2022年12月 6日 (火)

プレイバック北条時宗・(49)永遠の旅 [終]

大元・大都で粛々と政務を行うクビライ・カアンのところに、日本に差し向けた遠征軍が台風で全滅したとの知らせが入ります。「海はわしを受け入れぬのか」とクビライは愕然とします。間髪入れず、次の遠征軍を送る用意を命じますが、息子チンキムはこれ以上の犠牲に反対を唱えます。出ていけと、クビライはチンキムを追放します。

弘安の役が終わると、北条時宗は無学祖元を開山として円覚寺を建立します。日本軍と蒙古軍で失われた多くの命を供養するためです。祖元は民が時宗に感謝しているだろうと笑顔ですが、時宗は自分の生きているうちに償いができてホッとしているところです。横に座る北条時広に、自分の死が近いことを打ち明け、政から退く決意を固めます。

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2022年12月 2日 (金)

プレイバック北条時宗・(48)運命の嵐

夜、休んでいた北条時宗は飛び起きます。胸を押さえて息も荒いです。

遅れていた江南軍が東路軍に合流し14万の大船団となって、弘安4(1281)年7月、九州の鷹島に姿を現します。平戸から伊万里にかけて大船団であふれかえっているという情報で、少弐景資や北条宗政たちは落ち着いてはいられません。九州西部の平戸や伊万里方面には、強固な石垣は建設されていないのです。博多軍の3分の2を西に向けると主張する宗政に、残りの兵で博多を守れるのかと御家人たちは異議を唱えます。

その様子を見かねた服部正左衛門が自分に任せろと出て来ます。戦うのは御家人の役目と景資は難色を示しますが、時宗がその役目の垣根を取っ払って蒙古軍を撃退せよと命じたため、宗政は正左衛門たちを博多に呼んだのです。景資は全軍の4分の3を西方面へ割き、宗政と大友頼泰軍、島津久経軍で西へ向かうように求めます。そして菊池武房や竹崎季長、そして服部正左衛門で博多を守ることにします。

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2022年11月29日 (火)

プレイバック北条時宗・(47)弘安の役

北条時宗は謝 太郎から、“大変な荷を乗せて”大陸からの船が到着した報告を受けます。大変な荷とは言わずもがな、クビライによる出兵命令の情報です。先陣として4万、第二陣として10万の兵を送り込むそうで、4月中に出陣の準備を整え、博多を目指して海を渡ってくると思われます。時宗は14万を撃退してみせると言いますが、迎え撃つのも間に合わせると意気込みます。

時宗は評定を開き、蒙古襲来について説明します。敵の刃に晒さぬためにも対馬と壱岐の民を避難させるよう命じます。博多湾の入り口にある志賀島を敵に明け渡し、博多へ誘い込む作戦です。敵に明け渡すと言っても潮が引けば地続きになる志賀島へは、博多側から攻撃することも可能になります。「武力ではもはや日本を奪えぬこと、何としても蒙古に思い知らせるのじゃ」

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2022年11月25日 (金)

プレイバック北条時宗・(46)クビライを討て!

謝 国明の指揮の元、御家人たちが結束して作り上げた石垣がようやく完成しました。武士の力だけでは石垣を作ることはできず、それは商人や職人の力だけでも作れないのと同じで、身分を超えて作り上げた心の石垣だと謝 国明は表現します。竹崎季長は実際に石垣を上ってみて、やすやすと越えられないことを確認します。「次はいかに博多を守るか。知恵を集めねばなりませぬな」

弘安4(1281)年。平 頼綱が日蓮の信徒を殺め、北条時宗は身延山を訪問します。頼綱を重用する理由を尋ねる日蓮に、頼綱が影を引き受けているお陰で自分は揺るがずに政を行えると説明します。政を極めれば極めるほど時宗は傷つくと危惧する日蓮は、立正安国論で警告したように蒙古は再度襲来すると断言しますが、時宗もそう見越してすでに準備に入っているのです。

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2022年11月22日 (火)

プレイバック北条時宗・(45)わが祖国

弘安2(1279)年・夏。謝 国明の反対を押し切って海を渡った北条時輔は、ようやく大元の大都にたどり着きます。クビライに会って戦を止めたいという強い意志を持ってはるばるやって来た時輔は、ベネチアの商人・マルコポーロに案内されて宮殿の大明殿に入ります。初めて見る景色に、時輔は感慨深げです。

そのころ博多では、蒙古から新たな使節団が到着していました。霊泉(りょうせん)という日本からの留学僧を案内役に、クビライの許しを得て宋の将軍・范 文虎(はん・ぶんこ)が書状をしたためたのです。いくら宋でも無礼だと激怒する景資ですが、書状に目を通した謝 国明は、かつて日本とよしみを通じていた文虎が“早く蒙古に歩み寄れ” “宋の二の舞になるな”と助言していると解説します。「大国・宋は滅び申した」

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2022年11月18日 (金)

プレイバック北条時宗・(44)妻のなみだ

的に向かって一心に矢を射る北条時宗ですが、時宗が意地になればなるほど矢は的の中心から逸れ、次の一矢は大きく外してしまいます。その様子を見ていた祝子と若菜ですが、さらに時宗は射続け、弓の弦が切れてしまいます。祝子は時宗の手当てをしながら、根を詰めすぎだと心配しますが、時宗は自分の心の揺れが収まるまでと射続けたと答えます。

建治3(1277)年 冬、何かに急かされるように嫡男幸寿丸を元服させて「貞時」と改名させましたが、この元服の儀式では、安達泰盛と平 頼綱との間に決定的な亀裂を生じさせる結果となり、北条義宗は自害、北条義政は引退・出家という悲劇的な結末を迎えることになってしまったのです。

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2022年11月15日 (火)

プレイバック北条時宗・(43)幕府分裂

建治2(1276)年、北条時宗は博多湾に5里(約20km)にわたる巨大な石の砦「防塁」を命じます。博多では肥後の御家人・菊池武房が割り当てられた担当エリアに立ち、作業を指揮しています。防塁建設は、蒙古の再度の攻撃を凌ぐためだけでなく、散り散りになり始めた人々の心を一つにまとめるための布石でもありました。

時宗は六波羅探題北殿に赴任していた北条義宗を鎌倉へ戻し、義宗を評定衆に加えます。その歓迎の宴で時宗は、再度の蒙古攻撃に備え、九州に所領を持つ東国の御家人には任地に赴かせ、地元の御家人たちの指揮を執らせることにします。安達泰盛は、恩賞が不十分だとくすぶる西国御家人たちの不満を増幅させることにつながると難色を示しますが、北条得宗家に従わせたい平 頼綱と衝突します。

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2022年11月11日 (金)

プレイバック北条時宗・(42)いのち尽きるとも

「時宗どのの中の石、いずれ砕けてお命を奪い去ることになりましょう」 余命5年という無学祖元の診立てに、北条時宗は言葉を失います。使いようによっては5年が50年にもなると祖元はフォローしますが、たくさんの人たちの命を奪ったから仕方ないことだと落胆する時宗です。祖元は、死ぬことは罰ではなく人間にとって大仕事と励まします。時宗は25歳で己の余命を知らされてしまったのです。

北条時輔は謝 国明の鎌倉屋敷で涼泉尼と対面します。涼泉尼は時輔の怒りや無念は察して余りあると理解を示しつつ、時宗の立場を分かってと頭を下げます。時宗の辛い立場は分かっているつもりですが、時輔は時宗を許すことが出来ません。執権という立場が、鎌倉が時宗を鬼にさせたなら、鎌倉ごと時宗を倒さなければ戦は終わらない。「わしは時宗を倒すために旅に出るのでござる。一刻も早く戦を終わらせたいだけ」

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2022年11月 8日 (火)

プレイバック北条時宗・(41)斬るべからず

蒙古の使節団が九州で襲われ、9名の使節が消息を絶って1ヶ月。今度は北条時宗が足利の姫君・桐子とともに館から姿を消しました。桐子の大事な家族を失ったことで時宗は膝をついて謝罪します。そこまで苦しんでいたとは と桐子は時宗を慮ります。戦で取り残された者たちは、悲しみを背負って生きて行かなければならないだけに、「もう殺されるのも殺すのもたくさんじゃ……」と時宗は本音を吐露します。

北条時輔は使節たちを鎌倉へ連れてきて、北条実時と対面させます。なぜこのような大それたことをと実時は愕然としますが、時輔は「賭けたのでござる」と実時を見据えます。

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2022年11月 4日 (金)

プレイバック北条時宗・(40)消えた使節団

桔梗が博多で高 師氏に斬り捨てられ、桐子が足利泰氏の娘であったことを、謝 太郎の知らせで知った北条時宗。信じられず、足利の企みに利用されているだけではないのかと桐子を心配していますが、北条を捨て民となった北条時輔のように、水軍の娘を捨て足利の姫になった桐子も己の運命を変えたくなるものと太郎は考えています。

桔梗が亡くなるわ桐子が足利の姫だというわで、家時は頭が混乱します。乱心したから斬ったと謝罪する師氏は、泰氏寵愛の桔梗を斬った責めを負うつもりですが、桔梗はいつも乱心していたようなものだと家時は不問に付します。しかし叔母にあたる桐子の存在を受け入れるわけにはいきません。桐子はそれも承知の上ですが、師氏は足利に入ったからにはそのために尽くし、背けば許さないと忠告します。

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