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2026年7月19日 (日)

大河ドラマ豊臣兄弟!・(28)急げ! 秀吉

織田家重臣・明智光秀の突然の謀反により本能寺が襲撃され、主君・織田信長を自刃に追い込みました。羽柴長秀が目にしたものは、天を焦がすほどの炎で燃え続ける本能寺の姿でした。翌朝、鎮火した本能寺から信長の遺骸を懸命に探す明智軍ですが、見つかりません。御首級(みしるし)がなければと光秀は斎藤利三に探索を命じます。さらに光秀は、京にいるはずの長秀を捕らえるよう追加の命令を出します。

京の町は“これからは明智の天下か” “ホンマに信長は死んだんか”と声が飛び交う中、浅野長吉は遊女屋に足を踏み入れます。女将の吉祥が「昼間っから好きやねぇ」と言えば、長吉が「サルにはかなわぬ」と返す。つまりこれを合言葉に、長吉は2階に案内されます。そこには長秀をはじめ、藤堂高虎と前野長康もいました。明智軍が町中を走り回り、信長嫡男の織田信忠も亡骸が見つかっていません。

長秀はこれらのことを急いで文にしたため、長康に秀吉へ持って行かせることにします。長吉は長浜に向かわせ、何が起こってもいいように城の者を逃がす段取りをつけます。これから長秀は、信長は生きていると噂を流し、畿内の諸将が明智に味方しないように足止め活動を行うつもりですが、明智軍は長秀も追っているため、高虎は長秀にしばらくはここで隠れているよう勧めます。

摂津住吉の織田信孝は、光秀の謀反で信長が非業の死を遂げたことに激怒し、弔い合戦のために四国攻めを取りやめて引き返すことにします。丹羽長秀はあまりの出来事に呆然としています。そこに飛び込んできたのは、織田信澄謀反の知らせです。大坂城の信澄は、光秀とともに正しい世を取り戻すと宣言、軍勢を率いて挙兵します。

堺・津田宗及の屋敷では、信長自刃の知らせがすでに入ってきているはずの徳川家康ですが、早くと急かす石川数正らの前で「織田信長も死ぬんじゃの」と呑気です。できれば自分が信長の仇を取りたいという気持ちですが、いったん伊賀越えの最短ルートで岡崎へ戻ることにします。宗及が用意した砂金の巾着袋を掴み、出発です。宗及は、家康が伊賀越えをして岡崎に向かったと手下に書状で知らさせます。

美濃岐阜城では、悲報を市が受け取っていました。さすがの市も言葉を失います。いつでも逃げられる支度をしたいところですが、市は気を失って倒れます。

北近江の長浜城に戻ってきた長吉ですが、秀吉家臣たちを集め、明智軍に取り囲まれる前に逃げるようにと長秀の伝言を伝えます。女たちを取りまとめるよう寧々を促しますが、寧々は秀吉には信長の死を知らせないよう助言します。信長の後を追ってと心配したのです。「それはないわ。あんたがいるからね。何があっても寧々さまを置いて、自分から死ぬようなバカじゃないよ、あの子は」

なかたちの言葉に納得した寧々は、城から逃げるようみんなに声をかけますが、慶(ちか)の子・羽柴与一郎が長吉とともに父・長秀のもとに行きたいと言いだして慶を驚かせます。見つめていた慶は、何があっても父に従うことを約束させ、長吉に与一郎を預けます。「与一郎、ひとつ大事な頼みがあります」

 

備中高松城近くの秀吉の陣。京の長秀からの急報を受け取り、秀吉はハハハハと笑い出します。長康が必死に訴えますが、秀吉は本当のことと受け取りません。長康がふざけて小芝居を討つような男ではないし、書状の字が紛れもなく長秀の手のものであるし、これだけの状況が揃っているのに、秀吉は信じません。信じたくなかったというのが正しい表現かもしれません。

なぜ光秀が謀反を起こしたのか秀吉は黒田官兵衛に詰め寄り、乱暴に突き飛ばしますが、冷静になって考えてみれば、光秀が信長に対して謀反を起こすなど、誰も考えなかったからこそ、今回の変事が起こったのかもしれません。信長の亡骸はまだ発見されておらず、どこかに生き延びて自分たちの救援を待っていると、秀吉は信長の身に起こったことを気取られないように、毛利と和睦をしなければなりません。

本能寺の変の2日後、秀吉と毛利の2度目の和睦交渉──。備中・美作・伯耆3か国を羽柴のものとし、城主清水宗治の切腹、で手を打ちます。これまで強気だった交渉が急に妥協点を探し始めたことに、毛利側交渉担当の安国寺恵瓊は怪しみます。秀吉は「まことのことを申す。上様が……」と言いかけ、蜂須賀正勝や官兵衛を焦らせます。

信長が3万の軍勢を率いて備中にやってくる。その前に和睦を結ばなければ責めを負われ、場合によっては織田家を追われるかもしれない。秀吉はそうなる前に和睦を受け入れてほしいとつぶやきます。秀吉が目指す“みんな力を合わせて作る円満の世”は、信長が目指すものとは違いますが、長秀の受け売りだと秀吉はフッと笑います。恵瓊は、その世は成し得ないが嫌いではないと、毛利を説得すると約束します。

和睦の証としてお互いの旗指物を交換し、城主宗治は切腹。織田と毛利の間に和睦が結ばれます。馬上の人となった秀吉は、家来たちに号令します。走って走って走って、走り続けよ!

 

越中魚津城では、悲報を受け取った柴田勝家が暴れに暴れ、佐々成政らが必死に止めていました。いま上杉に背中を見せれば、背後から攻めかかられる危険が高いですが、それでも信長の仇は自分が討つと聞きません。平伏する前田利家は、そんな勝家の逸る気持ちを理解しつつ、「これしきのことで取り乱すでない! お前が織田家を守らずしてどうする!」と信長を代弁し、説得します。

近江・安土城には明智勢が入っていました。信澄が挙兵し大坂城にあり、長浜城はすでにもぬけの殻で、家康も伊賀で待ち伏せしているものの未だに姿は見せていません。細川藤孝、筒井順慶、中川清秀、高山右近、長宗我部元親には書状を送っていますが、今のところ何の返事もありません。誰かひとりがこちらになびけば、一斉に我らに味方するはず。利三は光秀の娘の舅にあたる藤孝調略に動きます。

しかしそのころにはすでに、藤孝には長秀の調略の手が及んでいました。長秀の思惑は、藤孝を明智の味方につかせぬこと、光秀を救うすべはないか助言してもらうことです。謀反は断じて許せませんが、その相手が一緒に戦ってきた仲間であったことに、長秀は戸惑っているのです。長秀は藤孝に助言を求めつつ、その場に倒れます。一方の秀吉は、京に向かっていた馬が急に走らなくなり、フラフラになりつつ歩を進めますが、こちらもその場で倒れてしまいます。

長秀は丸一日、気絶したように眠っていました。本能寺で信長が倒れてからというもの、寝ずに書状を出し根回しし続けていたのです。帰ってしまったと思っていた藤孝は、返答がまだだからと残ってくれていました。光秀はいっときの情に流される男ではなく、確たる勝ち筋を見ての謀反だったはずです。織田家臣が誰一人駆けつけられない中、どうやって光秀を討つのか? そこに、秀吉軍25,000が6日に姫路城に入ったとの知らせが舞い込みます。あまりの急の大返しで、さすがの藤孝も驚きを隠せません。尼崎城で合流せよとの命で、長秀は出立することにします。

動けなくなった秀吉ですが、村の者たちが松明を焚き、飯や馬などを用意してくれていました。長秀が信長の西国出陣のために支度させていたものです。それをそのまま大返しに転用したわけで、それさえも予想していた長秀に藤孝は舌を巻きます。藤孝の言葉に目が覚めた、と長秀はつぶやきます。「もう迷いませぬ。兄とともに明智を討ちまする」

 

山城・下鳥羽。秀吉が6日に姫路城に入ったという知らせは、利三ら明智勢を震撼させます。しかも毛利の旗指物もあり、毛利が織田と手を組んで京に向かっている……というのはさすがに信じられません。いったん坂本で軍勢の立て直しを提案する利三ですが、信澄が自身の命と引き換えに信孝と丹羽の軍勢を足止めしていて、それを使わない手はありません。

そこに藤孝からの書状が届けられます。藤孝は出家し、家督を忠興に譲る。つまり、明智に力は貸せない──。明智は朝廷から、織田に代わって畿内を守ることを許されていました。「大義は我らにあり」と、光秀はこれから勝竜寺城に向かい賊軍を迎え撃つことにします。

尼崎城には長秀が先に到着していました。出迎えもせず、信長捜索もせず、秀吉に叱られる長秀ですが、長秀は小さく「すまん」と謝るばかりで、涙をぽろぽろこぼします。信長は生きていると“信じたい”秀吉に殴られますが、信長が死んだと森 乱から真実を聞いている長秀は、兄者こそ目を覚ませと殴り返し、取っ組み合いのけんかになります。

そこに与一郎が現れたことで、落ち着きを取り戻す秀吉と長秀ですが、与一郎は慶からの頼まれごととして、若かりし頃に信長にもらった草履を届けたのです。「草履は片方だけでは何の役にも立たぬ。互いに大事にせい」 与えられた“家宝”とともに、信長の言葉が脳裏をよぎり、秀吉も長秀も泣き崩れます。「出陣の支度を急がせよ。目指すは明智の首、上様の仇討ちじゃ」


作:八津 弘幸
音楽:木村 秀彬
語り:安藤 サクラ
脚本協力:片桐 正博
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[出演]
仲野 太賀 (羽柴小一郎長秀)

池松 壮亮 (羽柴筑前守秀吉)
吉岡 里帆 (慶)
浜辺 美波 (寧々)
坂井 真紀 (なか)
宮澤 エマ (とも)
倉沢 杏菜 (あさひ)
池田 鉄洋 (丹羽長秀)
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大東 駿介 (前田利家)
立川 談春 (安国寺恵瓊)
鶴田 真由 (吉祥)
松下 洸平 (徳川家康)

要 潤 (明智光秀)
内藤 剛志 (斎藤利光)
山口 馬木也 (柴田勝家)
宮﨑 あおい (市)
小栗 旬 (織田信長(回想))
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制作統括:松川 博敬・堀内 裕介
プロデューサー:高橋 優香子・舟橋 哲男
演出:渡邊 良雄

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』 第29回「天下への道」

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