近くの水くみ場でした。水を飲むのに必死だった竹田城の家来たちは、長秀たちが近づくのにも気づかなかったわけです。長秀はまずはゆっくり水を飲ませ、お前たちを助けたいと彼らを説得します。家来に扮して城内に入った継潤は、城内で横たわっている者たちにも飲ませてやれと水をどんどん提供します。

「お前ら……敵の施しを受けるとは! 恥を知れ! 早くこいつらを斬らんか!」と輝延は激怒しますが、家臣の命を何じゃと思うとるんじゃ! と長秀は輝延を殴りつけます。ただ、“一滴たりとも血は流さぬつもりではあった”と弁明します。輝延が鼻血を出していたのです。家来の上垣清重は、水が入った柄杓を輝延に差し出します。「お飲みくださりませ……我らの負けでございまする」

こうして竹田城は“ほぼ”無血開城し、長秀は城代を任されます。輝延の身柄は山名がいる有子山へ送り届けられ、城内の家来たちはみな織田方に臣従することになりました。土地のことに詳しい者たちの臣従は助かると、長秀は安堵の表情を浮かべます。城の修繕は高虎に、生野銀山のことは長康に任せています。そんな長康が、上月城のことで気になる話を耳にしたそうです。

上月城の戦いで織田方は大勝利を収め、尼子勝久と山中幸盛が入ったのですが、上月城の者たちはみな斬首、女子どもにいたるまではりつけ・串刺しにされて西との国境にさらされているのです。それを命じたのが秀吉である……。無数の遺体を前に立ち尽くす秀吉の姿がよぎり、長秀は不安を感じずにはいられません。


作:八津 弘幸
音楽:木村 秀彬
語り:安藤 サクラ
脚本協力:片桐 正博
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[出演]
仲野 太賀 (羽柴小一郎長秀)

池松 壮亮 (羽柴筑前守秀吉)
吉岡 里帆 (慶)
浜辺 美波 (寧々)
ドンペイ (宮部継潤)
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菅田 将暉 (竹中半兵衛)
トータス 松本 (荒木村重)
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中野 英雄 (太田垣輝延)
小栗 旬 (織田信長(回想))
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制作統括:松川 博敬・堀内 裕介
プロデューサー:高橋 優香子・国友 茜
演出:渡邉 昭寛

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』 第22回「播磨大誤算」

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