2014年12月19日 (金)

プレイバック黄金の日日・(51)堺炎上 [終]

慶長5(1600)年10月。
泉州・堺の町は、徳川家康の軍勢によって包囲されます。

その2日前、京の六条河原では
関ヶ原合戦の責任を取って
石田三成、小西行長、安国寺恵瓊が処刑されました。

納屋助左衛門はそのことを知り、堺のキリシタン墓地で
ポロロン、ポロロンと西洋楽器を弾いて
死者の霊を慰めています。

「今度は堺の番でございますね……」
美緒は声を震わせながら助左衛門に尋ねます。
徳川勢に包囲されている今、徳川に味方しない限り
堺との戦になる可能性が非常に高いです。

かといって、今徳川に降伏すれば
堺の町は壊されずに済むでしょうが、
堺の自由は奪われてしまいます。
自由というものは、一度手放せば二度とは手に入りません。

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2014年12月16日 (火)

プレイバック黄金の日日・(50)関ヶ原

慶長5(1600)年7月、
徳川家康が伏見から江戸へ動き始めます。

表向きの名目は東北の上杉討伐でしたが、
その真の狙いは反徳川勢力の頭目である石田三成に
挙兵の機会を与えることでした。

三成が招集する豊臣勢力と決戦を交わし
豊臣政権を武力で転覆しようとする
家康の最初の誘導戦略であります。

このチャンスを逃すことなく、三成は立ち上がります。

「合戦が起こる。天下を分ける戦が起こる」
水で満たされた堀を眺めながら、
納屋助左衛門は厳しい表情です。

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2014年12月 9日 (火)

プレイバック黄金の日日・(49)激流

堺の石田三成の屋敷には
故郷佐和山から、兄の石田正澄がやってきています。

秀吉によって、町が死んだように静まり返っていた堺でしたが
彼の死後、それがまるで生き返ったように甦っています。
ご禁制は解かれていませんが、大聖堂の鐘が鮮やかに鳴り響き
正澄は驚きを隠し切れません。

三成によれば、追放処分を受けていた納屋助左衛門が
赦免されてルソンから帰って来るので、
それにあわせて出迎えの鐘を鳴らしているのだそうです。

堺に住んでいない正澄ですが、納屋助左衛門が
「呂宋助左衛門」であることを知ると、ああ、と頷きます。
堺と言えば呂宋助左衛門、呂宋助左衛門と言えばルソン壷。
これは正澄でなくとも有名な話です。

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2014年12月 2日 (火)

プレイバック黄金の日日・(48)暗黒航路

慶長3(1598)年8月18日・マニラ湾。

原田喜右衛門らに捕らえられ、
船内に押し込まれている現地人──フィリピン人。
彼らは、平和だった自分たちの国に異国人が乱入してきて
捕らえられ、自由を奪われた悲しみを歌にして歌い上げます。

そして、彼らの歌声から喜右衛門の船に捕らえられていることに
確信を持った納屋助左衛門らは、船を襲撃して
捕らえられた彼らを助け出そうと近づきます。

急襲され、ろくに対抗できぬまま
船に押し込められた人質たちは解放されてゆきます。

喜右衛門はマストの上に逃げていましたが、
現地人のツルという女性が
兄が喜右衛門に殺されたことを知って射殺を命じます。

喜右衛門はマストの上から黒い海に飛び込み
二度と上がってくることはありませんでした。

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2014年11月25日 (火)

プレイバック黄金の日日・(47)助左衛門追放

慶長3(1598)年6月17日。
納屋助左衛門が堺奉行所に連行されます。

かつて、秀吉が朝鮮侵略をしようとした時
それをやめるように直談判した助左衛門。

その助左衛門につばを吐きかけ、極刑を命じた秀吉でしたが
実は石田三成が逃がしていた事実を知り
秀吉は逃がしたことに関して三成を咎めなかったらしく
食わせてやれ、と菓子をふるまうほどゴキゲンです。

秀吉と和解させるべく、
伏見城へ連れて行くつもりの三成ですが
助左衛門はその申し出を断ります。

自由都市・堺が今のままの状態では
どうしても秀吉と敵対する立場になってしまうわけで、
和解と言ってもそれはできない相談なわけです。

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2014年11月21日 (金)

プレイバック黄金の日日・(46)五右衛門刑死

肥前・多久島に帰って来た納屋助左衛門と石川五右衛門。

そこで助左衛門は、豊臣秀吉が朝鮮出兵の指揮を執るために
彼を乗せて御座舟が九州へ下向するらしいという噂を耳にします。
今や秀吉憎しで固まった助左衛門は、秀吉が乗ったその御座船を
襲撃することしか頭にありません。

慶長2(1597)年6月、助左衛門は堺に戻ってきます。
今井館に入った助左衛門は、遺髪を見せて
美緒と小太郎に桔梗の死を知らせます。

ただ、もしルソンへは行かずに日本に残れば
豊臣秀次関係者ということで数日後に捕らえられ、
三条河原で刑死されていたかもしれません。
そう考えると、少しの間でも助左衛門のそばにいられて
幸せだった、と思いたい……いや、思うしかありません。

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2014年11月18日 (火)

プレイバック黄金の日日・(45)天変地異

呂宋島・マニラ湾──美しい夕焼けです。

聚楽第から救出された桔梗は
石川五右衛門と一緒にルソン行きの船に乗り
ついに納屋助左衛門と再会することが出来ました。

文禄5(1596)年6月、
桔梗が“まるでお城が浮かんでいるよう”と喩えた
イスパニアが誇る世界最大の商船
『サン・フェリーペ号』はマニラを出航。

メキシコに向けて太平洋を船出したはずのこの商船は
しかし、目指す目的地には行き着かず
悪夢のような地獄の旅を経て
再びマニラへ舞い戻ってくることになりますが、

このことが、助左衛門らに
血の惨劇として振りかかってくるのは半年後のお話です。

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2014年11月 7日 (金)

プレイバック黄金の日日・(44)呂宋(ルソン)遠征計画

文禄元(1592)年──。

当時マニラ市内には300人の日本人が住んでいました。
このころ、豊臣秀吉のルソン侵略計画を知ったマニラ政府は
マニラに住む日本人を市外の指定区域に移住させ、
日本人に対する警戒を強くします。

文禄2(1593)年4月・ディラオの日本人町。
マイニラ総督ゴメスに宛てた秀吉の国書を鮫吉が入手し、
納屋助左衛門は旧知の友・ハギビスの前でそれを読み上げます。

秀吉は原田喜右衛門に利用されているだけというのに
当の本人である秀吉にはそれに気づいてくれないというのは
何とも悔しく、呆れるところであります。

その原田は、秀吉の国書に自己宣伝を加えて
大きく加筆・脚色を加えられて、マイニラ総督ゴメスに渡します。
漢文を理解できないゴメスは、
原田の解釈を鵜呑みにするよりほかにありませんでした。

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2014年10月31日 (金)

プレイバック黄金の日日・(43)朱印船襲撃

文禄元(1592)年6月。(※)

(※)文禄に改元されたのは1592年12月なので、
 本来であれば6月段階では「天正20年」とすべきですが
 ドラマ内テロップに合わせて「文禄元年」と記しています。

納屋助左衛門の隠れ港、肥前国・多久島に
日本の運命を左右する秘密の書状が舞い込んで来ます。
マイニラ総督が豊臣秀吉に宛てた書状で、
運んで来たのは、ルソンから帰って来た石川五右衛門です。

原田喜右衛門の狙いは、マイニラの総督の座に就くことです。
秀吉の手でマイニラを攻撃させ
マイニラからイスパニア人を追い落とし、自らが総督に。
秀吉はルソンを押さえ、原田は交易を独占する……。

助左衛門と五右衛門は、
ルイス・フロイスに書状を訳してもらうため
多久島から長崎へ向かいます。

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2014年10月24日 (金)

プレイバック黄金の日日・(42)先陣争い

肥前国・多久島──。

納屋助左衛門はここに港を構えます。
ここから北東へ8里(およそ31.41km)かなたには
朝鮮遠征の大本営となる名護屋浦の港があります。

1592年、天正が「文禄」と改元された正月5日、
豊臣秀吉は勅命を奉じ、諸国の大名たちに朝鮮出兵を命じます。
秀吉の号令で、日本国中から281,040名にも及ぶ大軍が
肥前・東松浦郡のちいさな港に集結しました。

12日辰の刻(=午前8時)、
小西行長や宗 義智らの一番隊700余艘の船団が
18,000の兵を乗せて対馬を発して釜山へ向かいます。

事前に三成と助左衛門で考えた
“戦をしているように談合する”というのは失敗に終わり
この上は、行長や宗らが京城(ソウル)の国王に対して
和議の交渉をもちかけるしか戦を止める方法はありません。

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