2015年12月22日 (火)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(48)明日への飛翔 [終]

明治10(1877)年9月19日、
城山に籠る西郷軍に対して
政府軍の総攻撃計画が発令されます。

陸軍中将・山県有朋の指示は綿密を極め、
アリの這い出るすき間もない完璧な包囲網が
ぐるりと城山を取り巻きます。

一方、西郷軍も防備を固めますが
その数はわずかに300余。
それに対し、政府軍は
70,000人に達しようという大軍でした。

郊外に避難した家族たちは、
じっと戦況を見守るしかありませんでした。

城山の最後の夜が、いま明けようとしています。

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2015年12月18日 (金)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(47)故郷・城山へ

政府軍・薩摩軍合わせて8,000人余りの死傷者を出した
明治10(1877)年3月4〜20日の「田原坂の戦い」の後も、
血で血を洗う争いは続きます。

「3月19日 衝背軍上陸作戦」
長崎から八代海を通って日奈久南方に上陸した政府軍は
熊本〜鹿児島間を分断。

「3月19日〜4月14日 別働旅団北上作戦」
政府軍は日奈久から北上して熊本城へ向かいます。

薩摩軍は熊本城の包囲を解き、
「3月20日〜4月15日 植木の戦い」
「4月12日〜4月20日 御船の戦い」と続いて
4月21日に木山に向かい、
4月28日に矢部経由で江代到着など、長い敗走が始まります。

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2015年12月15日 (火)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(46)西南戦争

私学校生徒が暴発し西南戦争が勃発。
しかし薩摩軍首脳の意見は大きく分かれていました。
長崎を抑え軍艦を奪い東京へ進むべきだとする西郷小兵衛。
一方、篠原国幹らは全軍をもって熊本を攻略すべしと主張し対立。

折衷案も出るものの、結局は桐野利秋や篠原の
強硬な意見が通り熊本進撃が開始されます。

薩摩軍の標的とされた熊本城。
豊臣秀吉の家臣・加藤清正が築城し
当時から対薩摩戦の前線基地として考えられていました。

明治政府もここに、
司令長官・谷干城以下約2,500の守備隊を置き
薩摩の動きに目を光らせていました。

しかし、その兵は神風連の乱で自信を失っており
迫り来る薩摩軍に対し、谷は籠城を決意。
皮肉なことに守備隊の中には多くの薩摩人がいました。
幕末維新を通じて一枚岩を誇った薩摩人が対決することになったのです。

西郷隆盛出発の日、鹿児島に50年ぶりの大雪が降ります。
薩摩人同士が赤い血を流す悲劇が始まろうとしていました。

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2015年12月11日 (金)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(45)西郷軍挙兵

明治9(1876)年10月、
熊本で神風連の暴動が起こります。
それに呼応し、福岡県の秋月や山口県の萩など
士族の怒りが各地で爆発します。

英国外交官のアーネスト・サトウは士族の暴動の原因を
「政府が士族の経済的特権を否定したこと」
「廃刀令などによって身分的特権を剥奪したこと」
「西郷隆盛が提案した朝鮮問題を政府が一蹴したこと」
「佐賀の乱に於いて江藤新平に対し苛酷な処分をしたこと」
と、外国人という客観的な立場から以上の理由をもって
士族の抑えきれない怒りを分析しています。

政府は緊迫した状況の中で国家建設を進めていきます。
軍隊を持ち鉄道や工場、病院などを建設、
さらには全国に小学校を作ろうとします。

しかしその性急な政策は
政治への不信感を募らせる結果になり、
薩摩士族反乱の導火線となっていくわけです。

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2015年12月 8日 (火)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(44)士族暴発

明治9(1876)年2月・鹿児島──。

西郷小兵衛が松を妻に迎え、初子を身ごもっています。
そして西郷隆盛と愛加那の娘で
西郷菊次郎の妹になる菊子が西郷家にやって来て
西郷家もいっそう賑やかになっています。

西郷いとは、何人も産み育てて来た母ちゃんですが
女の子は初めてとあって、ちょっと嬉しそう。
大切に大切に育てて行くつもりです。

東京の大久保家でも、
大久保利通にとっては初めての女の子が
誕生していました。

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2015年12月 4日 (金)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(43)それぞれの薩摩

明治7(1874)年4月──。

江藤新平が起こした佐賀の乱の後始末が終わらぬうちに、
台湾に漂着した琉球民を殺害した事件がきっかけで
大久保利通・岩倉具視・大隈重信らは
独断で台湾出兵を決め、断行します。

日本は諸外国に対して議会政治を目指しているといいながら
江藤に対するあのような裁判、あのような極刑では
到底理解されない、と木戸孝允は承服しかねる表情です。

ただ、幕府を倒して新政府を設立するにあたって
最初の10年間はあのような暴動が起こりえることは
すでに予測できていたことでありまして、
木戸が言うのはあくまで理想であって
現実には即してないと利通は反論。

断行するなら私は参議を辞任する、と
木戸は内務省を出て行きますが、
利通はいたって冷静です。
「仕方ありません。しかし誰かがやらなければならない」

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2015年12月 1日 (火)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(42)佐賀の乱

肥前佐賀藩は、幕末雄藩の中で
最も近代的な軍隊をもっていました。
名君・閑叟鍋島直正の指導のもと、藩内に反射炉製鉄所を持ち
当時最新鋭のアームストロング砲をも製造していました。

閑叟は藩外のことに関しては不干渉の態度をとっており
討幕運動にも積極的には参加しませんでした。
しかし、薩長の熱心な勧誘と事態の変化から
上野戦争以降、討幕に参加します。
その近代兵器は威力を発揮し、戦功も大きかったわけです。

しかし、結果的には維新に乗り遅れた形となり
新政府では『薩長土肥』と言われるように
常に4番目の位置にいまして、高官の地位を得るものは少なく
藩内には不満を持つ者も多かったわけです。
その中での“出世頭”とも言えるのが参議・江藤新平です。

しかしその江藤も政争に敗れ野に下り
佐賀に帰ることになります。

新政府に不満を抱く佐賀の兵士たちは
江藤を指導者と仰ぎ、
第2の維新を目指して立ち上がったのです。

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2015年11月27日 (金)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(41)東京政府孤立

明治6(1873)年11月。

西郷隆盛が朝鮮問題で辞職し、国元へ帰ったことで
それに同調する近衛兵や警察、官吏からも
大量の辞職者が出ました。
その結果、東京政府にはあらゆる面で
大きな空洞が出来てしまったようでした。

内務卿・大久保利通は、内務省に
大隈重信、山県有朋、川路利良、伊藤博文、西郷従道を集め
近衛兵に代わる鎮台兵の人材確保に
出身藩に関係なく全力を尽くすよう指示を出します。

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2015年11月24日 (火)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(40)西郷、野に下る

明治6(1873)年、政局内で急速に熱が高まった朝鮮問題。
その是非を巡って意見はまっ二つに分かれます。

朝鮮国へ談判に行き、問題を解決しようとする
西郷隆盛を筆頭とした面々。
(板垣退助・江藤新平・副島種臣・後藤象二郎)

一方、大久保利通ら
(岩倉具視・木戸孝允・大隈重信・伊藤博文・大木喬任)
は時期が早いとして真っ向から対立します。

互いに相容れない西郷と大久保。
しかしその2人の考えとは別に
この論議には数々の思惑が絡んでいました。

中央集権官僚政治に反対している板垣退助は
これを機会に政府を開拓できないかと考えていました。
また、江藤新平はこの機を逃さず薩長閥を潰し
法治国家を自らの手で作る野心を燃え上がらせていました。

朝鮮問題は、日本国内における
権力闘争に姿を変えていき、
そして人々のさまざまな思惑が一つの時代の渦となり
大きな政変へとつながって行くのです。

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2015年11月20日 (金)

プレイバック翔ぶが如く・第二部明治編(39)両雄対決

朝鮮への大使派遣問題で揺れる新政府。
しかしこれ以外にも近況の外交課題が
日本を取り巻いていました。

修好条約により、
日本とロシアの共有の地であった樺太(サハリン)。

この時期、ロシアは積極的に樺太に乗り出し
その人口は日本人のほぼ2倍に上ります。
ロシア兵などによる殺傷事件なども多発し
現地の治安は最悪でした。

ロシアの進出に対して、イギリス公使のパークスは
樺太はおろか北海道もあやういと警告していました。

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