« プレイバック独眼竜政宗・(35)成実失踪(しっそう) | トップページ | プレイバック独眼竜政宗・(36)天下分け目 »

2026年7月 5日 (日)

大河ドラマ豊臣兄弟!・(26)信長を笑わせろ!

天正9(1581)年。長宗我部元親による四国切り取りについて、織田信長が認めないと言い出して、元親を信長に橋渡しした明智光秀に説得せよと命じます。阿波の三好一族の願いを聞き入れた結果、元親との約束を反故にしたのです。

近江桑実寺で信長に対面した三好康長は恭しく頭を下げますが、元親は激怒して光秀を責め立て、受け入れられないと返答しています。不穏な空気に、光秀は元親を必ず説き伏せると慌てますが、信長は よい と光秀を睨みつけます。飲めないのならそれまでで、四国のことは織田信孝に任せ、今井宗久には長宗我部を討つに十分な数の鉄砲を揃えさせます。

会合の後、信長らは謎の一団に囲まれますが、森 乱たちが救援に駆けつけ、始末します。寺の中で殺生をと嘆く僧も刀で突然斬りかかり、織田信澄が斬られてしまいます。痛そうに見上げる信澄に、過去の信勝の姿が重なります。本願寺には信長に恨みを抱く者もいて、侍でも土佐か毛利か、はたまた武田かと疑う余地はたくさんあります。「誰であろうと行く手を阻むものは討ち滅ぼす。この寺も全て取り壊せ」

安土城に戻った信長は、鳥取攻めで戦功をあげた羽柴秀吉と長秀兄弟を労わります。褒美は何がいい? と親しげに尋ねると、茶会に連れて行ってほしいと秀吉は言い出します。今まで意に介さなかったのに何を企んでいるかと疑い始めた信長は、賊に襲われて2人が心配していることを知り、心配する暇があるなら備中へ行って西国を平定してこいと追い出します。信長は苛立っていました。

秀吉たちと入れ替わりで、光秀と信澄が信長に呼ばれて入っていきました。今回信長を救ったことで、また偉くなると羨望のまなざしを送る秀吉でしたが……。信澄が元親と通じ、信澄が信長を賊に襲わせて自ら助けたという狂言を演じたと疑います。光秀と元親のつながりを断ち切らないよう諫言しますが、「やはり……わしが許せぬか?」と信長は信澄を見据え、蟄居を命じます。

思いもよらない処分に、秀吉と長秀は愕然とします。元親の織田家窓口は光秀であり、信澄が直接元親とやり取りをしていたのは事実ですが、このままでは父親の二の舞と、お救いせねばと秀吉はつぶやきますが、信澄の潔白の証を立てる道を模索……するのかと思いきや、秀吉が救いたいのは信長です。最近の信長は疑心暗鬼にとらわれ、どこかおかしいと感じていたのかもしれません。

ここは大博打、と秀吉は、備中攻めに養子秀勝を初陣として出陣させたく、実父信長に激励の言葉をもらいたいと頭を下げます。失せよとあしらわれますが、長秀の要請に応じたのか、そこにお市が来て長浜で2~3日休養を勧めます。そのような暇はない! と信長は声を荒げますが、「ほらそれ。すぐに気が立つのもお体が疲れているからに他なりませぬ」と長浜行きを強く勧めます。

信長は、市と長秀の顔を見て、姑息な手を使いおって……と愚痴ります。市の言うことは聞かねばならないと、秀勝に会ったらすぐ帰ると約束しますが、それに合わせて市も支度をしてくると立ち上がります。「ああ……えっお前も行くのか!?」「いけませぬか?」 行って当然という市の顔に信長はあんぐりと口を開け、秀吉と長秀は信長の長浜来訪に大喜びします。

 

長浜城では、信長を迎える準備に大わらわです。寧々をはじめなか、ともやあさひは慶(ちか)の指導の下、舞の練習に勤しみます。信長がお忍びで来る以上、踊り子は呼べないのです。秀吉の狙いは、信長を笑わせて楽しませ、ご機嫌になったところで信澄を信じるようお頼みするというものです。もっとも、その“企て”を聞いた光秀は、そんなことがうまくいくのか? と疑問です。

信長とお市が長浜城に来て、秀勝と対面します。立派に初陣を果たせと言葉をかけ、引き上げだと立ち上がる信長ですが、長秀が信長を引き止め、歌い出します。「さぁさ上様御座につかれて 羽柴の家中の宴座を」「羽柴の馳走をたてまつる 羽柴の一献たてまつる」「ご遠慮なきよう一献二献三献と」 せっかくですから、と市に勧められ、信長は渋々箸を手に取ります。

踊りといってもそれぞれが勝手に踊り狂い、慶の琴に合わせて女たちが舞い、信長は馬鹿馬鹿しい表情を浮かべますが、彼らの出し物に付き合ってやります。猿の真似をして土下座をする秀吉の頭を、猿回しの猿が踏みつけて、信長の笑いを誘います。市も「これではどっちが回しておるのか分からんのう」と呆れています。

夜になり、出し物が一通り終わったところで、秀吉は座り直し、信澄の件を信長にお願いして頭を下げます。顔色を変えない信長は膳をひっくり返し、図に乗るなと怒鳴りつけます。それでも秀吉は食い下がりますが、信長は秀吉を足蹴にします。「お前に何が分かる? ああ? それとも、お前の信澄に与しておるのか? こんなくだらぬことを申すために、わしをここまで呼んだのか?」

長秀は秀吉を止め、信長を思っての行動であると弁明します。それでも秀吉は“くだらぬことではない”と、主張を続けます。確かな証がないまま信澄を処分すれば、信長に恨みを抱く者が増える。また信長が危ない目に遭うのではないかと思うと、心配で心配で戦にも気が入らないわけです。長秀も加わり、織田家のために信澄を許せば、昔のことも忘れられると信長の心をくすぐります。

突然ともがいびきをかいて眠り出し、自分は何の役にも立ててないとあさひが泣き出し、寧々は盃を投げつけて信長のことばかり考える夫の愚痴を吐き出します。信長、小一郎、お市……「私は何番目じゃ!」 広間はさらにごちゃごちゃし、信長はプッと吹き出します。「はははは……馬鹿馬鹿しい。お前らとおると全てが馬鹿馬鹿しく思えてくる。サル、呑み比べじゃ」と、信長は信澄を賭けて秀吉と勝負します。

大きな盃に注がれた酒を、一気に飲み干すふたりです。一献二献三献と……と皆が歌う中、信長も秀吉もお代わり連発です。そのうち、確実にペースが落ちるふたりですが、相手を睨みつけながら気力だけで杯を傾けます。信長は盃を落としてひっくり返り、秀吉は盃を頭上に高く掲げて立ち上がり、勝利を宣言した直後、倒れます。「よう見るとどこか似ておるな」とお市はふたりの寝顔を覗き込みます。

 

翌朝、安土城に戻った信長に秀吉は一同の無礼を詫びますが、酒のせい? おかげ? で信長は全く覚えていません。ただ、秀吉と交わした約束だけは覚えていて、信長は信澄を許すことにします。信澄に殺した信勝の面影が映り、つい、というところです。「わしの目も曇ったのやもしれぬ」と、秀吉の諫言に感謝します。

秀吉としてはただ、信長とずっと一緒にいて新しい世を作って皆を喜ばせたい思いです。信長は、その新しい世がどういうものか掴めていませんが、この青空のように境目のない、争いがない一つの世界、そういう国を作りたいということは思い当たります。「拙者は太陽になりまする。昔おっかさまに言われました。お前はお天道さまのようになれ、と」

それでは太陽であるお前が一番目立つではないか! とツッコみ、慌てて否定する秀吉ですが、信長は自分の羽織を秀吉に着せ、よき侍になりおったわと見据えます。その言葉に感動する秀吉は涙があふれて止まりません。「さっさと毛利を倒して参れ。戻ったら次は……茶会……でもするか?」 雲一つない青空が、ふたりの前に広がっていました。

長浜城に戻ってきた秀吉は、気合たっぷりに出陣を下知します。みな寝ていて太鼓をポコポコ叩き、二日酔いの皆を叩き起こします。そして信澄は許され、光秀は誤解を招かないよう気を付けるように注意します。「よく分かっています。舅どのこそお気をつけくださりませ。あの公方さまからの御内書、上様に見つかりでもしたら言い逃れはできませぬ。あれを書いたのは、この私でございます」 光秀は愕然とします。


作:八津 弘幸
音楽:木村 秀彬
語り:安藤 サクラ
脚本協力:片桐 正博
──────────
[出演]
仲野 太賀 (羽柴小一郎長秀)

池松 壮亮 (羽柴筑前守秀吉)
吉岡 里帆 (慶)
浜辺 美波 (寧々)
坂井 真紀 (なか)
宮澤 エマ (とも)
倉沢 杏菜 (あさひ)
──────────
磯部 寛之 (長宗我部元親)
大東 駿介 (前田利家(回想))
尾上 右近 (足利義昭(回想))
──────────
要 潤 (明智光秀)
山口 馬木也 (柴田勝家(回想))
宮﨑 あおい (市)
小栗 旬 (織田信長)
──────────
制作統括:松川 博敬・堀内 裕介
プロデューサー:高橋 優香子・吉岡 和彦
演出:石川 慎一郎

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』 第27回「本能寺の変」

|

« プレイバック独眼竜政宗・(35)成実失踪(しっそう) | トップページ | プレイバック独眼竜政宗・(36)天下分け目 »

NHK大河2026・豊臣兄弟!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« プレイバック独眼竜政宗・(35)成実失踪(しっそう) | トップページ | プレイバック独眼竜政宗・(36)天下分け目 »