連続テレビ小説おしん・アナザーストーリーズ『運命の分岐点』(後編)
<前編よりつづく>
MULTI ANGLE DOCUMENTARY
Navigator・MATSUHIMA Nanako
Narration・HAMADA Gaku
Director・ISHITOBI Atsushi
『アナザーストーリーズ・運命の分岐点』
【松嶋】橋田さんが語り継ごうとした、日本人が歩んできた道のり。それが視聴者の胸を打ったのは、過酷な撮影現場に立ち向かった俳優たちの存在があったからです。第二の視点、一人目は、いかだに乗って奉公に出されるおしんを演じた、名もなき子役。当時わずか10歳だったその少女は、周りのスタッフを仰天させるほどの覚悟で撮影に挑んでいました。そしてもう一人は、この極寒の最上川で、その当時の日本にあった悲劇的な真実を伝えようと、鬼気迫る演技を見せた女優です。身の危険さえ顧みず、その役を演じきった女優の決意は、ドラマが伝えるメッセージをより強烈なものにしました。
【N】現在放送中の『なつぞら』。その中で、北海道開拓に来た貧しい一家を支える母がいる。
小林綾子「天陽と、仲良くしてやってね」
天陽の背中をポンと押す。
【小林】おはようございま~す。よろしくお願いいたします。どうも、失礼しま~す。
【N】彼女こそ、少女時代のおしんを演じ、一躍時の人となった小林綾子。当時はまだ、10歳だった。
おしん「旦那様は優しい人だ! おれ、ここさ奉公に来て、いがった! (山形の方を向いて)母ちゃん! おれ、学校さ行くんだぞッ!」
【小林】私にとって『おしん』は、なかなか経験できないような貴重な体験を、いっぱいさせていただいた、あの……大切な作品で、おしんに出会ったことで、ずいぶん(人生が)大きく変わったかな、とは思いますね、うん。
最近のコメント