プレイバック独眼竜政宗・(30)伊達者
【アヴァン・タイトル】
政宗が居を構えた岩出山。その城跡は白いセメントの政宗像が静かに町並みを見守っている。だが、この政宗像、激動の昭和史をもまた見つめてきたのである。昭和10(1935)年、一体の政宗騎馬像が死後300年を記念して、仙台城天守台に据えられた。だが昭和19(1944)年、この騎馬像に一枚の召集令状が届く。軍事用の金属回収である。仙台城には主のいない台座だけが残った。
台座の上に政宗が帰ったのは、昭和28(1953)年。しかし物資窮乏の折から、復員したのは白いセメントの政宗像であった。昭和39(1964)年、ようやく現在の政宗騎馬像が復元される。白いセメント像のほうは仙台から岩出山へと移り、人々の熱い歓迎を受けた。折しも翌日は東京オリンピック開幕。政宗死後、330年が経とうとしていた──。


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