大河ドラマ豊臣兄弟!・(22)播磨大誤算
【アヴァン・タイトル】
天正5(1577)年10月、播磨へ出陣した秀吉は、国衆を次々と従わせていった。東播磨で最大の勢力を誇る国衆が別所氏である。12月、秀吉はかつて毛利に滅ぼされた名門・尼子家の再興を狙う勝久とともに、毛利方の要衝上月城を攻略。だが。「上月城の者はみな斬首され、女子どもに至るまで磔(はりつけ)、くし刺しにされて。それをお命じになったのは、羽柴筑前守さまであると──」
羽柴秀吉は赤ら顔の面をかぶり、「これがわしの真の姿じゃ!」とふざけますが、激怒して戻ってきた羽柴長秀には通じません。面をはぎ取り、なぜあんなひどい真似をしたのかと声を荒げます。秀吉は西播磨上月城の者たちに助命を約束していたものの、城内に足を踏み入れた時にはみな自害していたのでした。しかし竹中半兵衛が、自分たちが殺したということにして、逆らう者への見せしめにすると進言します。
自分が鬼のふりをして少しでも早く西国攻めを終わらせられたらと、半兵衛の進言を受け入れた秀吉ですが、小寺官兵衛はかえって恨みを募らせて敵をまとまらせてしまうと危惧します。ただ半兵衛に言わせればそれは好都合で、敵が一つにまとまれば狙いを定めやすくなります。バカにしているのかと激怒する官兵衛に、半兵衛は冷静です。「そこまで毛利のことを分かっていながら、なぜ我らについたのです?」
官兵衛ほどの戦巧者が味方についたのは心強いですが、なぜ毛利ではないのか。一瞬言葉に詰まる官兵衛ですが、今の織田には勢いがあり、これからの世を作るのは織田だと見極めたからだと回答します。「いい答えじゃ。実に曖昧で」と半兵衛はフフッと笑います。これこそ今の播磨で、毛利か織田かの二拓でやむを得ず織田を選んだ者がほとんどで、気が変わらないうちに早く毛利を倒さなければと進言します。
人質を出して織田に忠誠を誓った……とはいえ、半兵衛の予見は現実のものとなります。東播磨の三木城主である別所長治が、賀相(よしちか)の説得を受けて織田への服従を止め、織田に与する加古川城攻めで挙兵したのです。別所重棟は説得叶わずと謝罪し、官兵衛も見込み違いを詫びます。さらに毛利・宇喜多軍が上月城に向かったとの情報もあり、秀吉は混乱します。
毛利によって所領を奪われた尼子勢に上月城を託していました。尼子勢を見捨てるわけにはいかないと、長秀は別所の動きを封じるべく三木城に向かい、秀吉は織田信長に援軍の依頼をかけます。こうして秀吉たちは上月城を助けるため、高倉山に陣を置きますが、織田の援軍は来ないことになりました。重要なのは三木城攻略であり、上月城に主力を投じれば別所勢に脇を突かれてしまう恐れがあるのです。
半兵衛は、負けた方が何でも一つ言うことを聞くという約束で官兵衛と碁を打ちます。その勝負に勝った官兵衛は、我らの味方になっていただきたいと見据えます。すでに味方ですが、半兵衛の予想では、まずは織田に味方し、後ろ盾を得て小寺を見限る。そのまま織田に加勢して毛利を弱らせ、機を見計らって織田を裏切る。「それが一番おもしろい」とつぶやいた半兵衛は、碁盤の上に倒れ込みます。
勝久や山中幸盛らとともに熱い粥をすすった思い出が頭をよぎりますが、どうすればいいのだと秀吉は頭を抱えます。雷鳴とともに雨が降り始め、蜂須賀正勝の勧めもあり、秀吉は手出しできないまま引き上げを命じます。この後、勝久は切腹し、幸盛は安芸国への護送中に敵の手にかかり、討ち取られてしまいます。
上月城から退却した秀吉軍は毛利と宇喜多の侵攻を食い止めるため、書写山円教寺に陣を構えます。しかし幾日も眠れぬ日が続き、秀吉は足を踏み外して頭を強く打ち、記憶をなくしてしまいます。官兵衛は信長に知らせ、長秀が秀吉の代わりになればいいのではと進言しますが、このことは長秀にとって悪いことではないのではないかとの考えには、さすがの長秀も反発します。「今のは聞かなかったことにする」
そのころ荒木村重は信長に呼ばれて、完成間近の安土城に来ていました。手土産にまんじゅうを差し出す村重ですが、信長は村重の家臣が毛利に内通していたと言い出し、刀を抜きます。慌てふためく村重は、信長に言われるまま 毒入りではない証しにまんじゅうを食わされる羽目になります。結局何ごとも起こらず、信長に許された村重は、裏切者を調べ上げて討ち捨てると約束します。
有岡城に戻った村重は、高山右近と中山清秀に裏切者を探すよう命じますが、2人は毛利の使者として安国寺恵瓊を連れてきます。裏切っていたのはこの2人だったのです。信長の脅しを恐ろしく感じていた村重は、話は聞かないと恵瓊を拒否しますが、恵瓊はすぐに退散するといいつつ、ボソッとつぶやきます。「信長という男、一度疑いをかけた者をやすやすと許すお方であろうか。誤解されねばよいがのう」
相変わらず記憶喪失の秀吉ですが、奥の手として長秀は母なかを連れてきました。母の懐かしい味が何か呼び起こすかもしれないと考えたのです。なかは秀吉に焼き味噌と粥を差し出しますが、粥を見た途端、椀を放り投げて「いやじゃ! わしは何も思い出したくない!」と逃げ出してしまいます。なかは、無理して思い出さずとも、誰かに任せて百姓に戻ればいいと諭します。
長秀は、お堂の柱に名前を書きながら願掛けすれば願いが叶うという住職の話を信じて、柱に刀で名前を彫って秀吉の記憶が戻るよう願掛けします。秀吉にとっては忘れたままのほうがいいのかもしれませんが、秀吉に誘われて今この場にいる長秀にとっては、それは許されないことなのです。「これまでしんどいことも、楽しきことも、2人で一緒にやってきたんじゃ! なかったことにはできんぞ!」
やめんか……やめえと言うておろうが小一郎! 名前を彫り続ける長秀を止める秀吉です。なかの姿を見た時から、秀吉の記憶は戻っていました。もしその時に記憶が戻ったと打ち明けていたら、長秀は必死の覚悟で柱に名前を彫ることもなかったわけで、「思い出したならさっさと言わんか!」と叱ります。柱には『羽柴小一郎』としっかり名前が彫られていました。
いつもの秀吉に戻り、秀吉は軍議を開きます。別所長治は籠城を続けていて、毛利からの援軍を待っているものと思われます。秀吉はその援軍が来る前に攻め落とそうと提案しますが、そこに村重謀反の報が飛び込んできました。
作:八津 弘幸
音楽:木村 秀彬
語り:安藤 サクラ
脚本協力:片桐 正博
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[出演]
仲野 太賀 (羽柴小一郎長秀)
池松 壮亮 (羽柴筑前守秀吉)
坂井 真紀 (なか)
ドンペイ (宮部継潤)
高橋 努 (蜂須賀正勝)
倉 悠貴 (小寺官兵衛尉孝高)
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菅田 将暉 (竹中半兵衛)
トータス 松本 (荒木村重)
立川 談春 (安国寺恵瓊)
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小栗 旬 (織田信長)
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制作統括:松川 博敬・堀内 裕介
プロデューサー:高橋 優香子・舟橋 哲男
演出:渡辺 哲也
◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆
NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』 第23回「さらば半兵衛」
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