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2026年8月 9日 (日)

大河ドラマ豊臣兄弟!・(30)清須会議

【アヴァン・タイトル】

織田信長と信忠が亡き今、織田家の家督を継承するのが信長の孫である嫡流の三法師であった。信長が生前、織田家嫡流が家督を継承すると決めていたからである。しかし三法師はわずか3歳のため、織田家の行く末を決める「清須会議」が行われる。最大の争点は、三法師の名代として織田家の主導権を握るのが、信雄(のぶかつ)か信孝か。天下が大きく動こうとしていたその矢先──。


天正10(1582)年6月20日、羽柴秀吉は、これからの織田家のあり方を決める“清須会議”が開かれることを羽柴長秀に伝えます。領地の振り分けと誰が織田家を率いていくのかです。実は誰がというのはすでに三法師と決まっていました。三法師は織田信忠の忘れ形見、織田信長の嫡孫にあたります。すでに嫡男が継いでいた跡継ぎを、その子、つまり嫡孫が継ぐというのは至極当然な話です。

ただ、長秀が指摘する通り三法師はまだ3歳であり、元服するまで誰かが名代として政を預からなければなりません。筋でいえば一門衆筆頭の織田信雄ですが、失策続きで信長からも見放されるほどいい話は聞きません。織田信孝はそこに付け込んで、明智光秀を討ったことをかさに着て、名代にふさわしいのは自分だと主張しているようです。そのどちらかを選ばなければなりません。

その清須会議に、自分も行かねばならないことに長秀は難色を示します。与一郎を亡くしたばかりの慶(ちか)のそばにいてやりたいという気持ちが強いわけですが、慶があっさりと清須行きを認めたことに、長秀は事前に慶が秀吉から説得されていたと感づきます。ただ与一郎のためにも行ってこの世を変えてくれと思いを託され、長秀は清須へ同行することにします。彼らを見送る女たちですが、長秀は三法師に祝いの品として差し上げる小袖を作ってほしいと依頼します。

尾張の清州城では、越前から駆けつけた柴田勝家が、ここのところ食を取らない市を心配して越前で獲れた海の幸を持参します。長女の茶々が代理で対応しますが、部屋内から市のか細い声で 入ってよいぞ、と聞こえてきます。しかし勝家は入室せず、信長を守れなかったことを土下座して詫び、涙に震えています。

挨拶を終えた勝家と、挨拶に向かう秀吉がすれ違います。ニコニコ顔の秀吉に勝家が掴みかかり、信長が亡くなったというのになぜ笑えるのだと声を荒げます。お市の前では泣き言は言いたくないと冷静に返答する秀吉が去ると、勝家は表現できない悔しさに襲われ、顔をくしゃくしゃにしています。

現れた秀吉は「すっかりお美しくなられました~」と歯の浮くような言葉をかけます。“昔のお市の面影”と言いかけて、茶々に父の浅井長政の面影もあろうとムッとされます。中から市の、襖を開けるよう求める声が届き、茶々が襖を開けます。平伏していた秀吉が顔を上げると、床には信長からの書状が無数に散らばり、髪の毛は乱れて放心状態の市が座っていました。その姿に秀吉は言葉を失います。

ずっと信長からの書状を読み返していた市は、ふと「あのころにもどりたい」とつぶやきます。先のことなどどうでもよい、と吐き捨てるのですが、秀吉としては信長に代わって織田家を守り、信長が目指した天下一統を必ず成し遂げると誓います。そのために、秀吉はお市に力を貸してほしいと頭を下げますが、「今の私にできることなど何もない」と表情を変えません。それでも秀吉は食い下がります。

秀吉がお市と面会している間、長秀は丹羽長秀と会っていました。肩をマッサージしながら、みんな丹羽の頼りにしていると持ち上げながら、信雄と信孝のどちらを味方するか聞き出そうとしますが、評定は公平でなければならぬと答えません。長秀の名前は信長の“長”と秀吉の“秀”から取ったものですが、長秀自身は丹羽からもらった名だと思っていると打ち明けますが、それでも「言えぬ」と口を割りません。

池田恒興は信雄推しと聞き、長秀は信雄に会いに行きます。信雄は働きに報いてくれる人物だと恒興に聞き、力になると約束します。もし信雄が名代となった時には摂津を欲しいと言う長秀に、信雄は困惑の表情を浮かべます。恐らく恒興も摂津を所望しているのだろうと、この話は諦めると下がろうとすると、信雄に止められます。「摂津は筑前にくれてやるわ。案ずるな、全てはこのわしが決めることだ」

こんな感じで調査を続けた結果、滝川一益は北条とのいさかいが長引いて動けず、会議の日延べを申し出てきました。恒興は信雄推しで間違いなく、勝家は信孝推しに違いありません。要は丹羽長秀がポイントとなりそうです。ただ、信雄もこんな大事な時に女を連れ込んで戯れとは、さすがの秀吉も呆れてしまいます。秀吉は、信雄と信孝不在で会議を行い、家臣団の意見をまとめておくことにします。

 

その夜がきました。秀吉、丹羽長秀、勝家、恒興の4人です。早々に信孝推しを表明した勝家に、恒興は信雄の名を出します。一門衆筆頭の信雄を差し置いて信孝を推すのは筋違いと、真正面から異を唱えたのです。勝家は三法師が家督を継ぐだけで、名代が誰であろうが身の程は関わりがないと反論します。いちいち納得する丹羽長秀は、結局は“分からぬ”と逃げ……。

秀吉は……「わしは柴田どのがいいと思う。池田どのでもいい、丹羽どのもうってつけじゃ」とわけの分からないことを言い出します。勝家の力強さ、恒興の虚を捨て実を取る性分、丹羽の慎重に見極める目利き、自分の調子のよさ、これらを合わせれば何物にも勝る後見役として三法師を支えることができると主張するのです。みな、面白い考えと認めながら、いま話し合ってもまとまらないのが現状です。

なお信雄を推す恒興に、秀吉は信雄が名代になれば自分が摂津一国を与えられると言い、「バカな! わしが!」とボロを出します。口車に乗せられた恒興を説得する秀吉ですが、口車に乗せようとしているのはお前だと勝家に指摘されます。名代は信孝と主張し、秀吉は勝家を見据えます。「これは異なことを。名代が誰であろうと身の程は関わりないとおっしゃったのは柴田どのではござりませぬか?」

秀吉は、信長から授かった四男秀勝がおり、丹羽の奥方は信長の姪(異母兄の娘)であり、恒興は信長と乳兄弟です。となれば、勝家にも織田家とより深いつながりを持ってもらう方がいいと言い出します。勝家にお市を娶るよう告げるのです。実は昼間、対面したお市に勝家に嫁ぐよう申し入れていました。茶々が反発する中、お市は勝家が承諾したらという条件を出して提案を呑んでいたのです。

お市はすでに承知、あとは勝家の返事次第です。勝家は内側からフツフツと怒りが湧いてきました。今お市がどんな気持ちなのかが分からんのか! と秀吉に掴みかかります。秀吉は冷静に、4人で三法師を支え織田家を守ろうと団結を説きますが、「断る! どのようなことになろうとも、うぬの言いなりにだけはならぬ! わしは……うぬが大ッ嫌いじゃ!」と睨みつけます。

そこに長秀が駆け込んできます。三法師がいなくなったとのことです。信雄が女と戯れていたと思っていたあの出来事は、実は連れ込んだ女は三法師の世話役の侍女であり、三法師を拉致しようとする信雄の企てだったのです。信雄の姿もすでになく、門番は子ども連れの出入りはなかったので、まだ城内にいるはずです。三法師の命に関わるかもしれないと、丹羽は自分たちだけで三法師を探すことを提案します。

書庫の中から床下、厨の中までくまなく探しますが、三法師は見つからず。ついに最後の蔵にたどり着きます。忍び足で足を踏み入れ、秀吉は三法師の姿を発見しますが、女が刀片手に攻撃してきました。丹羽や恒興、長秀らが応戦し、棚に身体がぶつかった瞬間、ドミノ倒しのように棚が倒れていきます。寸でのところで秀吉が三法師を守り、そんな2人を勝家が倒れる棚を止めて守っていました。

女は首を斬って自害し、秀吉は三法師を加藤清正と福島正則に預けます。この探索が、若いころに皆で力を合わせて戦ったことを思い出させたようで、丹羽はまた皆と戦いたいと秀吉案に賛同します。信雄に裏切られた恒興も秀吉案に乗るしかありません。勝家は、好きにしろと突き放します。「ただし、お市さまとのことはなかったことにする。わしはあのお方を娶れるような男ではない」 丹羽は、勝家の長い期間抱いてきたお市への思いを果たせる千載一遇の好機とからかいますが、勝家は顔を真っ赤にしてその場を離れます。

 

翌日、本当の清須会議が開かれ、秀吉や勝家ら家老の合議で政にあたることが告げられます。そして寧々を先頭に慶やなからで作った小袖も出来上がりました。それから数日後、京・妙覚寺で家督を継いだ三法師へのお目見えが行われます。清須会議での領地分配で、秀吉は畿内の主要地を手に入れ、織田家中で最大勢力へと躍進したのです。

三法師の誘拐事件ですが、結果的にそのおかげで宿老たちが一つにまとまったことを考えると、その誘拐事件も秀吉たちが仕組んだものかと黒田官兵衛は疑いますが、さすがにそこまではせん、と長秀は否定します。ただ長秀がやったのは、その誘拐事件を利用するためにあえて見逃し、秀吉の主張が通りやすくするように助けとしただけです。

秀吉が腹を壊したらしく、遅参しています。恒興も丹羽も、4人で助け合えばいいのだと意に介しませんが、現れた秀吉は三法師を抱っこしていました。「これからは織田家筆頭家老となったこの羽柴秀吉が、ここにいる者たちとともに力を合わせ、三法師さまをお支え致しまする。すべて! お任せくださりませ!」 恒興も丹羽も勝家も、鳶(とんび)に油揚げをさらわれた格好となり、愕然とします。

お市の呼び出しを受けた勝家が平伏しています。現れたお市は開口一番「勝家、私を娶れ」と命じます。顔を上げた勝家は、目を丸くしてお市を見つめます。


作:八津 弘幸
音楽:木村 秀彬
語り:安藤 サクラ
脚本協力:片桐 正博
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[出演]
仲野 太賀 (羽柴小一郎長秀)

池松 壮亮 (羽柴筑前守秀吉)
吉岡 里帆 (慶)
浜辺 美波 (寧々)
坂井 真紀 (なか)
宮澤 エマ (とも)
倉沢 杏菜 (あさひ)
井上 和 (茶々)
池田 鉄洋 (丹羽長秀)
高橋 努 (蜂須賀正勝)
渋谷 謙人 (前野長康)
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山口 馬木也 (柴田勝家)
小栗 旬 (織田信長(回想))
宮﨑 あおい (市)
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制作統括:松川 博敬・堀内 裕介
プロデューサー:高橋 優香子・国友 茜
演出:田中 正

◆◇◆◇ 番組情報 ◇◆◇◆

NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』 第31回「これで、お別れにございます」

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