いちしろく しぐれの雨は 降らなくに 大城山は 色づきにけり
(作者不肖)

しぐれの雨はそんなにひどく降りもしないのに、大城山(四王寺山)は、紅葉したことであるよという意。
当時の人々は生活体験から霜や露や時雨が木々の葉を紅葉させることを知っていたのである。万葉集の歌には体験からにじみ出た歌が多い。
作者不明であるが、眼前に色づいた大城山の景色に感動して詠んだ歌である。

<説明プレートより>