2022年6月17日 (金)

プレイバック草 燃える・(16)人質

寿永2(1183)年7月、鎌倉の海で木曽義高と大姫が無邪気に遊んでいます。大姫の、婿さまに対する恋ごころは日に日に膨らんでいき、義高もその思いにこたえるように大姫に付き合って一緒の時間を過ごします。義高についてきた従者たちも特に邪魔するでもなく、2人の様子を遠巻きに見守っています。風が強くなってきたからとさつきが呼びに来ると、2人は仲良く手をつないで御所に帰ってきました。

北条政子も2人の仲睦まじさには目を細めつつ、たまには義高をひとりにしてあげようと大姫を諭して義高を解放(?)します。義高を見送りながら、大姫は「わたしね、義高さまが大好き」とまっすぐに政子を見つめて言うのですが、さつきに言わせれば、年上の兄を慕うような気持ちなのかもしれません。そうねぇ、と頷く政子は、兄を慕う気持ちを考えてみています。

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2022年6月14日 (火)

プレイバック草 燃える・(15)愛のかたみ

名越・北条館──。心配した頼朝に遣わされて、安達盛長が北条館に来てみますが、門番をはじめだれ一人としておりません。伊豆に帰ると宣言した北条時政の言う通り、引き払ってしまったのかと盛長は焦りながら館の中に声をかけ続けますが、「え? 何か?」と北条義時が出て来ました。ホッとした盛長は頼朝を安心させるために義時を御所に連れていきます。

義時の顔を見た頼朝は、よほど安心したのか思ったとおりだと大笑いです。頼朝は義時が鎌倉に残ってくれた嬉しさで、自分の名馬「池月」を褒美にとらせると言い出しますが、義時にとってはたかが父と下向しなかっただけで褒美をもらえるというのは違うと断ります。しかし頼朝は嬉しくてどうしても褒美をあげたいのです。それでも義時は、褒美はいらないと固辞します。

この話を盛長から聞いて、上総介広常は自分がへそを曲げて上総に引き上げたら真っ青になると言いますが、北条の者たちが伊豆へ引き上げたとなると、頼朝の身内のいわば自分の手勢がいなくなるのと同じなので、頼朝も相当堪(こた)えたのでしょう。和田義盛は、時政もやりおると笑います。そんな会話を梶原景時はただ黙って聞いています。

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2022年6月10日 (金)

プレイバック草 燃える・(14)政子狂乱

寿永元(1182)年11月。源 頼朝の嫡男・万寿は、元気いっぱいにお乳を飲んで健やかに育っています。万寿の乳付けの乳母には河越重頼の妻・純子が、乳母筆頭には比企能員の妻・重子が選ばれます。いずれも頼朝の乳母であった比企尼の娘たちです。ふたりは「んーぱっ」とあやして、万寿が屈託のない笑顔を見せます。そして乳母には他にも平賀義信の妻、梶原景時の妻などが選ばれていました。

北条政子は、朝冷え込んだからと万寿の様子を見に来ます。厚着をさせてもひ弱な子に育つし、数日前から出ていた赤い斑点も気になります。あれこれ心配する政子に、重子は「あたくし8人も子どもを育てておりますの」とやり込めます。政子も負けずに、生みの親もたまには万寿を抱きたいと訴えますが、小ばかにしたように笑って、眠った万寿を横にさせるために奥に引っ込んでしまいます。

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2022年6月 7日 (火)

プレイバック草 燃える・(13)若君誕生

養和2(1182)年1月。鎌倉御所は前年6月に造営が成り、侍所の別当には和田義盛が かつての源 頼朝との約束通り任命されていました。頼朝はさっそく伊勢神宮に奉納する文案を作るように命じ、三善康信が考え全成が清書をするという分担制で完成させます。その康信は名を「善信」と改めて頼朝の有能な事務官僚として活躍し始めていました。

御所内で暮らす大姫は北条政子に、自分にはどうして弟や妹がいないのかを尋ねます。北条保子が懐妊して今月が産み月らしく、「きっと男のお子さまですわよ」とのさつきの言葉も合わさって、政子はこればかりはと戸惑い気味です。お付きの佐々木盛綱(三郎)から頼朝が由比の浦で犬追物を催すと聞いた政子は、犬追物のどこがおもしろいのかと少し苛立ちながらつぶやきます。

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2022年6月 3日 (金)

プレイバック草 燃える・(12)飢餓亡者

養和元(1181)年一月、平 清盛は前の年の11月に都を福原から京に戻していました。比叡山や園城寺の勢力と手を組んで、政治を一新したいという清盛の願いもむなしく、半年後の還路でした。

その京に伊東祐之が来ていました。伊東の名前を出して平家に加わりたいと屋敷に掛け合いますが、ボロボロに破れた直垂に髷(まげ)は散切りで、辺りに転がる民たちの死体と同じような格好に、門番は祐之の申し出を一切受け付けず足蹴にします。追い出された祐之は失意のまま、うっすら雪が積もる京をとぼとぼと歩き出します。非常な祐之でさえ、飢餓のあまり人肉を食らう乞食に目をそむけたくなる光景です。

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2022年5月31日 (火)

プレイバック草 燃える・(11)兄の涙 弟の涙

治承4(1180)年10月20日、源 頼朝は30万の軍勢を率いて富士川に到着しました。その時すでに対岸には、平 維盛を総大将とする平家の大軍が布陣していました。見張りの兵とともに無数の赤い幟旗(のぼりばた)がひらめき、頼朝はじっと見つめています。頼朝が初めて目の当たりにする平家の正規軍です。いよいよ平家源氏激突の本格的戦いが始まろうとしていました。

その夜、先駆けを狙った甲斐源氏の一団が密かに川を渡り始めます。その音に気付いた水鳥が一斉に飛び立ち、その羽音を敵の夜襲と勘違いした平家の兵士たちは大騒ぎしだします。酒を飲んでいた者、女を抱き眠っていた者、皆が大混乱に陥り、かがり火や幟旗、武具を倒し踏みつけながら逃亡していきます。維盛もガクガク震えるありさまです。平家軍は夜のうちに京へ引き上げ、頼朝は一戦も交えずして戦いに勝利します。

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2022年5月27日 (金)

プレイバック草 燃える・(10)鎌倉へ

治承4(1180)年10月、京。静まった夜に公家の屋敷に松明が投げ込まれ、たちまち燃え広がります。公家や侍女たちが慌てて外に飛び出して人がいなくなった屋敷に苔丸の一団が駆け込み、手分けして財宝を奪っていきます。平 清盛が福原で都づくりに勤しむ中、警護の薄くなった京は盗賊たちの巣窟となっていたわけです。

乞食たちは1個のもちを取り合いもみくちゃになっています。その人の波をかき分け、苔丸たちは蔵の中に奪ってきた財宝を入れていきます。奥州の金売り吉次がいれば叩き売って換金できるのですが、坂東で戦があっているからか、入京したという知らせは聞きません。小観音は、いっそ奥州に運んで売りに行こうと言い出します。

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2022年5月24日 (火)

プレイバック草 燃える・(09)頼朝再起

治承4(1180)年8月、伊豆山へ避難した政子ら北条の女たちですが、須弥王はじめ寺の者たちの政子たちを見る目が日に日に同情に変わりつつあり、保子は憤慨します。戦況を聞いて駆けつけた茜も、さぞ反感を買っているだろうとうつむきますが、政子はまったく気にしていません。ただ、茜に宛てた恋文をこっそり読んでしまったことを打ち明け、義時が家を飛び出して茜と京へ行こうと考えていることは知っています。

政子は、家族と郎党数人を養えるほどでなければと言いますが、やはり弟がそこまで思いつめて茜を思う気持ちには理解を示し、北条時政や大庭景親らが反対しても何とか一緒にさせてやりたいと考えています。「小四郎に勧めなさい、頭を剃ってお坊さんになるように」と言う政子に茜は戸惑いますが、そうすれば父親たちは諦めるでしょうし、これは一時の方便であり源平の戦いが終わるまでの様子見なのです。

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2022年5月20日 (金)

プレイバック草 燃える・(08)石橋山の合戦

治承4(1180)年8月19日、源 頼朝と大庭景親の決戦の日。出陣前に北条義時は 伊豆山へ避難する北条政子を倉庫へ連れて行き、茜へ宛てた文を渡して伊豆山で誰かに届けさせてほしいと託します。茜にもう一度会いたいという義時の気持ちは姉にはよく分かります。しかし、自分は戦向きの人間ではないだの、家を継ぐ宗時もいるだの、自分のことだけ考えるようにするだのとつぶやく義時に、政子はその真意が分からず尋ねますが、義時はそれには答えず出陣してしまいます。

戦準備の指揮に忙しい宗時は、通りかかった政子に「佐どのとたっぷり別れを惜しんだ方がいいぞ」などと冗談を言って笑っていますが、政子は少し胸騒ぎがして顔が引きつっています。本当のところこの戦は大丈夫なのか、不安が募っていると言うべきでしょうか。宗時は何も言わず、心配を払拭させるようにニッコリほほ笑んで頷きます。

頼朝は初陣ではないものの、総大将としては初めての戦なので少し緊張しています。頼みとしていた三浦は波が荒れて来られず、陸路を進んで大庭を挟み撃ちにする手はずですが、北条館に人手を割くわけにはいかなくなり、伊豆山への避難となったのです。何かと安心するだろうと、頼朝はこの20年来、朝な夕な手を合わせてきた観世音菩薩を持っていけと政子に預けます。宗時からは亡き母の形見の数珠を渡されます。

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2022年5月17日 (火)

プレイバック草 燃える・(07)頼朝起(た)つ

治承4(1180)年8月14日。義時が馬場で、北条宗時と三浦義村から大庭の娘の茜についてからかわれているのを聞いて、北条政子はピーンときました。かつて義時が伊豆山で落ち合う人がいると言っていたのは大庭の姫のことで、その姫から大庭の“19日に出陣”という内部情報を得たのだと。義時は、自分にも北条の血が流れていたのだと、昨夜の暴露について本当に後悔しているようです。

一方の茜も、とても浮かない表情です。父の大庭景親は、義時のことはよく聞き分けてくれたと、その償いに平家の公達から非の打ちどころのない毛並みのいい婿を選んでくると言っていますが、茜の気持ちのモヤモヤはもちろんそういったことではなく、一時の感情に流されて内部情報を言ってしまったことにあるのです。しかしそんなことを父に言えるはずもなく……。

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