プレイバック黄金の日日・(51)堺炎上 [終]
慶長5(1600)年10月。
泉州・堺の町は、徳川家康の軍勢によって包囲されます。
その2日前、京の六条河原では
関ヶ原合戦の責任を取って
石田三成、小西行長、安国寺恵瓊が処刑されました。
納屋助左衛門はそのことを知り、堺のキリシタン墓地で
ポロロン、ポロロンと西洋楽器を弾いて
死者の霊を慰めています。
「今度は堺の番でございますね……」
美緒は声を震わせながら助左衛門に尋ねます。
徳川勢に包囲されている今、徳川に味方しない限り
堺との戦になる可能性が非常に高いです。
かといって、今徳川に降伏すれば
堺の町は壊されずに済むでしょうが、
堺の自由は奪われてしまいます。
自由というものは、一度手放せば二度とは手に入りません。
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